硬派な生き方を選択しながらも、都会の生き方を忘れずに暮らす「頑固なボス」の痛快辛口日記

誰かがやらなければならない社会貢献がある。利他主義を貫く信条を主張するボスの独り言!

旭小学校…①

2017-06-30 15:43:21 | 自叙伝

小学校から一番遠くにある私の自宅(長屋)から歩いて行くと、小さな商店が数件あるエリアを通る。

その商店を目指して歩いていると、いつも和やかな気持ちになる家がある…タケウチさん宅だ。

ご夫婦2人で暮らしており、タケウチのおっちゃんは当然炭鉱マンだ。たいていの家は、ねこの額程度の家の前に小さな小屋や畑を作り利用している。

しかし、タケウチ家は違った…花 特にチューリップをいつも植えていた。

 

通学中に遠目からでも色とりどりのチューリップが視界に入る。非番の時は、おっちゃんが朝から花に水をやっている姿をよく見かける。

 

その日もそうだった…

学校帰りにタケウチのおっちゃんがいつものように花に水をやっていた。「おじさんこんにちわ…」声をかけた  「おお〇〇ちゃん、お帰り」満面の優しい笑顔が印象的だ。

家の前を通過して ふと思ったのは、「あれっ? 今日2番方じゃなかったっけ…」 そうタケウチのおっちゃんは2番方のはずだ。という事は、午後2時までには炭鉱へ行っている時間帯だ。

なぜ今 ここに居るんだろう…

 

夜 炭鉱のガス爆発を知ることになる。

TVの下部に亡くなった…か 行方不明の名前が次々と流れるのを見ながら、私は「あく投げ場」で工藤さんに会うことになる。

 

工藤さんの件で おふくろに怒られたが、今一つ質問をぶつけた…「タケウチのおじさんは、今日休んだの?」

 

また怒られた。何故なら、タケウチのおっちゃんも亡くなったスーパーに名前が流れたからだ。

 

私は必死に伝えた…「いや 今日学校帰りにおっちゃんが花に水をやっていたよ。ちゃんと話もしたし…」おふくろの怒りが頂点に達したのか、ゲンコツが飛んできた。

私は、真剣に考えてある結論を出した…『タケウチのおっちゃんは、炭鉱の中で業火にあいながらも 花に水をやらなければならない』と亡くなる前に強く思ったのではないだろうか…と。

 

事故発生時間と私がタケウチのおっちゃんの家の前を通過した時と ほぼ一致するからだ。

 

婦人会のおばちゃんたちが、慌ただしく葬儀の準備や一人住まいの亡くなった方の家を飛び回っていた。

 

おふくろから聞いた話だ…

亡くなった工藤さんは一人で住んでおり 数年前に奥さんを病気で亡くした。工藤さんの家に行くと、流し…台所や部屋中が水浸しで足の踏み場が無かったらしい。

おふくろが「工藤さん なんて言ってたって?」と聞くので、また怒られるのか? と思い、小声で答えた…「〇〇ちゃん 水を持ってきて」と。

 

おふくろは、やっと納得したようだ。嘘ではない事を…

タケウチのおっちゃんの家も行ったそうで、花畑には丹念に水を撒いたあとがそこら中にあったようだ。

 

小学校6年生の時の出来事だが、亡くなった二人には「足があった事」を今でも覚えている。

 

時期的に卒業アルバム作成の頃であったが、大事故を経験した私たちに「小学校の卒業アルバム」がない…兄弟のように育った仲間たちだが、PTAと学校側で下した判断なので仕方がない。

 

あの大事故は、今でも夢に見る…

ジャンル:
小説
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 引っ越し… | トップ | 旭小学校…② »
最近の画像もっと見る

自叙伝」カテゴリの最新記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL