孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

イラン  力による制約を超えて緩やかな改革に向かう流れ

2017-07-28 10:52:43 | イラン
(イランではgooはアクセスできませんでした。帰国フライトの乗継地バンコクでようやく更新できるようになりましたので、遡ってアップしています)


(「エスファハーンは世界の半分」と、その繁栄・美しさが賞賛されたイスファハーンを代表する「エマーム広場」 

日中の40℃にも達する暑さが峠を越して、やや過ごしやすくなった夕刻、大勢の市民が広場に集まり、家族・友人らと芝生の上で食事を取ったり、噴水の涼を楽しんだり、思い思いの時間を過ごします。


「宗教国家」といった類のイメージとは無縁の、穏やかな市民生活です。)


トイレ、水タバコ・・・生活に介入する宗教主導の支配体制

7月27日 イラン観光4日目 

ゾロアスター教の街(だった)ヤズドからイスファハーンに移動


****イスファハーン****

古くからの政治・文化・交通の拠点であり、16世紀 末にサファヴィー朝 の首都 に定められ発展した。

当時の繁栄は「エスファハーンは世界の半分」と賞賛され、この街を訪れたヨーロッパの商人も繁栄の記録を残している。

イラン人にとってエスファハーンは歴史的・文化的に重要な町であり、町の美しさは「イランの真珠」と例えられる。【ウィキペディア】

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世界遺産でもある優美・壮麗なモスク・広場などの観光については、別途旅行記サイトにアップするとして、今回旅行中、ちょっと気になっていたことがあります。

男性用トイレに、小便用の便器(いわゆるアサガオ)がなく、個室だけしかないことです。

確認したところ、「イラン革命」以降、立って用をたすのはイスラムの教えに反するということで、和式のしゃがみ込む形のトイレだけになったとか。

イスラム原理主義的な制約で何かと生活が窮屈になるのはアフガニスタンの旧タリバン政権でもよく見られることですが、トイレの様式まで及ぶとは驚きでした。

いろんな国を観光する際、美しい民族衣装の女性らによる伝統舞踊を楽しむことが多いのですが、イランはそういうショーはやっていないのか尋ねたところ「今の体制ではあまり音楽・舞踊は推奨されていないので・・・」とのこと。

たしかに・・・・うっかりしていました。

しかし、そういう抑圧的な政治状況にあっても、そうした圧力をはねのける形で、イランの音楽水準は世界的にみても非常に高いレベルを達成しているとも。

イランではお茶やコーヒーを楽しむ「茶店」をチャイハーネと呼びます。

イスラム圏のそうした「茶店」では、多くの男性が水タバコをのんびりくゆらしている光景を目にします。

そんなことで、何気なくチャイハーネで水タバコを吸いたい・・・と要望すると、ちょっと困った様子も。

地元の人に確認して「2,3か所吸えるところがある」とのことで、事前に連絡して用意してもらうことに。

たかが水タバコなのに、どうしてそんな大げさな話になるのか・・・ここ数年政府が水タバコへの圧力を強め、ほとんどのチャイハーネでは水タバコを出さなくなったとか。(健康志向なのか、イスラムの教えの問題なのかは知りませんが)

