ECHOES

Punk Rock Life

Echo & The Bunnymen/Shine So Hard

2006-04-28 14:25:21 | Weblog
エコー&ザ・バニーメンです。
決してエコーという人と、そのバックバンドではありません。

20数年前パンクが落ち着いた頃、ネオサイケなんてどっかの日本人がこじつけたジャンルの代表的なバンドとして、ジョイ・ディビジョンあたりと一緒に日本に紹介されました。

私は当時から大好きで、今も時々聴くのですが、私の周辺や一般的には評価が低いような気がします。
時々聴くといっても、1枚目の「クロコダイルス」、2枚目の「ヘブン・アップ・ヒアー」、そしてその2枚の間にリリースされた4曲入りライブ、「シャイン・ソー・ハード」がほとんど。
「キリング・ムーン」という名曲が含まれる3枚目からは、少しずつ音のベクトルが散漫になって行ったような気がします。
ただ、レア・トラックを含むライノ編集の4枚組CD、「クリスタル・ディズ」などを聴いていると、その後の曲もそれなりに新鮮に楽しめたりします。
このバンドの持つ根本的な部分が私の感性に合うんだと思います。

「クロコダイルス」「ヘブン・アップ・ヒアー」の魅力は、独特の空気感の中に立ち上がる強力なビート、そして陰影があるイアン・マッカロックの繊細なヴォーカル、そして曲の美しさ。
ライブ・シングルはそれをもっと直接的にアグレッシッブで、緊張感張りつめる演奏です。

後のバニーズの、柔らかいポップな部分で評価を下してしまっている人、是非この3枚を聴いてみてください。
今発売されているCDは、「クロコダイルス」のボーナス・トラックとして、「シャイン・ソー・ハード」の4曲が収録されているそうです。

「ヘブン・アップ・ヒアー」「シャイン・ソー・ハード」、両盤に収録された「オーヴァー・ザ・ウォール」という曲があります。
実はこの曲こそこのバンドのキーになる曲だと思います・・・壁を越える・・・これです。
ドアーズの「ブレイク・オン・スルー」、この曲と通低しているわけです。

バニーズが日本で紹介された頃、東京でLIZARDはあるアルバムに向けた演奏活動を開始してました。
アルバム・タイトルは「セレブレイション」。
このアルバムの冒頭に収録されたタイトルと同名の曲「セレブレイション」、ギグで演奏はじめた頃のタイトルは「穴居人」と紹介されてました。
・・洞窟の隙間から、外の世界覗き込み・・・
そうです、このLIZARDの作品コンセプトも同じなのです。

「オーヴァー・ザ・ウォール」「ブレイク・オン・スルー」「セレブレイション」・・・知覚の扉を開く・・・

当時のバニーズの音とリザードの音を聴き比べて下さい、気持ち悪い程似ている。
そして「シャイン・ソー・ハード」のジャケに映るメンバーの写真、迷彩カラーの服を着ている。
実はモモヨも当時好んで迷彩カラーのツナギを着ていた。
バニーズの影響をモモヨが受けた?
いや、モモヨはそれを否定したし、私も憶えています。
ほぼ同時期、むしろモモヨの方が早かったくらい。
イギリスと東京で同じような事をはじめた2バンドがいたわけです。

数年前にバニーズは、彼等の地元であるリバプールで行われたライブ盤が発売されました。
彼等には似合わない、真夏のフジ・ロックに出演したTV映像も見ました。
ロック・バンドとして円熟したともいえる、落ち着きのある演奏。
ただ、デヴュー時にバンドに宿っていた何かは、その演奏からもうかがい知ることができました。
リバプールのライブは音も良く練られ、バンドの魅力がよく表れている良盤です。

なんとなく気になり、HMVのサイトでバニーズのリリース状況をチェックしてみると、来月インスタント・ライブ・シリーズとして、昨年のアメリカでのライブが4タイトルリリースされるんだそう。
音を良く練ってリリースされるライブと違い、ライブの模様をそのままリリースしちゃうインスタント・ライブ。
オフィシャル・ブートレッグといえるブツ。
今のバニーズのリアルな演奏を聴けるわけです。
3タイトル以上まとめて注文すると値引きまである、迷わず4タイトル注文しました。
楽しみです、いずれブログで感想書いてみたいと思います。

では、また!








