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気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

ブルーリバー  by  エリック・アンダースン

2011年12月17日 | 音楽全般

エリック・アンダースンの代表作と言われている名作アルバム「ブルー・リバー」。

これをLPで買ったのは、もう・・相当昔のこと。

確か・・・70年代だったと思う。70年代後半くらいだったのではないだろうか。

エリック・アンダースンという名前は音楽雑誌の記事などで知ってはいたが、曲は知らなかった。

彼の代表曲と言われていた「僕のベッドにおいでよ」という曲のタイトルは聴いたことがあっても、曲とタイトルが一致しなかった。

一度アルバムを買って聴いてみようかな・・・とは思っていた。

 

だが、この「ブルーリバー」というアルバムを私が買ったのは、思わぬ勘違いからであった。

 

70年代当時、テレビCMで「ブルーリバー」という名前の商品がよく宣伝されていた。

それは、アクセサリーだったか、化粧品だったか・・・よく覚えていない。

そのCMで流れるCMソング、あまりにも何度も放送されたために、私の耳にすっかりそのCMソングがなじんでしまった。

しまいには・・・欲しくなった(笑)。

こんな曲だった。↓

♪ ブルーリバー   ブルーリバー  ブルーブルー ブルーリバー

 

このCMソングを歌っていたのは女性だったと思うのだが、その原曲は、てっきりエリック・アンダースンの「ブルーリバー」というアルバムに入っている表題曲だと思ってしまった。

 

つまり、エリックの「ブルーリバー」を、女性がカバーして、それが日本の「ブルーリバー」という商品のCMソングとして使われているのだとばかり・・・思ってた。

で、そのCMソングの原曲聴きたさで、エリック・アンダースンの「ブルーリバー」というアルバムを・・・買ったのだった。

 

だが・・・

 

エリックの「ブルーリバー」と、日本のテレビCMソングの「ブルーリバー」は、・・・全くの別物であることが、このアルバムを聴いて分かった。

 

テレビCMの「ブルーリバー」は、明るく軽快でポップな曲だったが、エリック・アンダースンの「ブルーリバー」は全く違うタイプの曲で、静かで知的で、内省的な内容の歌詞を持つ、味わい深いバラードだった。

アルバム全体が、深く哲学的な内容で、心にしみ込んでくるような曲が多数収録されていた。評判通り、確かに名作だった。

アルバムを聴くにつれ、あのテレビCMの「ブルーリバー」のようなタイプの曲は、エリックはとても作りそうにない曲であることも分かった。

いやあ、とんでもない勘違いであった(笑)。

 

ちなみに、エリックの代表曲とされていた「僕のベッドにおいでよ」は、このアルバムには入っていなかった。

それでも、このアルバムが名作であることは変わらなかった。

 

個人的に、このアルバムで特に好きな曲は、タイトル曲の「ブルーリバー」と、オープニング曲の「リアリー・ラブ・アット・オール」。

この2曲は本当に素晴らしい。

1曲目の「リアリー・・」は、いきなり静かなアルペジオで始まる。

この静けさが、このアルバム全体のトーンを決めている感じだ。

で、聴くほどに、染み込んでくる。楽曲そのものの良さもさることながら、このアレンジもいい。

アルバムタイトル曲の「ブルーリバー」よりも私は好きかもしれない。

 

「誰もページをめくってくれないよ  お前一人で読まなければならない

たったひとりで座って 物語がどう終わるのか考えるんだ」

「もし愛が雲でできてるなら  雨を降らせてほしい」

「愛、本当の愛だろうか  それとも愛の呼ぶ何かだろうか」

・・などの歌詞が、印象的だ。

 

そしてアルバムタイトル曲「ブルーリバー」は、ピアノ伴奏で始まる、深い珠玉の名曲だった。

あのテレビCMソングで私が勘違いした「ブルーリバー」とは、似ても似つかない曲だ。

哲学的な歌詞もいい。

「年老いた男は川へ行き 多くの悩みを落とす

もし彼がしたいというなら 行けたんだ

それは漕ぐための船なのさ」

「水色の川は流れ続ける 岸辺に沿って

深みや暗さから僕らを守ってくれる

だって あまり遠くまでさまよいたくないから」

・・などの歌詞が、特に好き。

 

 

 

エリックは、音楽活動が上り調子の時期に、マスターテープ紛失というアクシデントに見舞われ、それまでの彼の音楽の記録がなくなってしまった・・・・という悲しい過去があるらしい。

でも、このアルバム「ブルーリバー」の素晴らしさは、今後も長く語り継がれていくだろう。

 このアルバムを、この世に無数にある様々なアルバムの中から、モストフェイバリットアルバムに挙げる人がいることでも、それは分かる。

 


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