安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

マイルス・デイビス MILES IN TOKYO  

2016-01-06 21:09:08 | トランペット・トロンボーン

昨年末、友人から「セイジ・オザワ 松本フェスティバル(OMF)」(サイトウ・キネン・フェスティバルから名称変更)のカレンダーをもらったので、自宅の部屋にかけて使っています。指揮者の小澤征爾さんに関しては、今年4月にベルリン・フィルを指揮することが決まっていますし、また、2013年サイトウ・キネン・フェスティヴァルにおける小澤征爾指揮 ラヴェル: 歌劇「子どもと魔法」のCDが第58回グラミー賞にノミネートされるなど、最近話題が増えています。今年の同フェスのコンサートは聴きに行くつもりです。ジャズの方も有名ライブで。

MILES DAVIS (マイルス・デイビス)
MILES IN TOKYO (Columbia 1964年録音)

   

マイルス・デイビスの60年代バンドのアルバムは、どれをとってもジャズ・クラシックというべきものばかりです。このアルバムはサム・リヴァースがメンバーに入っている唯一の公式録音で、そういう意味からもよく知られています。1964年は、2月の「Four & More」と「My Funny Valentine」、7月のこの「In Tokyo」、9月の「In Berlin」と、マイルス・デイビス・グループの素晴らしいライブ演奏が録音されています。

いまさらですが、メンバーは、マイルス・デイビス(tp)、サム・リヴァース(ts)、ハービー・ハンコック(p)、ロン・カーター(b)、トニー・ウィリアムス(ds)。サム・リヴァースのイメージは、アヴァンギャルドといっていいかもしれませんが、意外に普通に聴けます。ジョージ・コールマン→サム・リヴァース→ウェイン・ショーターとテナー奏者が変わりましたが、1964年はマイルスの個性で統一されている時期のように思います。

曲は、「If I Were A Bell」、「My Funny Valentine」、「So What」、「Walkin'」、「All Of You」、「Go-Go」(Theme And Announcement)。新宿厚生年金ホールにおける実況録音で、当夜のMCを務めたIsono Teruo(いそのてるお)さんの声も収録されています。1970年代にNHK・FM放送のジャズ・フラッシュという番組でDJを務めていて、僕はその番組をよく聴いていたので、懐かしい声です。他にも、青木啓さんや本多俊夫さんがDJを行っていましたが、良心的ないい番組でした。

マイルス・デイビスの抒情とハンコックらリズム陣の新鮮で奔放なプレイがブレンドされた演奏が楽しめます。「If I Were a Bell」ではお馴染みのピアノのイントロに続き、デイビス(tp)がミュートで軽快に吹いていきますが、好調です。続く、リヴァース(ts)のソロは平坦なメロディラインと繰り返しフレーズを用いて面白く、違和感もありません。「My Funny Valentine」でも、集中力を持続し長いソロラインを描いていくマイルスのプレイが素晴らしい。「So What」、「Walkin'」と、リヴァース、ハンコック、ウィリアムスが個性を発揮し、次第に白熱、興奮度が高まります。

【セイジ・オザワ・フェスティバル松本】

ホームページ:ozawa-festival.com

2016年カレンダー

4月の写真は、2014年の松本Gigの様子です。マーカス・ロバーツ・トリオとの共演。