Soft Machine/Grides

2006-04-22 06:45:42 | Weblog
ブログを休止した理由ですが、自分と一番長い付き合いの人物と、別れる時が近づいたと書きました。
それが4月17日に現実の事となりました。

昨年末、そして今年のはじめに担当医から事実を聞かされるたびに、かなり辛い気持ちになりました。
その時点では本人は全く元気で、不安を持ちながらも何時もどおりの陽気な母親、その姿と事実とのギャップ、見ていられなかった。

病状が進み入院し、少しずつ体の自由が奪われて行くのを見ていた時は、自分でも驚くほど冷静に母と付き合う事が出来ました。
個室に移り病室に私が泊まった時、必ず大きな変化がありました。
最後にゆっくり話をしたのも私、時折訪れる吐き気の中で、私の子供の頃の話、そして快気祝いでは温泉に行くので某ホテルを予約しようなんて話。
吐き気が大きくなったところで看護士を呼び、吐き気止めの注射をしてもらい、そろそろ寝たほうがいいよ、なんていうのがしっかりした最後の会話でした。

目を開ける事も大変になった時、そんな時でも人の声はしっかり理解してくれて、いろいろな反応で答えてくれました。
時には周りの人間を笑わせてくれた事もありました。

母と私がふたりの時、ちょっと可愛いなと思っていた看護婦さんがやって来ました。
「ねえ、看護婦さん、昔はこの病院の敷地内に看護婦さんの寮があったんだけど、看護婦さんて、今どこに住んでるの」。
な~んてふざけた事を言ってると、母は眉間にシワを寄せ、手首を振って止めろの合図(笑)。
「このバカ!いいかげんにしろ」と言いたかったんでしょう。

最後に、ほとんど声にはならないんだけど、言った言葉が私の名前でした。

今回の母の事を見ていて、母の歩んで来た人生を思って感じた事。
歴史の中では本当に短いひとりの人間の人生、その中で何をすべきかなと。
母の人生で足りなかった部分、その部分を自分は埋めていかなくてはね。

今回の事でメールを下さった皆さん、そしてコメント下さった皆さん、ありがとうございました。
私は全く元気で前を向いているんでご心配無く(誰も心配してなかったりして)。

さて、告別式を終えた夜、ディスク・ユニオンより電話が入りました。
注文していたブツが2タイトル入ったとの事。
昨日さっそく引き取りに行ってきました。

そのうちの1タイトルがコレです。
ソフト・マシーンの71年3月の映像と、70年10月のCD容量一杯に詰め込んだライブ音源。
エルトン・ディーン、ヒュー・ホッパー、マイク・ラトリッジ、ロバート・ワイアットというメンバーによる演奏。
レガシーでの演奏とはメンバーの年齢を考えれば当然だけど全く違う、スリリングなインタープレイ・セッション。
ヒュー・ホッパーのファズ・ベースと、ラトリッジのオルガンに絡みつくようなエルトン・ディーンのアルト。
ジャズしか聴かない時期があった私、それなりにジャズは聴きこんでいるつもり。
こういった展開のジャズもあったんだなと。
ロック・ファンでなく、コルトレーンやドルフィーが好きで、70年以降のジャズに幻滅したジャズ・ファン。
そういう人に是非聴いて欲しい。
そういう人はフュージョンやクロスオーバーなんて言葉に過敏に反応、拒絶反応を起こす人が多い。
そんな言葉で語られる事があるバンドですが、全く違う演奏です。
70年代に入って忘れ物をしてしまったジャズ。
そんな忘れ物を思い出させてくれる演奏です。
ビート・クラブの映像は、元々どのバンドでもこのような映像処理をしてあるのですが、ソフト・マシーンのようなサイケデリック・ジャズにはとてもよくマッチしている。
過激で革新的なジャズが好きな人は是非!
この時期のバンドから、今レガシーに残っているのはヒュー・ホッパーのみ。
6月にはレガシーをクラブ・チッタで観るのですがそれでも楽しみです。
エルトン・ディーンの演奏を観てみたかった、遅れてこのバンドに興味を持った私には叶わぬ思いです。

ユニオンで買うと独自で制作された紙ジャケが付いて来ます。
CDとDVDがしっかりと収納できる見開きジャケット。
オリジナルのジャケより全然イケてます、私は2枚を紙ジャケの方に入れ直しラックにしまいました。
もしこれから買う予定がある方は、絶対ユニオンで紙ジャケをゲットして下さい。
後からユニオン制作の紙ジャケ見たら後悔しますよ、お早めに。

しかしユニオンの紙ジャケへの拘りは凄い、執念のようなものさえ感じます。

気が向いたら不定期にブログ書いてみようと思ってます。

では!

The Soft Machine Legacy

2006-04-08 05:22:06 | Weblog
久しぶりッス!!

