たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

痛みとのお付き合い <論点 「痛みに耐える」を考える>を読んで

2017-05-17 | 日記

170517 痛みとのお付き合い <論点 「痛みに耐える」を考える>を読んで

 

今朝は寝床でまどろんでいるとき、ホオジロの軽やかな鳴き声が飛び込んできました。最近の3重の重厚なガラス窓だときっと遮断されてしまうのでしょうね。起きていろいろと作業をしていると、こんどはシジュウカラのつがいらしい声が行き交っていました。ウグイスはかなり歌声が上達してきたようです。朝事務所に出かけるときはその林のそばを通り、柿畑を抜ける田園コースをたどることにしているのですが、今朝はイソヒヨドリが道路の真ん中で立ち止まっているのに遭遇しました。なにか虫をゲットした瞬間だったようで、向こうもびっくりしてこちらを見るのですが、一瞬立ち往生でした。坂道で曲がりくねっているので20キロ以下で走っていますから、さらに徐行すると、さっと飛び立っていきました。

 

この坂道は小学生の通学路で、少し前まで大勢が小グループでわいわいがやがやと、のんびり登ってくるのです。彼らにとって通りのあちこちに興味を示しながら仲間と会話を交わすのが最も楽しい瞬間の一つなんでしょう。その声は遠くまで聞こえてきます。まるで小鳥たちのように。

 

今日は割合早めに仕事を片付け、ブログを書き始めています。夕方会議があるので、夕方に書き始めるわけにはいきません。幸い急ぎの仕事もなく、今日のテーマを少し考えつつ、最近、あちこちに不調を少し感じていることもあり、健康というか、痛みとその対処について少し触れてみたくなりました。

 

今朝の毎日は<論点「痛みに耐える」を考える>という見出しで、<大相撲春場所でけがを押して逆転優勝を果たした新横綱・稀勢の里。>について3人の見方を伝えています。

 

<「スポーツ根性もの」は過去の遺物と言われて久しいが、痛みに耐えて試練に立ち向かう姿は今も見る者に深い感銘をもたらす。>この視点から芝田山親方(元横綱・大乃国)と大島ギュウゾウ タレント・電撃ネットワークメンバー。

 

<一方、6人に1人が慢性の痛みを抱える日本だが、「痛みの治療」は遅れている。>この視点で北原雅樹・横浜市立大准教授(麻酔科)が、それぞれ意見を述べています。

 

さて、<私たちにとって「痛み」や「我慢」とは。>は日常的であり、生まれたときから死ぬまで付き合う感覚というか、心構えというか、そういうものではないかと思うのです。なにかヒントになり得るか、はそれぞれのとらえ方でしょうか。

 

たしかに先場所の稀勢の里には感動しました。あの痛々しい状態で、相撲をとれなんていえないですし、とらなくてもいいのにと考える人もいたと思います。私の場合、痛みに弱いので、あるいは敏感なので、まず痛みを見つけ出してそれ以上の痛みが増すこと、痛みのために悪い結果になることを避けたいと思う方です。

 

こういう感覚だと、とてもトップクラスのアスリートはもちろんのこと、わが国のアスリートとしては失格でしょうね。私も柔道を少々やっていましたが、柔道の練習では耳タブのあたりを変形するほど、練習で鍛え上げないと、真剣に修練しているとは言われません。血が出ていようが、痛みで我慢できない状態であっても、やり通すのがわが国の練習スタイルと思っている指導者でない人を探すのが難しいほどでしょう。ましてトップクラスだと、骨折やさまざまな痛みを乗り越えて試合に出る、それが求められていますね。痛みなんて言葉は禁句なんでしょう。

 

それが自分で判断し痛みを甘受するのであれば、その人の責任ですし、その結果の是非も受け入れるのが当然かもしれません。ただ、痛みの原因は多様ですし、その原因によっては将来にわたり甚大な影響を残すかもしれません。後遺症となり、体の一部ないし全部について、大切な機能障害・不全を起こし、(労働)能力を一部ないし全部喪失する危険もあります。

 

ところが、北原雅樹・横浜市立大准教授(麻酔科)が指摘されるように、<日本では約2000万人が慢性の痛みを持つと推計されるが、患者が医療機関で痛みを訴えても、「異常がないから大丈夫」と帰されてしまいがちだ。すると、患者も医療者に痛みを訴えなくなってしまう。>ということが現在どこでも起こっているのではないでしょうか。痛みのメカニズムについて今なお医学的知見としては未知数が広範に残されているように思うのです。

 

北原氏が指摘するように、民族性によって痛みに対する感覚も大きく違うでしょうし、個人差もあるでしょう。痛みのメカニズムはおそらくは人類にとって永遠に取り組む課題ではないかと思っています。

 

たとえばむち打ち症は交通事故では頻度の高い傷害ですが、北原氏によればリトアニアではそういう診断名すらないということで、痛みを認めてもらえないというのですから、驚きです。とはいえ、従来、医療機関による検査データ、たとえばMRIなどで変形やヘルニア、あるいは狭窄が認められると、後遺障害診断で客観的なものとして最低でも12級くらいになりえたと思うのですが、それも現在ではさほど信頼性があるわけではないことが疫学的調査結果から分かっていますね。

