孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

今後半年間でナイジェリア、南スーダン、ソマリア、イエメンの4カ国で、2000万人以上が飢餓に直面する恐れ

2017-02-25 22:28:44 | アフリカ

(南スーダン・アウェルにある「国境なき医師団(MSF)」の医療施設で、極度の栄養失調に苦しむ子どもに授乳する母親(2016年10月11日撮影)【2月20日 AFP】)

【「緊急かつ強力に行動すれば、最悪の結果は防げる」】
トランプ大統領の言動、北朝鮮による金正男氏殺害等々、たくさんの注目を集める話題が溢れていますが、本当は先ず世界が取り組むべき課題は各地で起きている紛争の停止であり、紛争・戦闘(“衝突”でも何でもかまいませんが)の結果としての住民生活の崩壊・飢餓・難民の問題でしょう。

****2000万人超に飢餓の恐れ=44億ドルの支援要請―国連*****
国連のグテレス事務総長は22日、国連本部で記者会見し、今後半年間でナイジェリア、南スーダン、ソマリア、イエメンの4カ国で、2000万人以上が飢餓に直面する恐れがあると警告し、3月末までに44億ドル(約5000億円)の支援を加盟国に要請した。

グテレス氏は「緊急かつ強力に行動すれば、最悪の結果は防げる」と強調した。
 
国連によると、4カ国では子供約140万人が深刻な栄養失調で死に至る可能性がある。
飢餓の恐れがあるのはナイジェリア北東部で510万人、南スーダンで500万人、ソマリアで290万人、イエメンで730万人に上る。南スーダンでは、既に10万人が飢えに襲われている。【2月23日 時事】
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“子供約140万人が深刻な栄養失調で死に至る可能性がある”ということに関して、ユニセフは以下のように報告しています。

****アフリカ4か国、子ども140万人が飢餓で死亡の恐れ ユニセフ****
国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は20日、イエメン、ナイジェリア、ソマリア、南スーダンの4か国で飢饉(ききん)により計140万人近くの子どもが深刻な栄養不良に陥っていると報告した。これらの子どもは年内に死亡する恐れがあると警鐘を鳴らし、国際社会に迅速な対応を呼び掛けた。

2年近くにわたり内戦が続くイエメンでは、急性栄養不良の子どもが46万2000人に達している。ナイジェリア北東部でも、深刻な栄養不良の子どもが45万人に上っている。
 
米国際開発局(USAID)の飢餓早期警報システムネットワーク(FEWS NET)によれば、ナイジェリア北東部ボルノ(Borno)州の一部の遠隔地域は既に昨年後半から飢饉に見舞われているが、援助が届かないため飢饉は今後も続く見通しだという。
 
ユニセフは、ソマリアでは干ばつによって飢餓に直面している子どもが18万5000人いるとした上で、その数は向こう数か月で27万人に増えると予測している。
 
内戦状態にある南スーダンでも、栄養不良の子どもが27万人余りに達している。2万人の子どもが住む北部ユニティー(Unity)州の一部については、飢饉の発生が宣言されたばかり。
 
ユニセフのアンソニー・レイク事務局長は「まだ大勢の命を救える」と述べ、迅速な行動を促した。【2月21日 AFP】
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これらの地域については、このブログでも再三その状況を取り上げてきました。

2月15日ブログ“イエメン トランプ大統領の初軍事作戦  終わらぬ内戦で危機に瀕する住民生活と子供の命”http://blog.goo.ne.jp/azianokaze/d/20170215
1月22日ブログ“ナイジェリア ボコ・ハラムによる混乱と急展開するIT革命 “古いアフリカ”と“新しいアフリカ””http://blog.goo.ne.jp/azianokaze/d/20170122
1月30日ブログ“干ばつの危機も迫るソマリア 難民受け入れを停止したアメリカ”http://blog.goo.ne.jp/azianokaze/d/20170130
2月8日ブログ“南スーダン 「大虐殺発生のリスク」を国連が警告 日本のPKO参加の在り方を議論すべき時期”http://blog.goo.ne.jp/azianokaze/d/20170208

イエメン:「700万人が次の食事がどこから得られるか分からない」】
各地の詳しい事情は今回は省略しますが、最近の状況ついては、以下のようにも。

先ずは、サウジアラビア等アラブ諸国が暫定政権を支援して(誤爆を含む)激しい空爆等軍事介入し、反政府勢力フーシ派及び前大統領派との内戦が続くイエメン。

****イエメンで700万人が飢餓に直面、国連が警鐘****
政府軍と反政府勢力による内戦が2年近く続いているイエメンで、700万人がかつてないほど飢餓に近い状態にあると、国連(UN)のジェイミー・マクゴールドリックエメン人道調整官が21日、警告した。
 
マクゴールドリック氏は声明で、人口2700万人のイエメンで「700万人が次の食事がどこから得られるか分からない状況で、かつてないほど飢餓に近づいている」と述べた。
 
さらに「現在、1700万人以上が十分な食事を取ることができておらず、食事を抜かざるを得ないことも頻繁にある。女性と子どもは食事の量が最も少なく、後回しになっている」と指摘した。
 