紹介されたチャイハーネに向かいお茶を飲んでいても、一向に水タバコが出てきません。

確認すると、水タバコは店内ではなく、別の場所で吸ってもらうとのこと。

そこで隣の倉庫みたいな場所へ移動すると、奥に水タバコを楽しめるスペースが。

それにしても、隠れた奥まった場所で密かに・・・・なんて、まるで戦前の上海のアヘン窟みたい・・・といった感も。

私ら以外にも客がやってきますので、そんなに秘密めいたものでもないのでしょうが、やはり大っぴらに営業するのは差し障りがあるようです。

私らが出た後、その倉庫かガレージみたいな場所は戸が閉められ、外から南京錠がかけられました。まだ中に客がいたように思うのですが。


増大する人々の不満は力では抑えきれない域に

息苦しさが増す生活に対する人々の不満が爆発したのが、2009年のアフマディネジャド氏の大統領再選のときでした。

1期目の選挙のときは人々の政治への関心はあまり高くなく、非常に低い投票率の選挙でアフマディネジャド氏が当選(その選挙への疑惑もありますが)。

しかし、同氏のトランプ大統領並の言動に人々もあきれ、再選を目指した選挙では多くの人々が投票を行い、同氏への抗議を示したそうです。

しかし、通常なら深夜まで延長される投票時間もすぐに打ち切られ、いつになく早く発表された開票途中経過では事前の予想に反して同氏がリード。そして、そのまま再選確定という結果発表に、選挙の不正を訴える人々が抗議のデモを起こしました。

これに対し治安当局は水平実弾射撃で鎮圧、死者を出す混乱状態になります。

結果的に抗議デモは力で抑え込まれ、イラン民主化運動は潰された・・・・というのが、日本を含めた欧米の一般的理解ですが、イラン国内にはやや異なる評価もあるようです。

確かに、抗議行動が力で封じ込まれたのは事実ですが、体制側もこれ以上人々の不満を力で封じ込めることへの危機感・限界を強く感じ、その後は、緩やかな改革へ向かう流れも生じたとのことです。

改革に向かう流れは、現在の穏健派ロウハニ体制の形で続いており、未だ抵抗勢力(宗教保守層、革命防衛隊などの勢力)の力は強いものの、後戻りを許さない社会の流れとなっている・・・・今後、イランは更に自由な社会を実現できるだろう・・・・という観測(期待?)も。

【依然として続くアメリカとの対立 危機を歓迎する勢力も】

ただ、後戻りしないかどうか、今後順調に改革へ向かうのかそうかは、外部環境、特にアメリカとの関係にもよります。

イランにしても、アメリカにしても、平和な関係よりも、衝突の危機を演出した方が、その存在感をアピールできる勢力、自らへの疑惑の目をそらすことができる勢力が存在します。

対立が激化し、敵対勢力に対抗することが最優先課題となれば、改革へ向けた緩やかな流れも頓挫します。

****米哨戒艇、ペルシャ湾でイラン艦艇に警告射撃****

中東のペルシャ湾で25日、米海軍の沿岸哨戒艇が接近してきたイラン革命防衛隊の艦艇に警告射撃を行った。当局が明らかにした。

米海軍の声明によると、米哨戒艇「サンダーボルト」はイランの艦艇に繰り返し無線で交信を試みたものの、応答がなく、照明弾や警笛も無視された。その後137メートル以内に接近してきたため、警告射撃を実施したという。

声明ではイラン艦艇の行動を「国際的に認められている交通規則にも海上の慣例にも従っておらず、衝突の危険を生み出している」と批判。「不用意で職業規範に背く」と警告している。

米海軍は当時の状況を映した動画の一部を公開。マシンガンでの2度の射撃音も聞こえる。

一方、イラン革命防衛隊は米哨戒艇がイランの艦艇に接近してきたと主張し、米国による「挑発と脅し」を非難している。

両国の間では今年1月にも、ペルシャ湾につながるホルムズ海峡で、米海軍の駆逐艦「マハン」が高速で異常接近してきたイラン革命防衛隊の艦艇4隻に警告射撃を行っている。【7月26日 AFP】

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****イラン、新型ロケット試射成功****

イランは27日、国産新型ロケットの発射実験に成功した。タスニム通信が伝えた。人工衛星の輸送が目的としているが、弾道ミサイルへの技術転用の懸念もあり、イランに強硬な米国の反発を招く可能性がある。



ロケットは名称「シモルグ」。ロケットの開発・打ち上げなどを一元管理するために27日開設された「イマーム・ホメイニ国立宇宙センター」で実験が行われた。最大250キログラムの衛星を上空500キロメートルの軌道まで輸送できるという。



米政府は18日に弾道ミサイル開発などを理由に対イラン追加制裁を科したばかり。一方、デフガン国防軍需相は22日、戦闘機や巡航ミサイルを標的にできる新型ミサイルの生産開始を発表していた。【7月28日 時事通信社】

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