ブログ休止決め込んでかれこれ1ヶ月半、たまにログインして様子を見てみると、最初は減って行ったアクセスipってヤツ、途中からは平均した数字を維持してるんですね。
つーことは・・・こんなヘたれブログを気にかけてくれてる人が、けっこうな人数いらっしゃるって事。
あ、あ、あ、ありがとうございます!
もう~ひとりひとり抱きしめて、一緒に夢の世界に行きたいッス(女性限定)。

さて状況は全く変わらないのですが、自分はマイペースで生活しております。
ただしレコ屋は以前のように通うことなく、あまりCDを買う事もなくなっています。
以前から私の子供には、父さんはご飯を食べてCDを買う事によって生きている、だからCD買わなくなったら倒れるんだよ、と説明してました。
少し前にも言われました。
(父さん、そろそろユニオンでも行った方がいいよ、病気になるとまずいからさ。)
(おお!俺の事をそんなに心配してくれるのか、ありがとよ。)
(そうだよ、心配だよ、CD買わないで倒れられるとゲーム買って貰えなくなるからさ。)
ご都合主義は親譲りです。

レコ屋とは少々距離を取った生活の中でも、やはり興味深いCDは発売されるわけで、ブログ休止してから今日まで買ったCDが5枚。
約40日の間にわずか5枚しかCDを買っていないわけです。
・・・・長年親しんできた、ロックなんて音楽に興味が無くなってきたのかと寂しいです。

その中の1枚がソフト・マシーン・レガシーの新作です。
ソフト・マシーン・・・頭の中にはしっかりとインプットされてるバンド、だけど今まで手を出そうとしなかったバンドです。
イメージとしては、ケヴィン・エアーズ在籍の極初期のサイケデリック・バンド、プログレ、そしてジャズ・ロック。
メンバー・チェンジの激しさも、なんだかイメージがゴッチャになってる理由か。
雑誌「ストレンジ・デイズ」の特集を読んでいても、メンバーの移り変わり全くわかりません。

そんなソフト・マシーン、何故聴いてみたくなったのか。
ベーシストの、ヒュー・ホッパーという名前に親しみを感じたんです、そんな理由です。

まあ興味を持った理由はともかく、いままで聴いた事のなかったソフト・マシーン、とても新鮮な刺激を受けました。

雑誌で記事を読んでいる時点で、少しだけ嫌だと思っていた事があります。
ギターのジョン・エサリッジを評するのに、フュージョンというキーワードが出ていたからです。
フュージョン、クロスオーバー、80年代初頭、日本のロック・シーンを腑抜けにしたジャンルでした。
日本の数いる名ギタリスト、みんなロックを忘れちゃったわけ。
なにしろパンタ&HALのギター二人が、ラリー・カールトンよろしく335とブギーのアンプで演奏はじめちゃったんですね。
そんな腑抜けなギターで「屋根の上の猫」だぜ、お笑いです。
当時、たしかロフトでのパンタのMCが忘れられません、「俺が5人だったピストルズやっちゃうんだけどな」。
間もなくHALは解散します。

そんな不安を胸にCDを聴いてみると、1曲目からな~んとダイナミックなギターの音、ロックやんけ。
こういうギターってフュージョン系なわけ?
俺の感覚では違うと思うんだけどどうなんでしょうね。
たしかに圧倒的なギター・テクニックを見せ付けられちゃう局面もあるけど、芯には太いロックを感じます。

アルト・サックスのエルトン・ディーン氏は残念ながら最近亡くなられたそうですが、彼のサックスはとても私の好みと一致しています。
コルトレーンあたりの先人の影響をとてもうまく消化、独自のエキサイティングなスタイルをもったプレイヤーだと思います。
フリーの展開に走りそうでまた戻る、イキそうでイカない微妙な間合い、そして最後はイッテしまう、昇天・・快感。
そうです、みんなが大好きなアレと一緒です、イキそうでイカない時間をいかに長引かせるか、基本です。
えッ、意味がわからないって、オジサンにまかせなさい、ただし16歳から35歳までの女性に限ります。

まあそれは置いといて私が好きなコルトレーン、特に好きな時代がインパルスの前期から中期。
フリーに飛びたつ直前、そして飛びたった瞬間の時期。
エリック・ドルフィーを加えたヴィレッジ・バンガードのライブの頃。
そこらのコルトレーン・バンドに、仮にエルトン・ディーンが飛び入りしたら、かなり面白いエキサイティングな演奏になったんじゃないのかなと。

ロック・バンドの中にサックスを入れる場合、テナーでもソプラノでも、もちろんバリトンでもなくアルトが多いです。
サックスの中でアルトの音域というのが、人間の声帯の音域に一番近いそうで、そんな理由でかみ合うんでしょうね。

ソフト・マシーン・レガシー、ベテラン・ロッカーの重厚な演奏とインタープレイ、最高に気に入っております。
40日間の間に買った5枚のCD、実は3枚までソフト・マシーンでした。
1枚はケヴィン・エアーズ在籍の1stの紙ジャケです、全く違うバンドですが元々私が大好きな音、この時期のライブが聴きたい!。

ソフト・マシーン・レガシーのブートもあって、エルトン・ディーンが亡くなる一週間前の演奏が高音質で収録されてるそう。
こいつ、買うなと思ってるでしょう・・・・注文済み、今日来るかな~。

最近は全くCD買っいないオヤジの、ご挨拶がてらの一時的復帰でした。

さ~てCL準決勝はミランとバルサだぜ。

ではブログ休止に戻りま~す。