馬頭琴日記

交通事故療養中に還暦を迎えた馬頭琴奏者が、馬頭琴に関する知識を書き遺します

テイルピースの秘密

2017-11-15 13:05:30 | 馬頭琴の基礎知識
弦と直結している、重要なパーツだと思われるのが、テイルピースである。にも拘わらず、長さも重さ・材質に関しても、何も結論が出せていない、パーツである。西洋弦楽器の文献なども探してはみたが、はるか昔に現在の形に進化してしまった為か、何も得られなかった。

左から、2007年ごろのモンゴル国・アルゴサン工房製の高級ライン、2001年ごろのモンゴル国・エンフジャルガル工房製の廉価ライン、2001年製のモンゴル国・エグシグレン工房製の高級ライン

弦を通す構造は、2種類に分類される。左が一般的な、馬頭琴のテイルピース。右はバイオリン属では標準の構造だが、内モンゴルには存在せず、モンゴル国特有の構造。中国領で独自に発展を遂げざるを得なかった内モンゴル自治区と、ソ連を経由してヨーロッパの情報が流入したモンゴル国との、違いなのかもしれない。弦交換の際に、左はボディから外さねば作業できないのに対して、右は駒をセットしたまま1本づつ交換ができるのが、利点なのだろう。

左が2007年ごろのモンゴル国・アルゴサン工房製の高級ライン、右が2000年のモンゴル国・エグシグレン工房製の廉価ライン

モンゴルでも、あまり考えて作られているとは思えない、結構いい加減なパーツだと思う。先日はフブスグルの馬頭琴奏者が持っている、亀の形のテイルピースを見かけた。弦の通る穴に、楊枝を差し込んでみた。この先(上方向)の弦は、下の駒につながる。穴の間隔だが、左は29㎜、右は11㎜。私の愛器の下駒上の弦の間隔は、モンゴル国で25㎜、内モンゴルで22㎜。この流れがギクシャクすると、見た目も悪いので、穴を埋めて開けなおすのだが、それは後日改めて。

左は2007年ごろのモンゴル国・アルゴサン工房製の高級ライン、右は2000年ごろの内モンゴルの標準ライン

内モンゴル・呼和浩特の布和工房製の比較。左は重量のある黒檀製。この楽器でテストをすれば、重量に関して、何らかの答えが導かれるかもしれない。内モンゴルでは、高級=黒檀と言う公式が成立している。バイオリン属では、黒檀ではなく、柘植(つげ)が高級とされる。

左が2003年製の高級ライン、左が2010年ごろの標準ライン

モンゴル国・ウランバートルのアルゴサン工房製の比較。左は1988年に製作されたジャミヤン先生の最後の愛器を、2003年に複製したもの。右は2007年に製作された、私の愛器。テイルピースの長さというのも、解明したい謎の一つ。

左が1988年製の高級ラインのレプリカ、右は2007年製の高級ライン

左は、ビオラ用の黒檀製のテイルピースを、改造した試作。4弦の穴の部分を切り捨て、穴を2つ開け直した。右は、記憶が定かではないが、表板を作り変えていただいた際に、日本人弦楽器製作者が作ったものかもしれない。装飾性を重視し、この穴の大きさでは、外さないと弦交換ができない。

左はビオラ用の黒檀製のテイルピースの改造、右は日本人弦楽器製作者のオリジナルかも?

夏雲がプカプカと浮かぶ晴空、空気が冷たく、気温は9−18℃。昨日は霞ヶ関遠征で疲れ果て、リハビリをサボった。本日は休診日で、首はパキパキと、右肩はゴリゴリと、錆びたブリキのロボット状態。担当の女性弁護士から電話、昨日の保険会社の主張は法的に成立しないので、その根拠を保健会社に説明してくれるという。長〜いトンネルの先に、かすかに見えた・・・光。(81−127)
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