たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

容積率は何のため <大阪万博 協力で容積率緩和・・関経連構想>などを読んで

2017-07-13 | 日記

170713 容積率は何のため <大阪万博 協力で容積率緩和・・関経連構想>などを読んで

 

昨夜から扇風機を使うようになり、やはり快適です。わが家も30度を超える状態になっています。でも階下にいくと、扇風機がいらないくらいですから、微妙なところでしょうか。

 

で、朝方というか、まだ夜明け前、早暁には少し早い4時前に、目覚めました。寒さです。温度を見ると25度を少し切っているくらいでしょうか。それでも谷底からの涼風が寒く感じて目覚めてしまいます。

 

体のあちこちに痛みに敏感になっているというか、老化による劣化も要因でしょうか、寒さに敏感になっているのかもしれません。では暑さはどうか、多少鈍感になっている?かも。わけがわからない話になりましたので、この程度にして。

 

今日も事件現場に行ったり、相談対応したりで、もう6時をまわっています。本日のテーマ、「電通 正式裁判」、「九州北部豪雨」「東芝半導体売却に暗雲」など、これまで取り上げたテーマの展開なので、興味がそそられたものの、なぜか見出しのテーマを選びました。

 

宇都宮裕一記者が<大阪万博 協力で容積率緩和 費用負担企業優遇 関経連構想>という見出しで取り上げています。昨日は<大阪万博 誘致「夢洲、大きな強み」 経団連会長視察>という、ま、宣伝的な記事でしたが、今朝は一面では淡々とした扱いながら、7面の解説では宇都宮記者が<万博協力・容積率緩和 前例なく課題山積み>と問題ありとの視点で切り込んでいます。そこで、久しぶりに容積率制度について考えてみたくなり、一時間程度でうまく扱えるかわかりませんが、頑張ってみようと思います。

 

大阪への万博誘致は、関西圏の経済的な低下現象を巻き返すには有効な策であるかのように、行政・経済界一体になって取り組んでいるようですね。

 

大阪万博誘致「夢洲、大きな強み」 経団連会長視察>では、<経団連の榊原定征会長は11日、大阪市内で記者会見し、2025年大阪開催を目指す国際博覧会(万博)について、「環境、エネルギー、健康・医療など世界が直面する課題に対して日本が先進的に取り組む姿を示す場にしたい」と意欲を語った。誘致委員会会長として「日本経済にとって重要なので、国内の機運醸成にも力を入れたい」と強調した。>ということで、課題解決型の展示を考えているのでしょうか、毎年どこかでやっているような気もしますが、総合的に取り組むというのであれば、意味があるかもしれませんね。

 

<会場候補地の人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)>について、「きちんと整備された100ヘクタール超の更地がある。他の立候補国と比べて大きな強みだ」と評価。>していますが、それだけ広大な敷地が使われないまま、今日に至っているのは、何が原因かにも言及して欲しいと思うのは余分な事でしょうか。

 

<候補地の北隣に大阪府・市がカジノを含む統合型リゾート(IR)誘致を目指している点には、「万博とIRは別物だが、経済面だけ見れば二つが共存することで補完効果、相乗効果が期待できる」と指摘した。>との点は、関西圏の中では自発的な開発が望めないことの裏返しでしょうか。東京お台場もそういう時期がありましたが、地道な努力であそこまで行ったのは、こういった巨大プロジェクトが採用されなかったことかもしれません。他方で、この2つのプロジェクトはどうも事業自体の危うさを内包していると思うのは私だけではないでしょう。

 

大阪万博協力で容積率緩和 費用負担企業優遇 関経連構想>は、まさにそのことを裏付けているような構想に思えます。

 

<関西経済連合会は、国際博覧会(万博)の2025年大阪誘致が実現した場合の会場建設費を集める方法として、費用負担に応じた企業に対し、大阪市中心部などに所有する建築物の容積率を緩和する優遇措置の検討を始めた。高さ制限の緩和にもつながり、企業側は建て替えの際の自由度が増すメリットがある。対象地区を特区に指定するなど規制緩和が必要なため、関経連は今後、政府や大阪府・市と協議する。>

 

会場建設の費用を集めるための方策ということですが、なぜ企業は費用負担にこぞって応じないのでしょう。70年万博とは違うでしょう。もう万博の時代ではないというひともいます。そうとはいいきれないと思いますが、魅力あるものであれば、事業採算がとれる見込みがあれば、企業としては費用負担に躊躇しないでしょう。株主の声が厳しいといいますが、それは投資の効果が見込まれるかどうかと言う合理的な見方なのですから、それは泣き言にすぎないでしょう。

 

結局、いまだそれだけの魅力ある万博構想ができていないからではないでしょうか。それを容積率緩和して財産価値を高めるから、費用負担をというのは、容積率規制の基本を損ねていると思うのです。

 