イエメン内戦では、アブドラボ・マンスール・ハディ暫定大統領率いる国際的に認知された政権と、アリ・アブドラ・サレハ前大統領派と同盟を結ぶイスラム教シーア派系反政府武装勢力「フーシ派」が対立している。
 
フーシ派は2014年9月に首都サヌアを掌握したが、翌年3月に政府を支援するサウジアラビアが介入して以降、内戦が激化している。
 
政府側部隊は1月初め以降、紅海沿岸部の奪還を目指して大規模な攻撃を展開しており、今月に入り南西部のモカ港を制圧している。【2月22日 AFP】
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ナイジェリア:ダルフールに匹敵する食糧難 支援活動を阻む治安の悪さ
女生徒拉致で悪名高いイスラム過激派「ボコ・ハラム」掃討作戦が続くナイジェリア。
他の地域でも同様でしょうが、治安状態が極度に悪く、支援団体がなかなか活動できないという問題があります。

****ナイジェリア避難民キャンプ、ダルフールに匹敵する人道危機****
ナイジェリア北東部ボルノ州ディクワには車が1台も残っていない。電話回線はすべて爆破されたために外部との通信手段も皆無だ。
 
しかし、ここで複数の人道支援団体が、イスラム過激派組織「ボコ・ハラム」によって家を追われた約5万7000人に援助を届けようとしている。2009年以来のボコ・ハラムによる反乱は、この辺境の地に壊滅的な打撃を与えている。

「1日に平均200~300人が到着する」と、この街に駐留する兵士は言う。「保護も食糧もなく、農業もできないために、彼らは自分たちの村を去ってきたんだ」
 
国連児童基金(ユニセフ)が運営するクリニックのコンサルタント、アブバカル・ガンボ・アダム氏は、ここにやって来る人たちは往々にして状態が悪いと言う。深刻な脱水症状に陥っている人や、負傷した人、銃撃された人もいる。

「私がディクワに来た2016年7月以降、多くの変化があった」と、ガンボ氏は言う。「私たちは街の郊外の避難キャンプを拠点としていた。街には入れなかったからだ。衛生的な問題、下痢、マラリアがとても多かった。私たちは深刻な栄養不良の子どもを毎日、少なくとも10人は受け入れていた」
 
昨年4月以降、ボコ・ハラムから解放されたディクワの中に援助機関が徐々に入れるようになり、ようやく人道危機の深刻さが明らかになった。

国連サヘル地域担当人道調整官を務めるトビー・ランザー氏は7月、ディクワやモングノなどボルノ州の町の食糧難は、スーダンのダルフールや南スーダンにおける最悪の危機に匹敵するとAFPに語った。
 
世界食糧計画(WFP)の倉庫には、ボルノ州全域の約130万人に配給するためのコメや豆、砂糖、トウモロコシなど1万700トンが保管されている。この人数は5か月前と比べてすでに3.5倍で、間もなく200万人に達するとみられる。

■孤立する援助活動
ノルウェーの首都オスロで今週23、24日に開催される支援国会合では、国連がナイジェリアと周辺国のカメルーン、チャド、ニジェールへの援助として、総額10億ドル(約1130億円)の拠出を呼び掛ける見込みだ。この巨額は援助の提供手段に大きな課題があることを物語っている。
 
安全上の理由から、どの援助機関もディクワに1日以上滞在することができない。緊急時でも2日が限度だ。ボルノ州の州都マイドゥグリから現地へ向かうには、道路はいまだ危険過ぎるためにヘリコプターを使うしかない。
 
規模の大きい非政府組織(NGO)から委託されてディクワで活動している人道支援団体も複数あるが、委託元のNGOによる訪問がない間は実質、孤立している。
 
車が不足しているために町を回るには誰もが軍に頼っている状態で、避難民の1か月分の食糧をトラック50台で運ぶのさえ、軍の助けが必要だ。だが適切な監督がないために、食糧が全員に行き渡らないことがよくある。

「ここでの活動で私たちは、人道支援機関としての原則に反することを数多く強いられている」と、ある援助隊員はAFPに語った。「だが単純に、現時点で私たちには選択肢がない。状況は危機的過ぎる」(後略)【2月24日 AFP】
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ソマリア:深刻化する干ばつ被害
イスラム過激派「アルシャバーブ」によるテロが横行する状況に加え、干ばつ被害が拡大する東アフリカのソマリア。

****アフリカの角、1700万人が飢餓に直面 雨不足で深刻な干ばつ*****
国連食糧農業機関(FAO)は29日、アフリカ東部の「アフリカの角」地域について、過去数週間ほとんど雨が降っていない上、今後2か月も降雨が見込まれないため、1700万人余りが飢餓に直面していると警鐘を鳴らした。
 
FAOの声明によると、昨年10~12月に雨不足となって以来、ジブチ、エリトリア、エチオピア、ケニア、ソマリア、南スーダン、スーダン、ウガンダは深刻な干ばつに見舞われている。
 
FAOのマリア・ヘレナ・セメド事務局次長は「この地域の干ばつの状況は極めて気がかりだ。特にひどいのがソマリアのほぼ全土だが、被害はエチオピアの南部や南東部、ケニア北部にも及んでいる」指摘。「今こそ行動する時だ」と訴えている。
 
