八卦掌 練功日記

梁派八卦掌の紹介と備忘録的練功日記

李子鳴遺著「梁派八卦掌」拾い読み4

2017-07-12 12:36:34 | 「梁派八卦掌」拾い読み
さて、今回は八卦掌の鍛錬に関する具体的な要求に関する部分です。

李子鳴先生は、この「八卦掌の鍛錬法則」の項の始めで、「法則は規矩であり、常に気にとめて遵守しなければならない『硬性規定』である」と述べられています。
中国語の「硬性」は、「変更できない」、「融通のきかない」、といった意味です。つまり、八卦掌を鍛錬するときには、必ずこれらの注意事項を固く守り、決してそこから外れてはいけないということです。

多くは、中国武術一般に通底する要求ですが、もちろん八卦掌ならではの注意点も挙げられています。

八卦掌の鍛錬法則


「頭部は正直(せいちょく)にする。これは同時に上へ向けて『頂』(※1)の意がある。頚は真っ直ぐに立て、下顎は内に向けてわずかに収める。このようにして頭部が正直となる。舌先は少し巻いて上顎に貼り付け、やはり『頂』の意がなければならない」

 ※1 中国語の『頂』には、頭で受けさえる。もので突っ張り支える。といった意味があります。

「肩は鬆垂する。肩をそびやかしてはいけない。そしてわずかに前へ『扣』(※2)する」

 ※2 中国語の『扣』には、かぶせる。(器などを)伏せるといった意味があります。

「肘は下に垂らす。上にあげてはならない」

「掌は真っ直ぐに立てる。手首は下に垂らし、五指は開く。指先は『頂』の意がある。母指は少し曲げて中指・食指のニ指は上を指し、薬指と小指はくっつく。虎口は開き円と成す。
このようにして掌心をわずかに凹ませる。すなわち、『掌心空』の意味である。しかし、(掌を)大きく曲げすぎてもいけない。(曲げすぎて掌が)三角形になってはいけない。それは『死湾子』と呼ばれる」

「胸は内に含み、背は丸く張る。すなわち『胸心空』の意である。そのようにすることで気道を滞りなくし、気を下腹部に沈める(すなわち「気沈丹田」)。決して胸を張って腹を突き出してはならない」

「腰はゆるめて落とし、股関節は弛めて引き上げる。こうすることで歩法は『軽』、『霊』となり、上半身は円転自在になる」

「臀部は収め、腹部は引き上げる。こうして頭頂の百会穴と尾閭の会陰穴を一直線にし、体を整えて前に折れず後ろに仰け反らないようにする」

「下肢は少ししゃがむように曲げるが、大腿と膝と足は三角形を呈してはならず弧形を呈するようにする。両膝は合わせて肩以上の重量を腰に降ろし、腰以上の重量を股関節に降ろし、股関節以上の重量を大腿に、そして膝に、足に降ろしていく。いわゆる、『四墜』である。
このようにすることで上半身を霊活にし、下肢の影響を受けないようにすることができる」

「両膝は合わせ、動きの中で互いに磨するようにする。これを『磨膝磨脛』という。走転時に両膝を合わせ両下肢をハサミのように使うことから『剪子股』とも呼ぶ。両膝を合わせることは、股間の急所を守る作用もある」

「両足は平起平落。踏み出す足のつま先が上がったり踵が上がったりして足裏が見えてはいけない。足を前に出すときはピンと平らに伸ばし、その後着地させる。後ろ足を引き上げるときは母趾から持ち上げるようにする。
なお足が着地するときには趾で地をつかむようにする。いわゆる『落地生根』である。また平起平落による走行はまさに泥の中を行くようである。それゆえに『歩落趟泥』ともいわれる。
五趾は地をつかみ、足の裏の中心は必然的に凹む。すなわち『脚心空』である。脚心空と手心空、胸心空を合わせて『三空』と為す」


続く・・・



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