<関経連が参考にしているのは、JR東日本が12年に実現した東京駅丸の内駅舎の復元だ。東京都が国の制度を活用して、駅周辺の約1平方キロを特例容積率適用地区に指定>ですが、これは解説でも<万博会場候補地の夢洲(ゆめしま)から約10キロ離れた大阪市中心部など需要のある地域で容積率を緩和する仕組みは全国的にも前例がない。さらに、関西財界の中には「住民にはメリットがなく、(日照権などの問題で)反対が起きかねない」と指摘する意見もある。>と問題にしています。

 

だいたい、丸の内地区は東京を代表する景観規制が長年にわたって形成・維持されてきた地区です。東京駅と丸の内地区は一体的な景観保全が図られてきています。その中で、東京駅の上空占拠率を抑えつつ、空中権として譲渡し、その費用を捻出するわけですが、その場合、空中権利用も一体の景観保全に適するよう配慮しているはずです。容積率規制やその緩和をもって日照権問題に歪曲するような考えは誤解を招きます。

 

そもそも容積率規制は、先進各国の中ではわが国の制度自体と運用は異例だと思います。商業地域(ダウンタウン)などを中心とする<7.海外の制度の状況(1)各国の土地利用規制制度の比較>が参考になるかと思います。この解説はいつか考えたいと思います。

 

ところで、国交省のウェブサイトで容積率を探ると、<容積率緩和の取組 国交省><地域の創意工夫による容積率特例制度の活用例 国交省>しか見つかりませんでした(わずかな時間での検索ですのであしからず)。

 

要は規制緩和だけが国交省の役割のような印象です。では現行容積率制はなんのために、どのようにして決められたのでしょうか。

 

参考になる文献は、いろいろありますが、私は少し古いですが<容積率規制の理念と展開の方向性>がきわめて的確にこの制度の基本を解説していると思って(むろん具体的な面では賛同できない部分もありますが)、昔、裁判でよく引用させてもらいました。

 

大方氏は、<3. 容積率規制の特質>で次のように述べています。

 <容積率規制とは、建築形態の自由度、特に建物高さの自由度を確保しながら、土地利用密度が無制限となることを回避するため、最も単純・簡便な規制手段として導入された規制手法である。>

 

では、その数値はなんらかの合理的な根拠を持って指定されたものかですが、大方氏は明快に否定します。

<土地利用密度が無制限では、市街地の環境が極端に悪化し、道路・鉄道・駅・歩道等の交通施設をはじめ各種インフラが破綻する恐れが生ずるので、何らかの限度を設ける必要があるわけであるが、その限度を示す指定容積率の数値そのものは必ずしもインフラストラクチャーの現状に応じた各地区の適正容量を示したものではない。>と。

 

<規制の枠組みの総量が将来の都市成長を受け入れる必要があり、枠組みの下でゆっくりと成長する都市活動が一方で徐々に進むインフラ整備を極端に追い越すことがないようにする必要があり、かつ局所的に見た市街地の環境が市街地の性格に応じた社会的通念に照らして妥当なものに納まるようにする必要があり、しかも土地利用の権利の制限として妥当かつ安定的なものである必要がある。これらを総合的に勘案して設定されたものが、限度としての指定容積率の数値である。>

 

とされていますが、たしかにインフラ整備との整合性が重要な点では反対する意見は少ないと思いますし、正当性があると思いますが、その具体的なデータ根拠を示すことは不可能に近いですし、実際の指定容積率はそのようなデータを踏まえた合理的な指定とはなっていません。

 

大方氏は、<インフラ整備を予定しない安定的な都市の場合は適正容量を示した容積率規制を設定することもあり得るが、少なくとも、東京の容積率規制とは、インフラストラクチャーの現状に応じた各地区の適正容量を精密に算定し、それを容積率として指定したものではない。これは既成市街地内部においてもインフラストラクチャーを整備しながら、広く土地利用密度を上げていくことを想定した開発途上大都市に容積率規制を導入したことの必然的結果でもある。>これは東京都だけではなく、全国各地の指定容積率を検証すればすぐにわかることでしょう。

 

問題は、インフラ整備をどうとられるかですが、たとえば東京のようにあれだけのギュウギュウ詰めの電車での通勤・通学を余儀なくされていても、容積率緩和が当然のように声だかに主張されています。それが所有権の価値、地価を押し上げるという、まさにマネー資本主義に牛耳られた容積率制度に成り下がっているように思うのです。

 

大方氏は、改善策をいろいろ提案されており、傾聴に値するものと思いますが、その後こういった議論が幅広くなされたということを聞いたことがありません。

 

その中で、大阪万博誘致のために大阪市中心部の容積率緩和が当然のように議論されるのは残念なことです。万博を誘致し成功させたいのであれば、万博自体を魅力あるものに知恵を絞ってもらいたいものです。

 

そろそろ1時間となりました。今日はこの辺で終わりとします。

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