孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

原発 “安全で割りに合う製品を実現できなかった”ことで“日に日にその魅力を失っている”

2017-07-15 23:16:51 | 原発

(中東ドバイでは最大5GWの太陽光発電所計画があるとか。5GWというと原発5基分です。【http://a-vein.com/2017/03/02/8314/】)

【「原発大国」フランスも原発依存率引き下げ
フランスはアメリカ(104基)に次ぐ「原発大国」(58基)です。(日本は54基)

先のフランス大統領選挙は、フランス最古のフェッセンアイム原発(仏中東部、1977年稼働)の「閉鎖延期」が4月6日に決まったことで、終盤に来て原発問題も争点に浮上しました。

オランド前大統領はフェッセンアイム原発を公約していながら実現できず、フェッセンアイム原発はオランド大統領の「公約違反の象徴」とも言われていました。

結果は周知のようにマクロン氏が勝利しましたが、原発に関してはマクロン氏は、原発エネルギー依存率の「50%削減」を公約し、フェッセンアイム原発の原発に関しても「閉鎖」を主張しています。【4月17日 JB Press 山口 昌子氏“フランスはこのまま「原発大国」であり続けるのか?”】

マクロン政権は原発依存率引き下げ公約に沿って、原子炉廃止を進めるとしています。

****仏、2025年までに原子炉最大17基の廃止も=エコロジー相****
フランスのユロ・エコロジー相は10日、2025年までに原子炉最大17基を廃止する可能性があるとの認識を示した。原発への依存度を引き下げることが狙い。RTLラジオに述べた。

同国のフィリップ首相は、原発への依存度を現在の75%から50%に引き下げるとした前政権の目標を堅持する方針を示している。(後略)【7月10日 ロイター】
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韓国・文在寅も脱原発を掲げています。

***韓国が「脱原発」新規建設中止へ・・・文大統領表明****
韓国の 文在寅 ( ムンジェイン )大統領は19日、南部・ 釜山 ( プサン )の老朽化した 古里 ( コリ )原子力発電所1号機の運転停止宣言式に出席し、国内で新しい原発の建設を白紙化し、再生可能エネルギーへの転換で「脱原発」を進める方針を明らかにした。(中略)
 
脱原発を目指す理由について、文氏は昨年9月に原発に近い南東部・ 慶州 ( キョンジュ )を震源とするマグニチュード5以上の地震が発生し、余震が続いていることを挙げた。古里原発の半径30キロ・メートル以内に人口約380万人が集中していることを踏まえ、「地震による事故は致命的だ」と強調した。【6月19日 読売】
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コスト的優位性を失う原発 “原子力は日に日にその魅力を失っている”】
こうした“脱原発”の論議は、安全性の面から語られることが多いのですが、原発につきまとう安全性・環境への影響や廃棄物処理問題は別にしても、単純に経済的コスト面からしても原発は太陽光発電や天然ガスなどへの優位性を失いつつあります。

世界最多の原発を擁するアメリカでは、そうした経済コストの観点から脱原発が進みそうな様相です。

****原子力、次なる「化石」燃料か***
米フロリダ州最大の発電所「ターキーポイント」の外にある灰色の恐竜像は、廃炉となった火力発電用ボイラー2基を象徴するためのものだが、それはまた、コスト増大で崩壊しつつある原子力産業をも表していると見ることができる。
 
約10年前、ターキーポイントは米国最大級の原子力発電所となること目指していた。地元電力会社フロリダ・パワー・アンド・ライト(FPL)は、エネルギー源の多様化を維持し、爆発的な増加が予想される州人口への電力供給のために原子力発電の増強が必要だと訴え、そして原子力がクリーンなエネルギーであると大々的に宣伝した。
 
だが現在、この発電所ではわずか3基が稼働しているのみだ。1970年代に建設された天然ガスのボイラー1基と原子炉2基だ。州の公益事業委員会に提出された文書によると、さらに原子炉2基を建設する計画が2009年に出されているが、少なくともこの4年間は実質的に保留となったままだ。(中略)

■安全で割りに合う製品を実現できず
FPLはフロリダ州全土において、太陽光システムの設置を拡大し、石炭関連施設の閉鎖を推し進めている。
エネルギーミックスの内訳は天然ガス70%、原子力17%、残りが太陽光、石油、石炭となっている。

