「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        対北朝鮮 ”二元外交”は困ります

2008-06-15 05:23:24 | Weblog
北朝鮮が日本人拉致問題について再調査を約したという。政府は”一定の前進”
と評価している。確かに拉致を”解決済み”としていた従来の北朝鮮の立場から
すれば”前進”かもしれないが、拉致問題が解決したわけではない。それなのに
早々と政府は対北朝鮮制裁の解除である。交渉事の難しさは解るが、すこし弱
腰しすぎるのではないか。この問題に関しては、わが国は一方的な被害者なので
ある。

拉致被害者家族の方々が不満なのは当たり前である。この問題が表面化してか
ら6年にもなる。過去の北朝鮮の誠意のない、したたかな態度をみれば”再調査”
程度で、相手に安易に妥協をすべきではない。心配なのは、この妥協の裏に一部
の政治家の変な”画策”があったのではないかということだ。

いつも対北朝鮮交渉の節目節目に”顔”をのぞかせるのは、自民党の山崎拓・元
総裁である。今回も先月、超党派のおかしな「日朝国交正常化推進議員連盟」を結
成している。その事務局長には無節操な民主党の川上義博議員や社民党の福島
瑞穂代表まで名前を連ねている。

過去に山崎拓氏が、インチキな情報に踊らされて交渉が空転したのは皆知っている
ことだ。”二元外交”ともとられる行動はとるべきではない。それとも福田総理は山崎
氏の路線に依存しているのだろうかー。安倍前総理がいみじくも言っている。「有力
議員らが政府よりも甘いことを言うのでは交渉にならない。経済制裁は考え直した方
がよいという意見は”百害あって一利なし”である」