たそかれの散策

都会から田舎に移って4年経ち、周りの農地、寺、古代の雰囲気に興味を持つようになり、ランダムに書いてみようかと思う。

民主的表現の一形態 <トランプと世界 ・・イバンカ商品、不買運動拡大>を読んで

2017-06-19 | 政治 経済

170619 民主的表現の一形態 <トランプと世界 ・・イバンカ商品、不買運動拡大>を読んで

 

毎日同じような活動をしていると、曜日を忘れてしまうことがあります。これも老化の表れかと一瞬思ってしまいますが、それでも子どもから「父の日」メールが届くと、まだ老いぼれていないぞと元気づけられる?思いがします。

 

さて今朝も同じように朝ぼらけというより、暗闇の中目が覚め、うとうとしていると、まだ早暁かなと思っていたら、なんと630分です。久しぶりに寝入ってしまったようです。そのせいかどうか、40年以上ほとんど変わらない体重が激減していたのが、ようやく3kg増えてきて、若干持ち直しつつあるように思えます。そういえば先日来訪した依頼人兼友人がずいぶんやせましたねと最初の一言。そうかなと思いつつも快復基調にあるから、それほどでもないかなと思っています。

 

とはいえ仕事の能率は今ひとつでしょうか。いつの間にか6時になっています。ちょっと慣れない相続登記申請をすることになり、その書式とかに戸惑うと、なかなか頭が回りません。禅では気の転換を重視するようですが、私も若い頃は割合得意でした。でも最近は頭が重いせいもあり、なかなか転換が聞きません。一つの仕事をやり終えても、なかなか別の仕事に移るのに時間がかかります。これもやはり老いの表れでしょうか。いやまだ体調不調のためでしょうか。

 

といった気持ちでいたら、いつの間にか6時になっています。そろそろブログを書かないと帰れません。ここから一時間、頑張ろうかと思います。

 

さて昨日のイージス艦衝突事件、その後TV放映を見て一つ修正。イージス艦の衝突した右舷が水面からあまり上にないと指摘しましたが、TV放映を真正面から見ると、傾いていたのですね。衝突で海水が入り、右舷側に傾いていたわけですから、水面からあまい出ていないのは当たり前ですね(艦長は沈没する懸念まであったようです)。

 

とはいえ、やはりコンテナ船の損傷部の高さと、イージス艦の損傷部の高さはどうも会わない気がします。ここに3D測量で立体像があれば、その損傷部を相互に照合すれば、どのように衝突したか一発で解明できるのではと思ってしまいました。飛躍しますが、あの映画「不都合な真実」でウィットに富んだアル・ゴア氏の表現が多いですが、ある場面を思い出しました。たしか小学校の授業で、世界地図を見ていた一人の生徒がアフリカ西海岸と南アメリカ東海岸がぴったりくっつくんではと教師に質問したら、そんな馬鹿なことがあるかといった回答を教師がしたそうで、その教師がその後ブッシュ大統領の問題スタッフになったとかという話だったように思うのです。

 

それはともかく大陸の分離が証明されるくらいですから、海難事故の損傷船体部の称号なんて簡単な話に思うのですが、少なくとも米軍は情報を出さないでしょうね。海の交通ルールもデータがないとどっちが悪いかなかなか解明できませんね。これからの推移を見守りたいと思います。

 

で本題に入ります。<現場報告・トランプと世界リベラル派、草の根の抵抗(その1) イバンカ商品、不買運動拡大>は、トランプ式民主制に対して、アメリカ人が好むダイナミックな個々人の選択活動で意思表明するやり方を取り上げています。

 

トランプ氏は、仕事を失った多くの白人労働者のために仕事を増やすと主張し、また、仕事を奪う、あるいは危険な不法移民労働者は排斥するとも主張し、多くの支持を集め大統領に選ばれました。不良債権を売りまくり、住宅ローン負債で多くの破産者を出したウォール街は悪の塊のように批判していましたが、政権発足後はそのウォール街のトップクラスを政権閣僚に招いていますし、その批判の声は聞こえてきません。他方で、娘のイバンカさんのブランド商品やトランプ氏が実権を握ってきた不動産業は、トランプ政権の旗の下、順風満帆だったのではないでしょうか。

 

しかし、政権発足以降のトランプ政権は、民主的公正さや国際的協調を無視し、移民への差別、地球温暖化対策への逆行を促進して、言葉だけでの批判では問題の深刻化を招くしかない状況のようにも思えます。わずかにその政権を支持するリーダーの一人が安倍政権というのはなんとも悲しいばかりです。