専門家らは、天然ガスの価格が下落し続けており、原子力は日に日にその魅力を失っていると語る。
 
バーモント大学ロースクールエネルギー環境研究所の主任研究員マーク・クーパー氏はAFPの取材に「ほとんどの人はターキーポイントの拡張工事は行われないだろうと思っている」と話す。

「結局、環境主義者のせいではなく、裁判のせいでもなかった。単に、安全で割りに合う製品を実現することができなかっただけ。80年代にできず、今日でもできていない」──クーパー氏はそのように述べ、そして「原子力の技術が主役なることは無かった」と続けた。【6月15日 AFP】
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また、トランプ大統領は石炭産業の再興をアピールしていますが、太陽光などの自然エネルギーが主役となりつつある現代にあっては、“パソコンが急速に普及しだした80年代にタイピスト職を保護するくらい無意味なこと”との辛辣な指摘も。

****太陽エネルギーが石炭産業を殺す日****
<パリ協定を離脱して石炭重視を貫くトランプだが、技術革新と低価格化でどのみち自然エネルギーが主流になる>

今の時代に石炭産業を保護する――それは、パソコンが急速に普及しだした80年代にタイピスト職を保護するくらい無意味なことだ。

なぜか。ドナルド・トランプ米大統領がどんなにじだんだを踏んでも、太陽光技術の発展によって石炭・石油産業はいずれ破壊されるからだ。

米半導体メーカー・インテルの創業者の1人であるゴードン・ムーアは65年、「半導体の集積度は18カ月ごとに倍増していく」と予測した。半導体の高集積化と低価格化を進めたこの「ムーアの法則」は、太陽光にも当てはまる。

半導体ほど急速ではないものの、太陽光技術もより安く、より高度に、予想を裏切らず持続可能な方法で発展している。2030年頃までに、太陽光は石炭を含むあらゆる炭素資源の半分以下のコストでの発電を可能にするだろう。

その意味では、地球温暖化対策の枠組みであるパリ協定もほとんど無意味だ。技術が発展し、経済の法則に従えば、おのずと問題は解決されるのだから。

となると、大きな疑問が湧いてくる。世界のどの地域が再生可能エネルギーのシリコンバレーとなり、どの企業がこの業界のインテルやマイクロソフトになるのか? 

パリ協定を離脱したトランプの決定に何か意味があるとすれば、こうした地域や企業がアメリカではないことを確実にした、ということだ。アメリカは、誰も望まない石炭を掘ることにかけては超一流の国になり果てるだろう。

太陽光パネルの開発過程は、マイクロプロセッサのそれと共通の特徴を持つ。ムーアの法則は本質的に、メーカーが小さな面積により多くの機能を詰め込もうとすることを意味する。おかげで、NASAが月面旅行に結集したコンピューターの力の全てが、今では小さなアップルウオッチに組み込まれている。

同様の力学が太陽光パネルをより高度かつ安価に進化させつつある。技術者は太陽電池の薄型化を追求し、1ワット当たりのシリコンを削減し、効率化を上げて製造コストを押し下げる。(中略)

大容量バッテリーも一役
電力会社が大規模なソーラーパネルを砂漠に設置した場合、コストは1ワット当たり1ドル余りにまで下がる。世界経済フォーラム年次総会での発表によれば、昨年後半の時点で、適切な条件下での太陽光発電のコストが石炭火力発電のコストを初めて下回ったという。

「テクノロジーの低価格化と足並みをそろえ、今や太陽光発電コストも下がり続けている」と、米科学者のラメズ・ナームは言う。「他の電力技術やビジネスにとっては破壊的だ」

もちろん、太陽光はクリーンでもある。炭素資源を燃やすことが気候変動につながると分かっている人なら、太陽光を応援したくなるだろう。でもたとえ気候変動を疑う人でも問題なし。彼らも低価格なエネルギーのほうがいいに決まっているからだ。

加えて太陽光は、太陽が死に絶える50億年後まで枯渇する心配がない。太陽光は約5日分で、石油、石炭、天然ガスの総埋蔵量のエネルギーに匹敵する。私たちは膨大なエネルギーのほんの一部を利用するだけでいい。

他方、太陽光発電には信頼性の問題が付きまとう。夜間や悪天のときにはどうなるのか? そこで、バッテリー技術の出番だ。大容量バッテリーもまた、絶えず低価格化を続けている。

