時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

廃墟の宿が佇む天人峡

2014年09月11日 | 

旭岳温泉でタクシーに乗った私は、ほどなくして天人峡に着いた。

道すがら、タクシーの運転手から、天人峡はすっかりさびれてしまっているということを聞かされた。

なんでも、4館あった宿のうち、今も営業してるのはたった2館だけだという。

残り2館は廃業してしまったらしいのだ。

 

天人峡の目玉といえば、なんといっても羽衣の滝だが、2014年現在、羽衣の滝には行けなくなっている。本来滝まで15分ぐらいの歩きで行けるらしい遊歩道が、土砂崩れのために埋まっているからだ。なので、羽衣の滝は見れなくなっている。

そのことを知らないで天人峡に来たお客さんは、さぞがっくりすることだろう。

私は、一応下調べで、そのことは知っていた。

なので、代わりの手立ても一応考えてはあった。

 

とはいえ、売りであった羽衣の滝が見れないということは観光という意味での損失はあまりに大きい。

観光客激減になるのも仕方ないのかもしれない。

 

また、数年前には、天人峡谷に入ってくる車道もまた土砂崩れか何かで埋まってしまい。その結果、外(?)から天人峡に入ってくる手立てがなくなり、その頃は天人峡一帯は「陸の孤島」状態になってしまったらしい。

 

それまで旭岳温泉方面から天人峡谷には路線バスが来てたらしいのだが、その車道が埋まってしまった後は、道路が復旧した後でも、路線バスは天人峡には巡回してこなくなった。

 

路線バスが来なくなったということは、観光地としてのダメージは深刻で、おかげで来る人は激減してしまった。その結果、4館あったうちの1館は廃業。

 

そして、更に羽衣の滝にも行けなくなったとあっては・・・不幸のダブルパンチ。まるで追い打ちをかけるような災害。

激減していた客はそれによってさらに減り、おかげでもう1館の宿も廃業。

 

で、私が辿り着いた天人峡は・・・すっかりさびれ果ててしまっていたのだった。

 

 

↑ これは、夕方ころに宿の窓から見下ろした天人峡の風景。他の宿の外観が入るように写してみた。手前の宿も、その後ろの宿も廃館になっていた。すでに廃墟と化していた。

 

 

↑ まずは手前の宿にズームしてみた。

 

 

↑ さらにズーム。御覧の通り、壁は朽ち、窓も荒れ果てている。心霊マニアや廃墟マニアが訪れていてもおかしくない。というか、そのうち、廃墟ホテルとして、マニアの間で知られていくことになるのだろうか。

 

 

 

↑ で、これは、もう1館の廃墟宿。ボロボロになって、ずり落ちてきている屋根が痛々しく、悲しい。

 

 

宿に入る前に、宿のまん前に、山肌が人工的に削り取られたような場所があったので、見てみた。

だが、それは人工的に削られたものではなく、自然にできたものだそうで、その名も「涙岩」と呼ばれているそうな。遠くから見ると、人工的に削られて、さらにそこをセメントで固めたかのように見えた。まあ、これもちょっとした自然の奇岩ではある。

 

 

私が予約しておいた宿は、かなり大きな宿で、しかも年季の入った雰囲気。昭和の名残があるような、古びた雰囲気で、なにやら寂れている・・。

ともかく宿に私は入り、館内の食堂で何か昼飯を食べさせてもらえないか頼んでみた。

すると・・・昼飯はやっていないという。ならばとばかり、この天人峡で何か昼飯を食べられる店はあるかどうか聞いてみた。

すると・・・店はないという。

もし何か食べたいなら、町に出ないといけないみたい。

 

町に出ようにも、路線バスはここには来ないし、マイカーで来たわけでもないし、タクシーはもう帰ってしまったし・・・で。途方に暮れてしまった。

しまった・・・旭岳温泉で昼飯は食べておくべきだったのだ・・。

まさか、天人峡では何も店がなくて、昼飯を食べる手立てがないとは思わなかった・・。

 

どうしようかと思っていると、宿のフロントの人が、カップヌードルならありますよと言う。フロントカウンターのそばにある小さな売り場に、わずかに何個かカップ麺が残されていた。その中から選ぶしかない。

こうなったら、昼飯抜きにするか、カップ麺を食べるかの選択肢しかない。

仕方なく、食べる気分じゃなかったカップ麺を無理やり食べることに。

旅行に出て、昼飯にカップ麺を食べることになろうとは・・。

これが、どこかの山小屋の宿なら、カップ麺でも十分。だが、普通の観光地で、カップ麺を食べるなんて、初めてかもしれない。

本来カップ麺は好きな私ではあるが、カップ麺がこれほど味気なく感じたことは、これまでなかったかもしれない。

 

 

さて、とにかくカップ麺を食べて昼飯にした後、今日この後の行動を考えた。

前述の通り、羽衣の滝方面に行ける遊歩道が閉鎖されてるのは分かっていた。でも、ここまでせっかく来たのだから、羽衣の滝は見ておきたい。そのためには、2種類の方法があることを、私は下調べしてあった。

 

一つは、ひょうたん沼方面に向かう山道を登っていく途中にある展望台から羽衣の滝を見る方法。

そして、もう一つの方法は、滝見台への軽登山コース。

 

当初私は、ひょうたん沼コースを考えていたのだが、宿の人の話だと、その道は整備されていなくて、歩きづらいとのこと。なにやら、あまりお勧めしていない雰囲気。

 

そこで私は滝見台への軽登山コースを選ぶことにした。

チェックインにはまだ時間があったので、荷物だけフロントに預けて、滝見台を目指す。

いざ。

 

 


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