孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

ナイジェリア  頻発するイスラム過激派「ボコ・ハラム」によるキリスト教徒を対象にしたテロ

2012-04-30 20:33:22 | アフリカ

(イスラム過激派「ボコ・ハラム」の戦闘員 顔はベールのようなもので覆っているようです。“flickr”より By DTN News http://www.flickr.com/photos/dtnnews/6331806436/

西アフリカのナイジェリアは石油や天然ガスの産出国で、アフリカ有数の軍事力を有する地域大国ですが、北部イスラム教徒と南部キリスト教徒の間の宗教対立、油田が存在する南部デルタ地帯での武装組織のゲリラ活動、更には大規模な環境破壊による健康被害、赤ちゃんの人身売買など、政治的・社会的に問題が多い国です。
また、巨額の石油収入にもかかわらず、利権をめぐる争いや汚職など“石油の呪い”で、8割近い国民が1日2ドル以下の貧困生活に苦しんでいる国でもあります。

そのナイジェリアで、イスラム過激派「ボコ・ハラム」によるキリスト教徒を対象にしたテロが頻発しています。
ナイジェリアの南北対立については、2011年4月21日「ナイジェリア  大統領選挙後の暴動 南北対立を背景に、死者200人超の報道も」(http://blog.goo.ne.jp/azianokaze/d/20110421)でも取り上げました。
また、昨年末のクリスマスを狙った悲惨なテロも記憶に新しいところです。
2011年12月26日ブログ「クリスマスミサ  出口が見えないパレスチナ 流血のナイジェリア」(http://blog.goo.ne.jp/azianokaze/d/20111226

****教会近くで爆弾積んだ車が爆発、20人死亡 ナイジェリア****
キリスト教の復活祭(イースター)の8日、ナイジェリア北部の経済・文化の中心地カドゥナの教会近くで爆弾を積んだ車が爆発し、警察によると20人が死亡、30人が負傷した。
露店でお茶を買っていたモーターサイクルタクシーの運転手や住民が爆発に巻き込まれ、現場には遺体の一部が散乱した。犯行声明は出ていない。
少なくとも1人の自爆犯が車を運転していたとみられている。ある救助隊員は、爆弾を積んだ2台の車が爆発したと述べた。

事件の報を受けて、首都アブジャなど重要地域の警備が強化された。AFP記者によると教会の近くには警察官に加え兵士も配備された。
ナイジェリア中部のジョスでも同日、袋に入れて道路脇に置かれていた爆弾が爆発し、警察によると1人が負傷した。

さらに北東部のマイドゥグリでは、軍がイスラム過激派ボコ・ハラム(“西洋の教育は罪”の意)の隠れ家を急襲し、最近発生し商人ら7人が死亡した市場の襲撃事件に関与したとされる3人を殺害し、2人を逮捕した。
この作戦はカドゥナとジョスで8日に起きた爆発とは直接の関係はないとみられるが、ボコ・ハラムは前年のクリスマスの日、アブジャ郊外の教会で44人が死亡する爆発事件を起こしている。【4月9日 AFP】
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****ナイジェリア:連続テロ8人死亡 大統領寄り新聞社標的か****
西アフリカ・ナイジェリアの首都アブジャと北部カドゥナで26日、大統領寄りの地元新聞社を狙ったと見られる爆弾テロが相次ぎ、AFP通信によると、実行犯を含む計8人が死亡した。キリスト教徒や政府への攻撃を強めるイスラム過激派組織ボコ・ハラムの犯行が疑われている。

カドゥナでは今月8日にも、キリスト教会を狙ったとみられる自爆テロがあり、少なくとも38人が死亡。ボコ・ハラムの犯行が疑われている。北部でイスラム教徒、南部でキリスト教徒が多数派を形成するナイジェリアでは、北部で勢力を伸ばし、全土へのシャリア(イスラム法)導入を目指すボコ・ハラムがテロを活発化させている。【4月27日 毎日】
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****ナイジェリアの大学で銃撃・爆発、20人死亡****
ナイジェリア北部の都市カノにある大学で29日、銃撃と爆発があり、AFP通信によると約20人が死亡した。キリスト教の礼拝に使われていた施設を狙ったテロとみられる。
カノはナイジェリア第2の都市で、今年1月にも爆破テロがあり、少なくとも185人が死亡した。このときはイスラム武装勢力「ボコ・ハラム」が犯行を認めた。【4月29日 朝日】
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上記29日の事件では、“襲撃犯らは車1台とバイク2台に分乗して現場に乗り付けた。まず医学部の外に集まっていた人たちに向けて発砲し、手製の爆弾を投げつけた。襲撃犯らは、パニックになって逃げ出した人たちを追いかけ、銃で撃ったという”【4月30日 AFP】とのことです。

こうした事態に、一体政府・治安当局は何をしているのか?という感もありますが、“汚職と無能が取り沙汰される治安機関に、今後も大した成果は期待できそうにない”とも。

****ナイジェリアのテロはアルカイダ増殖の兆し?****
キリスト教の復活祭に当たる今月8日、ナイジェリア北部カドゥナの教会へ向かう道で自爆テロが発生した。死者数は約40人とも100人超ともいわれる。
犯行声明はまだ出ていないが、イスラム武装組織ボコ・ハラムから地元政府に何度も警告があったと、ナイジェリア公民権会議の代表シェフ・サニは指摘する。「治安当局に市民の命を守る力がないのは明らかだ」

キリスト教徒が多い南部とイスラム教徒が多い北部が対立するナイジェリアで09年に反政府武装闘争を始めたボコ・ハラムは、この1年間で暴力を激化させてきた。政治学者フサイニ・アブドゥは、この組織が北西アフリカ諸国やソマリアに展開するアルカイダと結び付きかねないと危惧する。
教養も経済力もない若煮が失業して将来に希望をなくし、武装勢力に取り込まれてきたと、アブドウは語る。「彼らは虚無的になり、人を殺して喜ぶ」

復活祭テロが起こる前に、モハメド国防相はボコ・ハラム内部に情報要員を潜入させ、活動を抑止していると地元紙に語っていた。それでもテロが起きたように、汚職と無能が取り沙汰される治安機関に、今後も大した成果は期待できそうにない。【4月25日号 Newsweek日本版】
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“情報要員を潜入させ、活動を抑止”とは、随分高度な対応をしている・・・とも言えますが、テロの頻発という現実が物語るように効果をあげていません。

しかも、テロの内容は、“目的のため、あるいは主張のアピールのためなら一般市民を巻き込むこともやむを得ない”といったものではなく、一般市民の抹殺自体が目的であり、まさに“人を殺して喜ぶ”ようにも見えます。
“「ボコ・ハラム」は、ナイジェリアにイスラム法を確立することを目指し、国内のキリスト教徒をすべて殺すと宣言している”とも言われています。【2月22日号 Newsweek日本版】
キリスト教徒側の報復が広まれば泥沼です。

昨年4月に再選されたグッドラック・ジョナサン大統領の名前のような幸運が1日も早く実現することを願いますが、短期的には治安対策、長期的には若者の雇用対策という地道な取り組みを進めるしかないでしょう。
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