「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          ”サクラ”散っても落胆するな

2012-03-15 07:46:12 | Weblog
”サクラサク””サクラチル”は、その昔大学の合否電報の定番だった。昭和31年の早稲田大学の合格発表がその嚆矢だ、とネット情報にあった。僕の入試発表は昭和23年だったが、当時を思い出すと、まだまだ一般には電話は普及しておらず、東京の大学に受験した地方の学生にとって親元に早く合否を知らせるには電報が唯一の手段であった。今はケータイ時代である。電報なんか必要ないし、恐らく”サクラサク”みたいな、持って回った表現もしなくなったのでは。

昨日、68年来の竹馬の友と久しぶりに昼食を共にしたが、一浪していた孫娘が国立の最大難関校には失敗したが、私立の偏差値の超高い学部に合格した、とちょっぴり残念そうだが嬉しそうだった。僕みたいな古い頭の持ち主からすれば、女性はいつまでも浪人してはいけない。二人は軽く飲むほどに60数年前の自分たちの受験時代のことを話し合った。

僕らの受験時代には東京でも予備校はたしか1校か2校しかなかった。それもあまり有名ではなかった。地方からの学生で東京の国立校の受験に失敗したものは、予備校ではなくて、僕が入学した私立校に席を置きながら受験勉強をしていた者が多かった。

そんな話から、僕らは長い人生にとって若い時代の浪人生活が、その後の人生にとってプラスかマイナスかという話になった。友人は受験時代に病院に長期入院、結果的には一浪している。結論から言うと、浪人生活はプラスになっている、ということだった。社会に出てからの”出世”競争だけでみると、僕の会社では、現役よりも浪人経験者のほうが出世している。”サクラ”散っても、これからの長い人生。落胆することはない。