結局、政策や条約ではなく技術と経済上の理由から、石炭は遠からず淘汰されるだろう。太陽は輝き続け、太陽光パネルはそれを電力に変換し続け、夜間や曇りの日にも余剰電力はバッテリーに貯蔵され続ける。化石燃料で儲けた大富豪たちが、航空機時代の到来に直面した鉄道王たちのごとき終焉を迎えるのは確実だ。

政府主導で雇用創出を
となると、トランプのパリ協定離脱はどう影響するのか。おそらく自然エネルギー界のシリコンバレーは中国のどこかに誕生するだろう。今年1月、中国国家エネルギー局は20年までに再生可能エネルギーに3600億ドルを投じると発表した。

カネと雇用が自然エネルギー技術に流れていくとするなら、アメリカは既に後れを取っている。なのに米政府は、気にするなと言うばかりだ。(後略)【7月15日 Newsweek】
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トランプ大統領も太陽光発電に関心がない訳ではなく、“メキシコ国境沿いに建設するとしている壁に太陽光パネルを設置することを検討している”そうです!(本気度はわかりませんが)

****成長する太陽光発電市場 米カリフォルニア****
米カリフォルニア州では太陽光発電に切り替える世帯が増えてきている。電気などの節約のためだけでなく、環境問題で同国の先駆者的な存在である同州において自分たちの役割に取り組むためだ。
 
非営利の事業者団体、米太陽エネルギー産業協会によれば、カリフォルニア州では、490万近い世帯が太陽エネルギーを利用しており、この数は今後も増え続ける見通しだという。
 
地球温暖化には懐疑的な立場を表明しているドナルド・トランプ大統領ですら、メキシコ国境沿いに建設するとしている壁に太陽光パネルを設置することを検討している。(中略)
 
こうした広がりを促進している要因の一つは、太陽パネルの価格が急落していることにある。以前は太陽パネルを設置するのは比較的裕福な世帯に限られていた。また、バッテリーの蓄エネルギー技術の向上が進んだことも挙げられる、と専門家らは指摘している。
 
さらにこの10年で太陽パネルの需要が急増したのと同様に、市場に参入する企業の数も増えてきた。
 
太陽光発電は、ニューヨーク州を含め、この分野でカリフォルニア州を手本としている他州でも急速に拡大している。【7月13日 AFP】
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素人の根拠もない想像ですが、今後太陽光発電の効率性・コスパは飛躍的に向上するように思えます。
問題点とされる不安定性についても、蓄電技術の進歩がある程度解決するのではないでしょうか。

後述のような「ギガソーラー」でなくても、将来的には各家庭や企業・工場などでの小規模施設でも相当量の電力をカバーできるようになるのではないでしょうか。

原発の廃棄物処理問題の先が見通せないのとは対照的です。

原発は次第に“過去の技術”、あるいは住民の不安・不満を力で抑えられるようなタイプの国に適した技術になりそうな感も。

太陽光発電:各地で進む大規模プロジェクト
太陽光発電に関しては、「ギガソーラー」などの大規模プロジェクトが各地で進んでいます。
なかでも、インドや中国の取り組みが目につきます。

****インドに世界最大の太陽光発電所が続々誕生****
昨年秋、インドのタミル・ナードゥ州に世界最大の太陽光発電所が誕生した。648メガワットの出力を誇るKamuthi solar plantだけでインド国内の150,000戸の電力がまかなえる。それまでの記録はカリフォルニアのTopaz Solar Farmの500メガワット。大きく発電能力の差を広げている。

だが、Kamuthi solar plantが世界最大である日はそう長く続かない。なんとインド国内に新たに750メガワットの太陽光発電所の完成が控えているのだ。

インドでは現在、この2基の発電所の建設に代表されるように太陽光発電のブームに沸いている。2014年には3ギガワットだった太陽光発電の導入は昨年、その3倍の9ギガワットに達し、今年の予想は10ギガワットを超える。そして風力発電ではすでに世界4位となる29ギガワットの発電能力を持っている。

インドでは気候変動対策のため、2030年までに電力消費量の4割を化石燃料以外のエネルギーでまかなう計画を立てている。だが、その目標の達成は大きく早まり、2027年には使用される電気の56.5%がクリーンで再生可能なエネルギー源から生まれることになるだろう。

