
戦争や事件、事故など、アメリカは自国の過ちをよく映画化してますよね。
風化させない風潮というか、事実を残そうという考えというか。
文化の違いか、日本はそういうのがほとんど無い。
臭い物にはフタという考え。…自分自身も多少なりともそういう傾向有るから、あまり大声では言えませんが…。

まぁ、フタしてしまうと、大体が後でエライ目に遭うんだけどね。
悪く言えば「隠蔽体質」
良く言えば「辛いことは早く忘れましょう」
みたいな感じだろか??
で、そんな中で「日本もようやくこういう映画を作れるようになったか。」と期待した「沈まぬ太陽」です。
原作を全然知らず、前知識もほとんど無し状態で、単純に「日航機墜落事故を全面的に取り扱った作品」と思ってました。
実際のところは事故そのものよりも、国民航空という架空大企業を巡る、内外のドロドロを描いてます。
題材が題材だけに、観て爽快!という映画ではないです。
観終わった後はすごくモヤモヤする。何一つ解決しないまま終わるし。
それに出てくる人物のほとんどが悪人。
余計にモヤモヤします。
もうね、渡辺謙演じる恩地が、出来すぎなくらい不幸なんです。
海外に飛ばされまくり。
落ち着いたと思った頃にテレックス(今のFAX)で辞令が来て、また次の左遷先へ。
あまりにこの繰り返しでこじかは「ドリフか。」と思ったそうで。

ことらも前職であちこち出張に飛ばされたけど、それはまだ国内だったからねぇ。なんかマシに思えたですよ。
何年も海外にあちこち飛ばされ、家庭はどんどんおかしくなっていく…。
「なんでそこまで会社の言いなりになる?」と、不思議で仕方なかったです。
今の世なら、即辞表書くか、あるいは離婚かだろなぁ…。
この辺は時代錯誤かも。
まぁ、高度経済成長の頃は家庭を顧みないお父さんが多かったから、その代表なのかもね…。
現代のみんなの意識は「仕事のための家庭」ではなく「家庭のための仕事」だろうし。
こういうことがあって、ちょっと恩地には共感出来なかったです。不思議男って思ってしまって。
まだ、悪役とはいえ、三浦友和演じる行天の方が、欲望に素直で分かりやすいキャラ。
というか〜、欲望に忠実な人物が多すぎー。
国民航空の偉いさんや大臣連中、みんな私腹を肥やすことに大忙しで。
正直、観てて胸クソ悪かったです。
実際ここまでだったかどうかは知らん。ちょっと出来すぎな気はする。。
テーマは違えど、政治家なんかがわんさか出てくる作品として「官僚たちの夏」と比べてしまうんだけど、こちらは悪役からなにから、みんな「国を良くするために」自分の信念に従って行動してたから、見てて気持ちよかったんですよね。
こちらも出来すぎかもしれんけど、先に「官僚〜」を見てたおかげで、余計に黒々した物に見えてしまいました。
この作品唯一の良心と言っても過言でない、石坂浩二演じる国見会長。
彼を邪魔して辞任させるためにあらゆる勢力が動くんだけど、この辺りはホントに気分悪いです。
隠蔽体質ありありで。
だいぶ脚色されてるとは思うけど、実際こんな事してたとしたら、そりゃ今日の経営危機も必然のことだなぁと思ってしまいます。
そういう意味で、ものすごいタイミングね。今この作品が公開されてるのって。
「なんか飛行機の飛び方が変だなぁ。」と思ったら、この作品は日航から協力が得られず、飛行機は全部CGで描くはめになったそうで。
…だったら全日空に(略
日航は映画化に反対の立場を表明してるらしいです。
故に劇中にもパンフレットにも、「日航」の文字は全く出てきません。
まぁ、当事者としては「(映画化)どうぞどうぞ。」とは言えないよなぁ…。
実際、事故関連のシーンは壮絶です。墜落寸前の飛行機まで出てくるし。
尾翼の無いジャンボには戦慄しました。。
この辺観ると、日航が反対するのも分かるような…。でも、裁判起こそうとしてるのはちょっと違うんじゃないかなぁ。。
JR福知山線の事故も何十年かしたら映画化されるんだろか?
こちらはもっとドロドロだろうねぇ…最近の報告書漏洩のニュースなんか見てると、容易に想像付くなぁ…。
なんか悪い印象ばっかり持ったようになってしまいましたが…前述のように「やっとこういう映画が〜」という意味で、この作品の意義は大きいと思います。
ただ、あまりにドロドロ。
「こんなことがあった。」って意味で、観て良かったとは思うけど、正直、もう1回観たいとは思わないなぁ…。
…どこまで鵜呑みにしていいかも分からんし…。
作品全体の印象として、なーんか古臭いんです。
昭和が舞台だからとか、そういう問題じゃない。
同じ頃を舞台にした「官僚たちの夏」では、そんな印象持たなかったし。
なんでかなぁ?とこじかと話してたら、制作が元大映のスタッフ達と。
なるほど〜。
ということは、自然ににじみ出た物か、あるいは狙った物か、はてさてどっちでしょう??












組織は、長期になればなるほど色々なしがらみが生じ、腐るもののようです。
血を入れ替えて循環させ活性化させる必要を感じます。
いまの官僚や政治家も同じだと思います。
全社挙げてのスローガンは「大企業病にならない!」でしたが、実際は典型的な大企業病でした。
今の職場でも色々あります。「どこ行っても一緒よなぁ。」と感じています。
また、今の社会の風潮は、会社も働く者も「気に入らなければ辞めてしまえ。」というドライな風潮だと感じます。
働き方を考える上で、恩地の行動は一石を投じる物かも…と考える今日この頃です。