南無煩悩大菩薩

今日是好日也

切れても切れない糸

2016-12-07 | 古今北東西南の切抜
(GIF/source)

あきらめかけていた。

そのときふと目についたのが蜘蛛の巣を張る様子であった。

杉の梢にやっと張ったと思えば、糸が風にあおられぷつんと切れる。

蜘蛛は落ちてぶーらぶら、命さえ危なかろうに。

と,おもうまにまた這い上がってきて糸を伝え始めたが、伝えれば切れ、伝えれば切れ、難儀しながらも4度目にして初めて糸を渡すことができた。

やっとこさ張り終え待つこと暫く、そこに蚊が掛かるも巣は元の木阿弥。それでも獲物をせっせと貯蔵する姿は実に楽しそうであった。

そしてなおまた一から糸を張ることを繰り返し始めた。

一寸の虫でさえ心長くやり遂げるを見るにつけ、気短に物事をあきらめかけた自分を反省し、思い直したのである。

(参照:・・見越しの大竹より、杉の梢に蜘蛛の糸筋はえて、是を渡れば風に切られて、中ほどより其の身落ちて、命もあやうかりしに又も糸掛けて伝えば切れ、三度まで難儀にあひしに、終に四度目に渡りおおせて、間もなく蜘蛛の家を作りて、飛蚊の是にかかるをおのが食物にして、猶猶、糸くりかへすを見て、あれさえ心なかく巣をかけおおせて楽しむなれば、いはんや人間の気短に物毎打捨ることなかれと、是より思いつきて・・。-切抜/井原西鶴「日本永代蔵」より-)
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2 コメント

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煩悩先生へ (sugiura)
2016-12-08 06:44:27
今になり地面を眺めるようになり虫、草を知りました。色々な生きざまがありました。

改めて感動。歩くのにも注意を払うようになりました。
sugiura様 (煩悩)
2016-12-10 15:44:51
虫、草の類いは悉く、

死生は可も無く不可も無し 達せる哉、達せる哉。

のように見えるのであります。

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