 

私自身も四半世紀以上、腱鞘炎の症状とむち打ち症状で痛みと付き合ってきましたが、検査データでは異常は見つかっていません。神経細胞がびりびりする状態でも、神経系の異常はないとある著名な整形外科で診断をうけたのはずっと昔で、それ以降も検査データはあまり頼りにしていません。

 

その代わり、整形外科などに代わり、さまざまな治療を受けてきました。いろいろ試しすぎて、それぞれ一応の効果があるものの、結局、改善には向かいませんでした。私の痛みは、稀勢の里のような強烈なものではないですが、それでも箸もとれないときもありましたし、痛みで寝れないこともありました。始終痺れていてびりびりしている感覚で、ひどいと背中中に回り、なんにもできない状態になったこともあります。

 

それが現在、こういうタイピングを2時間も続けられる、あるいは場合によって4~5時間打ち続けてもあまり変調を来さなくなったのは、ある整形外科医と内科医のおかげです。やはりいい医師に出会うことにより、苦境から立ち上がることが出来るんだと、わずかな経験から感じています。

 

それは痛みで悩まされているとき、唯一の救いになった柳澤桂子著『癒やされて生きる』でした。柳澤氏の苦痛・苦悩は私などの比ではもちろんありません。でも彼女も四半世紀もの長い間激しい発作と痛みに苦しみながら、どの医師も検査結果に異常がない、心因性のものと言われて突き放されていました。唯一、ある若い医師がステロイド投与による目の痛みが止んだ事実をとらえて、その使用を勧め、他の症状にも効くことで痛みがやわらいでいったのです。

 

そして柳澤氏は、その若い医師を当然大変評価しています。他方で、それまで診察した「一人ひとりの医師を恨む気にはなれない。」というのです。そして「医学教育の問題」より「もっと奥深い人間の本性の問題と関係があるように思えるのである。」とも言うのです。

 

私も、柳澤氏が上記の指摘をしながら、さらに著書で深い詳細に洞察をされている内容に共感しています。というか、彼女の苦痛は、計り知れないものです。だからこそ、『生きて死ぬ智慧』で、般若心経の本質を説くことができたのではないかと思うのです。柳澤氏は生と死の狭間を行き来してこられたのではないでしょうか。たしかどこかの高僧と対談する場面を以前TVで見ましたが、高僧以上に奥深い言葉を感じたのは贔屓目かもしれませんが、この著作を書けるひとだからこその言葉だと思いました。

 

もうそろそろおしまいにしたいところですが、一般受けに、少し私の仕事に関係する痛みの経済的評価というものについていくつか取り上げてみたいと思います。

 

痛みは精神的苦痛ということで、誰かが原因を作った場合に、痛みの代償として経済的対価を支払わせる仕組みが近代法という制度で導入されました。身近によく出てくるのは慰謝料ですね。ほんとにこれで痛みの代償となるのかと言われると、なんともいえませんが、「目には目を歯には歯を」といったハムラビ法典のような手法はやはり合理性がないでしょうね。自力救済を避けるには、資本主義経済の下では経済的に評価して損害の公平負担を図ることになるのでしょう。

 

とはいえ、慰謝料といってもいろいろで、<名誉毀損の慰謝料>などはよくマスコミを賑わしますが、わが国ではなかなか損害額が上がりません。最近少しずつ増える傾向でしょうか。馴染みなのは?離婚慰謝料とか不貞慰謝料ですが、いずれも日本中、都市も地方も関係なく起こっている精神的な痛み事件ですので、マスコミを騒がすようなことは希ですね。

 

でも海外のニュースで取り上げられるのは、異常に破格の金額ですね。

元モデル、離婚慰謝料69億円勝ち取る>で驚いていたら、もっとすごいのがありました。

慰謝料1167億円 前妻が受け取り拒否

 

いずれにしても庶民には関係のない話しです。<離婚と慰謝料の相場>など、ウェブ上にはこの種の慰謝料相場がいろいろ出ていますが、事案の内容次第で異なりますし、簡単ではないですね。それよりも、とくに地方ではいくら慰謝料といっても、仕事も貯金もない人だと、「無い袖は振れない」ということで、絵に描いた餅になりそうです。

 

交通事故の慰謝料も、いろいろなウェブ情報があり、参考にしてよいとは思うのですが、通院慰謝料なんかでも、後遺障害が診断されれば別ですが、そうでないと、通院期間も保険会社によって相当厳しい対応がありますね。治療を担当する整形外科でも、明瞭な基準を持ち合わせていないと(たとえばむち打ち症)、治療継続を診断するのに躊躇するでしょう。

 

後遺障害と慰謝料については、<後遺障害慰謝料等級別〜裁判・任意・自賠責保険比較表>がわかりやすいですね。最低この3つの区別を知っていると、痛みの値段もいろいろだということがわかりますね。

 

と今日は最後になって余談が長引いてしまいました。

 

2時間近く書いてしまいましたので、この辺で終わりとします。

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