「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

豊かになった”移民の国”アイルランド

2006-11-11 07:48:38 | Weblog
UNDP(国連開発計画)が世界17か国・地域の生活の豊かさを比べた
「人間開発計画書」を発表した。これによると、わが国は前年度の11
位から7位まで生活が豊かになった。GDP(国内総生産)や平均寿命など
のデーターを総合して判断した順位だそうである。1位はノルウェーつい
でアイスランド、スウェーデン、アイルランド、カナダ、日本。6位の日本
のあとは米国、スイス、オランダという順である。オーストラリアを除けば
すべて「北の国」である。

僕は第4位のアイルランドに注目した。アイルランドといえばかっては”移
民の国”であった。19世紀には極貧国で当時の人口の4分の一が外国へ
移民した。この国の現在の人口は413万人だが、全世界には7000万人の
アイルランド人が住んでいる。みな移民の子孫である。

数年前、観光で首都のダブリンを訪れた。作家ジェームス・ジョイスが「ダ
ブリン市民」の中で描いた貧しさはもうなかった。キラビヤカな町ではなかった
が旅人の目にも生活の豊かさを感じとれた。それは数字面でも裏づけている。
GDPは1801億㌦(2004年)でEU中ルクセンブルグについで2位である。

19世紀には馬鈴薯の飢饉から、移民を送らざるをえなかったアイルランド
は、いまや農業国から先端技術の工業国に変身、国民は生活を享受している。
国の盛衰の激しさを感じる。