「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

総花的な支援は効果なし アフリカ開発会議(TICAD)

2016-08-26 06:50:40 | 2012・1・1
第6回アフリカ開発会議(TICAD)が26,28日、ケニアのナイロビで開かれ、安倍総理を筆頭に80を超す企業、団体が参加する。TICADは1993年、日本の音頭取りで国連との共催で始まったが、会場がアフリカの地で開かれるのは初めてだ。安倍総理は出席に先立って”日本の質の高い技術と人材育成を生かしてアフリカの発展に貢献したい”と述べたが、演説の裏には、ここ数年急速に伸びている中国が念頭にあるのは確かだ。

残念だが、TICADAは構想としてはよかったが、アフリカ首脳の”日本招待旅行”にすぎなかったのではないだろうか。その間に、中国のアフリカ進出は急速に伸び、2000年から15年間に対アフリカ貿易額は22倍に拡大、IMFの集計では1364億ドル(2012年)にのぼり日本の4倍である。TICADAの中国版ともいえるFOCAL(中国アフリカ協力フォーラム)を通じて着実に実利をあげている。

"二兎を追うもの”の譬えではないが、日本のTICADの狙いの一つは、安保理常任委員国選挙に向けての53か国というアフリカの””票田”にもあるのかもしれない。しかし、53か国の中には、80の企業、団体が、わざわざ出かけるほど魅力のある国はどれだけ、あるだろうか。南アフリカ地域の小国がTICADを利用して日本へ留学するというネット情報もあった。ムダとは言わないが、あまり意味がない。

今回の会議の最終日には、テロ防止への貢献を柱にする首脳間の文書「ナイロビ宣言」を採択する予定というが、アフリカの開発には直接関係のない領域にまで口を出すことは誤解を招きかねない。”商売”に徹したほうがよい。



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