トランプ大統領が誕生したアメリカでは、ダコタ・アクセス・パイプラインの建設再開などで石油産業が攻勢を強めているが、多くの国々が確実に脱化石化していることは間違いない。【1月26日 Ecology Online】
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****世界最大・最安「ギガソーラー」、印企業がEPCとO&M受注****
インドのスターリング・アンド・ウィルソン社は6月19日、アラブ首長国連邦(UAE)・アブダビ首長国のスワイハンに建設される出力1177MW(1.177GW)の「ギガソーラー」(大規模太陽光発電所)のEPC(設計・調達・施工)サービスとO&M(運用・保守)の一括契約を受注したと発表した。
 
同ギガソーラーは完成後、中国の850MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を抜いて、1カ所に建設される太陽光発電所として世界最大になると見込まれている。(後略)【6月23日 メガソーラービジネス】
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****世界最大級の水上太陽光発電所が操業開始 中国****
米国のドナルド・トランプ大統領が地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」からの離脱を表明した一方で、中国では今月初め、同国のクリーンエネルギーへの野心を反映する形で、世界最大級の水上太陽光発電所が操業を開始した。
 
中国安徽省淮南の、炭鉱が崩壊した後に大雨などの影響で形成された湖に建設された水上太陽光発電所には、水に浮かべるフロート式の太陽光パネル16万枚が設置され、その出力は40メガワット。
 
この発電所は中国が進める化石燃料への依存からの脱却を目指す取り組みの一環。中国は世界最大の二酸化炭素(CO2)排出国で、現在も電力のおよそ3分の2を石炭火力発電に頼っている。
 
トランプ大統領が大きな批判を浴びたパリ協定離脱を表明したのと同じ時期に、この水上太陽光発電所は操業を開始した。トランプ大統領の離脱表明により、今後は中国が地球温暖化との闘いにおいて指導者的な役割を引き受けるかどうかが注目される。【6月29日 AFP】
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インド・中国は原発も拡大
もっとも、インドにしても中国にしても、膨大な電力需要増加に対応して、太陽光など自然エネルギーに力を入れる一方で原発も急拡大しています。

****<インド>国産原発10基増設を決定****
インド政府は17日、国産の原発10基を増設することを閣議決定したと発表した。

インドでは東芝の米原発子会社ウェスチングハウス(WH)が最新鋭の「AP1000」6基の建設を計画しているが、同社の経営破綻により不透明感が漂っている。電力需要が急増する中、国産原発も増やすことでエネルギーの確保を急ぐ狙いがあるとみられる。(中略)

インドは温暖化対策として原発増設を進めており、2032年までに原発の発電量を現在の約10倍に拡大する目標を掲げている。現在は22基が稼働中で合計出力は678万キロワット。ほかに計670万キロワット分の原発を建設中で、増設する10基はこれに加わる形となる。政府は原発増設について「気候変動への取り組みを強化するため」としている。
 
インドは原発の有望市場として注目されており、日本も昨年、原発輸出を可能とする日印原子力協定を締結。今月16日には衆院本会議で承認案が可決された。【5月18日 毎日】
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****中国、2026年には世界最大の原子力発電大国に*****
2017年2月2日、中国メディア・快科技は、米メディア・ブルームバーグ・ニュースの報道を引用して、中国は2026年には世界最大の原子力発電大国になると伝えた。

ブルームバーグによると、調査会社ビジネス・モニター・インターナショナル(BMI)の研究報告書では、中国が今後10年以内に原子力発電の発展に力を注ぎ、設備容量は3倍近い1億キロワットにまで激増すると分析している。

中国で、原子力エネルギーの利用は従来の化石エネルギーを代替し、エネルギー危機を解決する最も有効な方法であるとされている。

業界関係者の見方では、石炭による火力発電の比率を抑え、よりクリーンな発電エネルギー源推進を求める声が原子力エネルギー発展の原動力になっているという。

中国の2016年の原子力発電設備容量は3400万キロワットであり、中国政府は2021〜2022年までに運転中の設備容量を5800万キロワットに、2030年には1億5000万キロワットにする計画。また2026年までに、大気を汚染する石炭による火力発電の比率は70%から54%以下へと減少するとみられている。【2月4日 Record china】
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