さらにセメド氏は、現在の干ばつの影響があるのに加え「次に雨が降るまで少なくとも8週間を要し、次の本格的な収穫が7月以降になることから、この地域では多数の人が食料不足に陥る危険にさらされている」と警告している。【1月30日 AFP】
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南スーダン:武器輸出を禁じる決議案を否決で戦闘激化 “レイプや死肉食が横行する地獄”】
そして、戦闘だか“衝突”だかが起きて、“大量虐殺前夜”の状況にあるとも言われる南スーダン。
“レイプや死肉食が横行する地獄”とも。

****南スーダン飢饉を防げなかった国際社会****
<レイプや死肉食が横行する地獄の背景には、国連安保理が止めようとしなかった内戦がある>

南スーダン政府と国連は20日、紛争が続く南スーダンの一部地域で飢饉が発生したと宣言した。10万人が「既に飢えに苦しみ」、500万人近くが緊急援助を必要としていると、国連の人道支援機関は訴えた。

「最悪の懸念が的中した」と、国連食糧農業機関(FAO)のセルジュ・ティソ南スーダン駐在報道官は報告した。「多数の世帯は生存のための手段をすべて失っている」

国際社会が緊急に有効な介入を行わなければ、27万5000人近い子供が餓死する危険性があると、国連は警告した。

最も深刻な状況にあるのは、政府軍と反政府派が激しい戦闘を繰り広げてきた北部のユニティ州だ。

「紛争は食料供給の安定を脅かす主要な要因の1つだ」と、FAO上級エコノミストのロレンツォ・ベルーは語る。長期にわたる干ばつに加え、内戦の拡大は農業生産を直撃し、食料価格が高騰した。

南スーダンの食料危機は人災であり、回避しようとすればできた。昨年12月、国連安全保障理事会は、南スーダンへの武器輸出を禁じる決議案を否決した。採択されていれば、戦闘の激化を防げていたかもしれない。そうすれば、飢饉も防げたはずだと専門家は指摘する。民間の援助団体も何カ月も前から緊急援助の必要性を国際社会に訴えてきたが、反応は薄かった。

飢饉が発生した今もなお、各国の動きは鈍い。「心配なのは、援助物資がなくなることだ」と、南スーダンの首都ジュバ駐在のジョージ・フォミニェン国連報道官は言う。「このままでは食料の備蓄は6月末に底を突く。戦闘はいっこうに収まる気配がなく、緊急に必要なものは山ほどある」

「2011年のソマリア飢饉を見て、世界は二度とこんな悲劇を繰り返さないと誓ったはずだ」そう訴えるのは支援団体オックスファムの南スーダン支部の人道支援事業を指揮するジェーン・ドルーだ。100万人が犠牲になった1980年半ばのエチオピア大飢饉のときもそう誓った。「南スーダンの危機は何度も警告されてきたのに、国際社会は知らん顔だった。飢饉はそのツケだ」

家も畑も失った人々は生き延びるのに必死だ。「沼地で食べられるものを見つけて、どうにか餓死を免れるところまで追い込まれている」と、ドルーは言う。

国連の分類によると「飢饉」とは、全世帯の2割以上が極端な食料不足に陥り、人口の3割以上が深刻な栄養不良になり、1日に人口1万人当たり2人以上の餓死者が出る状態。国連か当事国が飢饉を宣言するが、国連と加盟国に支援活動を義務付けた規定はない。

さらにソマリア、ナイジェリア、イエメンも飢饉を防ぐには緊急援助が必要だと、米政府の監視システム「飢饉早期警報システムネットワーク」は警告する。

3年も内戦状態が続く南スーダンは、治安状況が非常に悪く、援助物資の輸送に大きな危険が伴う。先週、戦闘で荒廃した地域を視察したアンドルー・ギルモア国連人権担当事務次長補は、「想像以上の惨状に衝撃を受けた」と語った。

政府軍の兵士と反政府派の民兵が殺人、拷問、集団レイプ、死者の肉を強制的に人々に食べさせるなど、明らかに戦争犯罪に当たる残虐行為を繰り返し、人々は飢えと恐怖に苛まれている。

「この地域の女性たちはレイプされるか、食べる物を探すか選ばなければならない」と、ギルモアは言う。「おそましい状況だが、これが南スーダンの残酷な現実だ」【2月23日 Newsweek】
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“採択されていれば、戦闘の激化を防げていたかもしれない”武器輸出を禁じる決議案に、PKO派遣部隊の安全の観点から南スーダン政府との関係を重視した日本も賛同しなかったことは以前のブログでも取り上げました。

こうした各地の悲惨な現実の結果として難民が発生します。
欧州を目指せる資力がある人々はまだめぐまれた部類でしょう。多くは難民キャンプ等で飢餓の恐怖に耐えながら暮らしています。

そして、残念ながらアフリカだけで見てもソマリア、ナイジェリア、イエメン、南スーダンだけでなく、コンゴなど多くの地域で同様の危機的状況が見られます。
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