「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

小池知事の”煙(ケム)にまく”横文字戦法 アウスヘーブン

2017-06-15 05:42:21 | 2012・1・1
東京都の築地市場から豊洲市場への移転をめぐって検討されてきた専門家会議の結論も出、一方、市場の持続性をテーマに論議さてきたプロジェクト(PT)会議の報告もまとまり、小池百合子知事は15,16両日、東京都の「市場のあり方戦略」会議を開催、これを受けて最終結論を出す模様である。正直いって政治の素人には、会議が幾つもあって解りにくい。

そこへ持ってきて小池知事の横文字好きだ。先日の記者会見では”アウスヘーブン”という、まったく庶民には馴染のない言葉が飛び出してきた。知事お得意の庶民をケムにまく横文字戦法だ。”アウスヘーブン”とは、ドイツの哲学者、ヘーゲルの弁証的哲学の学術語で、日本では「止揚」と訳されている。僕は初めて聞く言葉なので広辞苑(新村出編 岩波書店)で調べてみると、こうあった。
「事象の低い段階の否定を通じて高い段階へ進むが、高い段階のうちに低い段階の実質が保存される」

小池知事が就任後の昨年11月、豊洲市場の移転延期を発表して以来の知事の、この問題についての言動を僕は、非哲学的な頭を絞って考えてみたが、知事の”アウスヘーブン”の論理は解けない。むしろ問題が複雑化するばかりでありる。知事の厚労相時代の言葉だという”クールビズ”は、なんとはなく、この季節、男性のノーネクタイ姿をみて解る。しかし”アウスヘーブン”に至っては、横文字の礫(つぶて)の一つ。知事の庶民をケムにまく戦法の一つにしか見えない。