 

アメリカの大統領選挙において民主制が遺憾なく発揮されているかといえば、疑問を抱く人も少なくないでしょう。実際、今回の選挙で選択肢がない、棄権した人も相当いたのではないでしょうか。その結果選ばれたトランプ政権ですが、その不当な動きに唯々諾々とするのはアメリカ人的でないというのも、アメリカ流民主主義の一つかもしれません。

 

記事の最初に<ニューヨーク市マンハッタンにある世界最大級の百貨店メイシーズの婦人服コーナー。手にしたドレスのブランド名を見て、すぐにラックに戻す女性に出くわした。エレン・グリーンバーグさん(53)。「トランプ米大統領の長女イバンカさんが手掛けるブランドだからよ」と言う。別の百貨店でもイバンカ商品に気づき、「商品を置かないよう文句を言った」と漏らす。>

 

静かな、そして確実な、トランプ政権への抵抗ともいえるでしょう。政治学者からすると、それはお門違いというかもしれません。しかし、トランプ氏自体が、その経済権益を公開せず、娘や息子を通じて経済活動を維持しています。森友学園の篭池氏や、加計学園の加計氏のレベル以上に、政権の力を利用しているといえないでしょうか。家族の経済活動と自らの政治活動は別と言い切るには、あまりに密接一体化していないでしょうか。

 

アメリカのボイコット運動は、長い歴史があり、力強く、たとえば熱帯林伐採反対闘争ではその力を遺憾なく発揮しています。わが国でも時折試みることがありますが、遺憾ながら、消費者などにそういった高い行動原理に共感したり、意識を理解することができるまでに至っていないこともあり、ほとんど有効に機能していないと思います。

 

私自身、カナダで日系企業が先住民の森を伐採したことに反対すべく立ち上がった3人のトロント大の学生が始めたボイコット運動がカナダ全土を巻き込む強力な抵抗運動となり、企業が伐採制限など大きな制約を受け、反対にこのような運動を業務妨害として差し止め仮処分を求めた事件について、論評したことがあります。仮処分裁判所が、ジェノサイドといった表現については行き過ぎたものとして違法としたものの、表現の自由として、ボイコット運動の手法を認容したのです。その手法は、伐採企業そのものに対してだけでなく、関連する企業がピザを入れる箱を納入しているピザチェーン全店で、その店の前で、抗議活動をしたのです。ピザチェーン店としてはいい迷惑でしょうが、とりわけ大企業は仕入れ材料も含め関係する商品のライフサイクルに責任を持つべしとの思想が背景にあるといってよいでしょう。

 

もう一つは<リベラル派、草の根の抵抗(その2止) 若者と科学者奮起>ですが、これもすごい一つの「民主主義」的表現でしょうか。ティーパーティが似たようなことをやってきたようですが、リベラル派はさらに強化したのでしょうか。

 

<「医療保険制度改革法(オバマケア)は機能していない」「(温暖化対策の国際的枠組み)パリ協定は米国経済を傷つける」--。共和党の重鎮センセンブレナー下院議員(74)が発言するたびに、一部の参加者が「不同意」と書いた赤いカードを振りかざす。「違うぞ」「うそつき」とやじを飛ばした時、センセンブレナー氏は「ストライク・ワンだ」と応戦した。「集会を中止(ストライク・スリー)するぞ」との警告だ。議員は先月の集会でブーイングを浴び、数分後に中断した。>

 

そして選挙には熱心でなくても、違う方法で民主的意思を表現できるというのでしょうね。

<選挙で、共和党の支持基盤の白人高齢者は投票率が高く、民主党支持者が多い若者やマイノリティーは低い。民主党の弱点は投票率だが、拡大する抵抗運動には若者の姿も目立つ。

 NGO「ウィスコンシン市民行動」のケビン・ケインさん(29)は40回以上、市民集会や抗議運動を企画した。オバマケアを守るためだ。大学卒業後、健康保険を提供してくれる雇用先はなかった。はしかウイルスが目に入り、1カ月の間、ほぼ視力を失った。26歳になるまで親の健康保険に加入できるオバマケアのお陰で治療を受け、失明を免れた。>

 

しかし、個々人がしっかりした考えの基に、活動するのならともかく、単に反対するためだけの抗議であれば、ティーパーティと同様に、多くの支持を得られないように思います。とはいえ、いまアメリカの民主主義が危機にさらされているようにも思える中、一時的な非暴力の抵抗として許容されるようにも思うのです。

 

ちょうど一時間がすぎました。この辺で終わりにします。