バンビの独り言

バンビことけーちんの、あくまでも「独り言」デス☆

「さんしょう太夫」感想と、私の「おやこ劇場」への思い

2012-08-25 08:14:49 | おやこ劇場/芝居


今夜は、東京ミュージカルアンサンブル(http://members3.jcom.home.ne.jp/tme-sada/)の「さんしょう太夫」を観てきた。

この作品は森鴎外の小説で有名になった「山椒大夫」が基となってるそう。

いつも、劇団うりんこなどの「面白くて感動する」お芝居を観ることが多いけど、この作品は、人身売買、児童虐待、残虐な拷問、首を絞めるシーンなども出てくる。
そして、最後には、惨い仕打ちをした「さんしょう太夫」に復讐する。

うちの子たちは「グリム童話」が大好きだけど、グリム童話も惨いシーンがたくさん出てくる。

ある「三びきのこぶた」の絵本で、最後、オオカミを家に向かい入れて一緒にワインを飲んで仲良くなりました♡とハッピーエンドで終わるものがあった。
親心としては「悪者だってちゃんと改心するのよ。みんな仲良くね」で終わりたいけれど、子どもの心には「もしオオカミがまたお腹をすかせたら襲ってきたりしないだろうか?」という不安な気持ちでいっぱいになってしまう。

悪はきちんと滅びなければいけないのだ。
きちんと滅びるからこそ、子どもは安心できる。


それに、「人身売買、児童虐待、残虐な拷問」などは物語の世界でもなければ、過去の話でもない。
今もなお続いてることで、日本だって、形は違えど同じことが起きていると思ってる。
だから目をそらしてはいけないと思う。

地味な作品だけど、心に響くストーリーでした。


………パンフレットにあった言葉………

無限大の暴力に露出されている現在の私たちの子どもたちには極端的な「悪」の描写が自然と「悪」を否定させるような効果をもたらすかも知れない。

………………………………………………


うちは、長女が小1の時に「おやこ劇場」に入ったの。
かれこれ8年、年に6~8本くらい舞台を観てきてる。

ただただ「あー、面白かった」「嬉しかった」「あったかいなぁ」「幸せだなぁ」って感じるのもいい時間。
観た人にしか分からない「あれね」がたくさんできるのも嬉しい。

子どもが人の人生を疑似体験できるのもいい。
子どもなんてたかだか10年前後しか生きてなくて、自分の家族、自分の暮らししか知らない。
だから、お芝居観たり、物語を読むことで、いろんな家族、いろんな人生、いろんな感情があることを知る。

次女のクラスに家庭が複雑で「荒れてる男の子」がいる。
両親が離婚して居場所が見つけられない女の子の心情を描いたお芝居、「バイバイわたしのおうち」(劇団うりんこhttp://www.urinko.jp/)を見終わった次女は「◯◯ってお母さんいなくて辛いんだろうなぁ」とつぶやいた。

「あの子、うざい、嫌い!」ではなく「荒れるあの子にも事情があるのかも…」と思いを馳せることができたら、みんながもっと優しい気持ちになれる気がする。

それだけじゃなくて、「おやこ劇場」では、いろんな人の「観たい」を持ち寄って決めるので、自分があまり好きでない作品を観ることになる。
入会してすぐに観たお芝居が気に入らなくて、心の中で「こんな作品のために会費払うのもったいなかった」と憤って、ベテラン会員さんに話すと
「良かったね~!自分がどんな作品が好きじゃないのか知れて」
と言われてビックリした。
(そっか!どうして私はそれが好きじゃないのか。じゃ、どういう作品が好きなのかを考えるチャンスだったんだ!と気づかせてもらった)

更に、自分では絶対にチケット買わないだろうなぁ、と思う作品を観て「この世界好き!」に出会えることもある。
私は「おやこ劇場」に入ったことで世界がぐーんと広がった。

でも、小学生男子がサッカーや野球を始めたり、中学で部活が始まると、みんなパラパラと辞めていく。
長女が尊敬する合唱団の先輩たちも「中学で辞めた」子が多いから、長女も「今が辞め時」だと思ってるらしい。

キャンプで、長女に
「もうそろそろ、おやこ劇場辞めたいんだけど」と言われた時に、二人でいろいろ話した。

私「おやこ劇場は『人生の塾』だと思ってる。家族以外に自分のことを温かく見守ってくれる大人がたくさんいるところだよ。だからお芝居を観ないからって辞めないよ」
長女「えぇ?忙しいし、観たくないものだってあるし、もう辞めてもいいよ」
私「観るか観ないかは自分で決めればいい。けど、退会しないよ」
長女「のんちゃんとママが入ってればいいじゃん。私が辞めるだけだから」
私「辞めちゃったら何も観れないけど、入ってれば観たいものが観れるよ。リクエストだってできる」
長女「観ないのに会費払うなんてお金もったいないじゃん」
私「今まで私たちは『おやこ劇場』にいっぱい助けられてきた。お返しに小さい子を育ててるお母さんたちを応援したい、この活動を続けて欲しいから、うーちゃんの分はカンパのつもりで払い続ける」

(結局、昨日の「さんしょう太夫」は一緒に観た)

全国の劇場は会員数が減って大変だと聴く。
(劇団さんも大変って)
お芝居観ることって、習い事と違って、すぐに目に見える成長はないけれど、心にたっぷり栄養もらえるよね。
たくさんの子どもたちに生の舞台を観て欲しいなぁ♡


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