去年の暮に退社したBさんの結婚式には、私とAさんそして、同じ事務所からも数人出席してくれた。
Cさんは、出産の為、残念ながら欠席。
Aさんは皆に反対されたデニムの切り替えのワンピースを着ていくと言い張っていたけど、よくよく考えたのか、グレーのシフォンのワンピースにしたようで一安心。
Bさんに、
「Aさん、結婚式とびきりのおしゃれして来てくださいね」
って言われてたから、髪も『あやめちゃん』仕様でかなりいい感じに決まってる。
今回の結婚式は、Bさんとご主人が1年かけて考えた趣向を凝らした素敵な式だった。
長々とした挨拶もなく、様々なサプライズがちりばめられて出席者に対する二人の思いが伝わってくる。
席には、一人一人に手書きのメッセージがおかれ、泣き上戸の友人の席には名前入りのカバーのかかった箱ティッシュまであった。
新郎が、ビールサーバーをしょって、みんなにサーブしたり、挙式をした海外のお菓子を配り、お色直しのエスコートをしてくれたお父さんには、『父の日』のプレゼントをサプライズで渡したりと二人でフル回転。
そんな、楽しいパーティの中、新郎と新婦がAさんの前に。
突然の事で訳が分からないAさんに、新婦のBさんが、
「私の大好きなAさん。私は、いつでもAさんの味方ですからね。」
そう言って真っ白なバラのブーケを渡した。
サプライズでブーケをもらったAさんは、
「なんだか、この数年間の事をいろいろ思い出したら、なけてきました・・・。」
そう言って、その後ずっと泣き続けた。
私も、もらい泣き。
結びの挨拶を頼まれて、あらかじめ考えていた内容を言うつもりでいたけど、この時の感じたことを言わせてもらい結びとさせてもらった。
その位、いろいろ感動した結婚式だった。
家に帰って少し経った時、Aさんからメールが来た。
『今日は本当に素敵な結婚式に出席できてよかったです。
今のセクションに配属になって、私はもともと人と関わるのが苦手だし、自信もなかったので正直なところ葛藤もありましたが、今日また本当に、人と関わっているのがうれしいって、Bさんに改めて思わせてもらえました。
こういう家族みたいな気持ちでつながっていけるセクションで働けて本当にうれしいです。
ありがとうございました。』
Aさんが、配属で来た時に1番イライラしていたのはBさんだった。
何を考えているのかわからない、要領は悪い、すぐ体調をくずす。
「正直、毎日なんでこうなんだろうってAさんの事思ってました。」
そうBさんは後日談で話していた。
AさんはAさんで新しい環境、新しい仲間や仕事の内容の違いに大いに戸惑っていた。
最初の1年間は、私もどうやってAさんの心を開かせることが出来るのか考えていた。
今のAさんが言う『家族みたいな気持ち』に、AさんとBさんがなるまでには、色々なことがあった。
そんな、時期を過ごして理解しあえたからこそ、今日のBさんのブーケトスとAさんのメールになったんだと思う。
「Aさんが、こんなメールをくれたよ。」
そうBさんに知らせた時、
『Aさんがそんなふうに思ってくれたんですね。
でも、そう思ってるのはAさんだけじゃないですよねみんなが同じ思いだからこそ築かれたメンバーですよね。
離れているから、今までみたいにいかないですが、昨日も言ったように私はずっとAさんの味方なので何かあった時には話を聞いてあげられる関係でいたいと思ってます。』
そう返信が来た。
遠くに離れてしまったけど、みんなの心はつながってるね。
いままでもこれからも。
でも、ひとつ困ったことがある。
Aさんより10才も年下なのに、やってくれていたAさんを叱る役、Bさんほどみんなうまく出来ないんだよね。
本人もBさんがいなくなってから、しっかりしなくちゃってテンパって空回りしてる事も多々あり・・・。
けど、新しく配属になったDさんが仕事早くてAさんのフォローしてくれてるから、これはこれでまた新生チームになっていくことでしょう。
さぁ、どんなチームになるかを楽しもうか