孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

アフリカ  人間の心に潜む闇・・・赤ちゃん売買、呪術用にアルピノ殺害

2008-11-24 10:43:03 | 国際情勢

(ボツワナの首都ハボローネにある議会 カリフォルニアを思わせるかどうかは、この写真からはわかりませんが・・・ “flickr”より By filippo jean
http://www.flickr.com/photos/26162032@N03/2456863048/)

【カリフォルニアに似ている・・・】
正直なところ、アフリカと言うと、どうしても“紛争”“独裁”“貧困”“飢餓”“難民”・・・といったネガティブな言葉を連想してしまいます。
これはエジプト以外には観光ですら行ったことがない私の無知と偏見でしょう。

例えばボツワナ。
アフリカ南部、南アフリカやジンバブエ、ナミビアに囲まれた内陸国ですが、三井物産九州支社長から転身した松山良一ボツワナ大使は次のように語っています。

“「・・・何といっても治安がいい。1966年の独立以来紛争はないし、民主的な選挙で政権が交代し、汚職が非常に少ない。国民所得もアフリカでトップクラス。私自身、アフリカの国といえば『貧困と紛争』のイメージがあったが、ボツワナは大違い。むしろカリフォルニアのサンノゼにとてもよく似ている」と話す。
赴任した国をほめるのは大使としては当然だが、カリフォルニアに似ているという言い方は決して誇張ではない。
通りや施設の表示はすべて英語(公用語)で、日本でもよく見かけるファストフードチェーンも多い。
首都郊外には巨大なショッピングモールがあり、家族連れでにぎわっている。ボツワナを訪れて「貧困と紛争」を思い浮かべることはとても難しい。・・・”【10月27】日 毎日】

日本の国債の格付けが02年、ボツワナより格下になったことで話題になったこともある国ですが、一人あたりの国民所得(購買力平価ベース IMF2007年調査)は16,449ドル(日本の約半分)と世界第48位です。
“紛争はないし、民主的な選挙で政権が交代し、汚職が非常に少ない”だけでも、アフリカのイメージを改める必要があります。

もっとも、この国は収益の大部分をダイヤモンド採掘に頼っており、統計上これだけの数字をあげていながら、失業率は20%超(民間調査では40%近いのでは・・・との数字も)、そして何よりもエイズ感染率(成人)38.8%(世界第一位)・・・というのは内在する大きな問題を示唆しているように思えます。
ただ、その点には今回はふれません。

とにもかくにも、アフリカにもいろんな国・社会があり、カリフォルニアを思わせる国もある訳ですが、やはり溜息をついてしまう話も少なくないのが実際です。
ユニセフは、ナイジェリアで1日に10人以上の子どもが売買されていると推定しています。

****ナイジェリアで横行する「赤ちゃん売買」、その背景にあるものとは****
・・・「赤ちゃん農場」「赤ちゃん工場」とも呼ばれるそうした売買施設のネットワークが存在することが、最近になり警察の摘発によって明らかになった。
地元紙の報道によると、逮捕・起訴された50代の産婦人科医は、望まぬ妊娠をした少女たちを「中絶をしてあげる」と言って誘い込み、医院に監禁。出産後は、その親である少女に約2万ナイラ(約1万7000円)を支払って新生児を取り上げた。
新生児はその後、1人あたり30万から45万ナイラ(約25万-38万円)で業者に売られていたという。(中略) 

売買は、さまざまな形で行われている。望まぬ妊娠をして「村八分」を恐れる少女が、クリニックに言葉巧みに誘い込まれ、新生児を手放すことを強要されるのが一般的だ。(中略)
貧困にあえぐ女性たちが、現金欲しさに自ら妊娠・出産を望むケースもある。(中略)
ナイジェリア警備・民間防衛隊(NAPTIP)によると、ここ数か月で、こうした施設が10数箇所摘発されている。それぞれ、産科医院、児童養護施設、孤児院、ホームレスの妊娠少女のためのシェルターといった体裁をとっていた。

2005年、新生児売買への関与が取りざたされていたラゴスの孤児院が、閉鎖された。ごみ捨て場から炭化した新生児の骨が発見されたことから、この孤児院が呪術用、または臓器移植用に体の一部を売っていた疑いが持たれている。
新生児が将来的に児童就労や性的虐待、児童買春といった目的で買われているという証言もある。

だが、ナイジェリアの南東部では、新生児の売買に別の大きな動機が働いている。この地方に暮らすイボ人の社会では、婚姻外の子ども、そして子どもができない女性は「呪われた者」と見なされる。そのため、子どもがいない母親は、自分の子どもと偽って新生児を育てるためならお金を惜しまない。そのため医師の方も、一晩で大金持ちになれるというわけだ。(後略)【11月12日 AFP】
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売買目的のひとつとされている“呪術用”ということに関しては下記のような話もあります。

*****「呪術師に高値で売れる」、東アフリカ・ブルンジのアルビノに魔の手*****
アルビノ(先天性白皮症)のリチャードさん(19)は、前週、近所の人から「お前はつけ狙われている」と警告された。彼は恐怖に駆られて森の中に逃げ込み、2日間そこで息をひそめていた。そうした「連中」につかまるとどうなるかを、充分に理解しているからだ。 
ここは東アフリカ・ブルンジ東部のルイギ県。同地域では最近、アルビノが殺害されて遺体が切断される事件が続発している。リチャードさんによると、そうした身体の一部は、隣国タンザニアの呪術師に売られるのだという。(中略) 警察は、アルビノの手足、臓器、血液がタンザニアに運ばれ、呪術師に売られていることを確認している。呪術師がそれらを調合してお守りを作るのだ。
タンザニア北部ではアルビノ殺害事件が続出しており、同国の大統領はアルビノを保護するための対策を打ち出している。【10月15日 AFP】
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よほどこの種の事件が多いのか、あるいはAFPがよほどこの種の話題が好きなのか、同様の事件の記事が10月22日にも、更に、11月18日にも繰り返し報じられています。
その記事の中で、タンザニアでは、前年1年間だけで、女性や子どもを中心に少なくとも27人のアルビノが殺害されていると言われていることが書かれていますが、これは“わかっているだけで”という数字でしょう。

いささか話題が暗くなりすぎました。
呪術云々はあまりにも古典的なアフリカのイメージを呼び起こします。
しかし、赤ちゃん売買にしても、呪術用のアルピノ殺害・売買にしても、アフリカの暗部と言うよりは、人間の心の闇と言うべきものでしょう。

ジャンル:
アフリカ
キーワード
カリフォルニア ナイジェリア タンザニア 東アフリカ リチャード 産婦人科医 児童養護施設 購買力平価 アフリカ南部 ジンバブエ
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アフリカ  人間の心に潜む闇・・・赤ちゃん売買、呪術用にアルピノ殺害 ナイジェリア・東アフリカ・ブルンジ・タンザニアと、列挙していくとアルピノ殺人はどこまでも続いていることがよくわかる。