酒神礼賛

ワイン、哲学、文学、音楽、映画のほか料理や写真、仕事のことなど気ままにつづっています。

スタジオジブリ「耳をすませば」

2011年12月02日 16時23分15秒 | 映画&TV
毎度一杯の御運び、厚く御礼申し上げます。


今日はスタジオジブリの「耳をすませば」です。

原作は、柊あおいという方の漫画だそうで、どうやらスタジオジブリでは、宮崎駿監督が原作ではない作品が多々あるようです。

いちおう「耳をすませば」で検索をかけたところ、原作漫画の表紙を観ることができましたが

やはりキャラクタースケッチなどはすべてスタジオジブリで新規に制作しているようです。



物語の筋については、一応触れないこととして(それ以上の暴露になるかもしれませんが)

私が特に気に入ったのは、およそリボンという小学低学年向けの少女漫画雑誌だからこそ成立した

極めて純粋な思春期の憧れを(というか誰もが一度は夢見たことがあるであろう)、悩ましいほど情熱的にもならず

また分別的にでもなく、【微熱】といった温度感で描いていて、その帰結がまた奇跡のようでありながら、極自然なテイストに仕上がっているからです。



こういってはなんだけれども、私には映画でも漫画でも小説でも恋愛ものなんていうのは

根本的に肌に合わず、見ていてぐったりするか寝たふりを決め込むのだけれども

この作品を観たときは、寒気がしました。

もちろん自分も一応初恋だとか何だとかすったもんだの経験はあるのですけれども

ずいぶん長いことそういった感情、ぶっきらぼうに羅列すれば【憧れ】【トキメキ】【期待】【妄想】【盲信】【ためらい】【憂鬱】などとは縁がなくなっていました。



でも、この作品を観終わった後は、おそらく人間だれもが生まれつきもっていて、

一度は経験する、或いは一度しか経験できないそういったものが急に胸の中で脈を打ちました。

まあ、脈を打ったからといってそういった気持ちに戻れるわけでは決してなく、

もちろんそんなことは制作者も意図していないでしょうけれども

この作品を観た人は誰もが間違いなく、自分のその時の経験を思い出し、そのコタツのような暖かさに酩酊した筈です。



最近の作品では「コクリコ坂から」も同じようなテイストがあり、これはもう少し大人な感覚で観ることができ

私はふと、三島由紀夫の傑作「潮騒」が頭に浮かんだのですが

この「耳をすませば」はより年若い世代が題材となっている分

純粋度が高く、感動的です。



「コクリコ坂から」もそうでしたけれども、この「耳をすませば」も

タッチこそ子供向けではありますが、実に大人向けの作品だと思います。

大人は子供よりも知識も経験も分別も当然豊かであるけれども

子供の方が、そんなものよりも美しく、力強いものを持って輝いているということ

そして大人になってそういうものを失った人でも、みんなそういうものを持っていたのだということを教えてくれます。



大人が子供を理解するために、また自分を、自分たちを理解するために

非常に大きな助けとなる素晴らしい映画だと思いました。


ではまた・・・











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