「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

日韓合意から一年 まだ撤去されない慰安婦像

2016-12-26 06:48:18 | 2012・1・1
早いもので日韓両国の間で慰安婦問題について、”最終的かつ不可逆的な”合意を見てから28日で一年になる。合意に基づいて、わが国はすでに10億ドルの基金を供与、元慰安婦に対して”慰労金”の支払いも開始されたが、ソウルの日本大使館前の慰安婦像は案の定、危惧された通り、撤去されていない。逆に合意した大統領が弾劾に会い、その座を追われる中で、合意自体も無効だという声すら出てきている。頂くものだけ貰ってまた問題を蒸し返すつもりなのか。

昨年の”最終的かつ不可逆な”合意の中で”慰安婦像“の撤去には僕ら外交の素人が見ても、果たして大丈夫なのか危惧を抱くものだった。日本側が”大使館の安寧、威厳などの観点から撤去が望ましい”と要望したのに対して、韓国側も”可能な限り、関係団体と協議し、適切な解決を図りたい”というもの。これでは、像が撤去されないからといって、合意に反すると抗議も出来ない。

韓国は昭和40年(1965年)の日韓基本条約で”完全かつ最終的な”合意により、日本は3億ドルの役務賠償を含む合計11億ドルの経済協力金を支払っている。当時の韓国の国家予算は3.5ドルであった。韓国の”漢江の奇跡”と言われる経済発展は、これがばバネになって達成されている。しかし、韓国の人たちは、このことを知らないと聞く。

韓国の政治混乱は当分続きそうだ。わが国は”最終的かつ不可逆的”と思っても、相手はそうとは思わない。慰安婦像は”可能な限り”であって、永久に撤去しないかもしれない。下司な表現だが”食い逃げ”が、この国の常套手段なのである。”最終的”という言葉は、この国にはない。