硬派な生き方を選択しながらも、都会の生き方を忘れずに暮らす「頑固なボス」の痛快辛口日記

誰かがやらなければならない社会貢献がある。利他主義を貫く信条を主張するボスの独り言!

勤労高校生…⑤

2017-07-14 22:37:02 | 自叙伝

高校生で あれほど仕事(アルバイト)した人は そう多くないのではないだろうか…

 

金が底を付き始めると、授業をさぼってでもバイト先へ飛んで行った。

逆に、数日前や前日に現場責任者から「明日 1時から大丈夫か?」…と言われて断ったこともなかった。

 

クラブ活動までには終わるという条件を飲んでくれるからだ。こういう急なバイトは通常の20%増しで計算してくれるので、高校生には嬉しい話だ。

 

良くある話に、番長だのケンカが強いだのと噂になる奴や その連中のグループなんかが田舎では必ず存在するものだ。

 

正直 何の興味もなかった…

一般的にどこの町でも工業高校にワルが多いものだ。私の町もそうだった…が、割と派手な格好や遊ぶ場所も高校生が行き来できないにもかかわらず平気で出入りしていたが、先輩やワルの同級から目を付けられたこともないし殴られたこともない。

 

一度だけこんなことがあった。

汽車を降りて改札口を出たところで、工業生数名に囲まれたことがある。

駅の便所へ呼ばれて、訳の分からない事でイチャモンをつけられたのだ。私は、このあとバスで40分ほど揺られて帰宅後 バイトがある。

何の話か全くわからないので、後日にしてもらうように伝えると 明日出てこい…とのことだった。


幸い 明日は休日…約束の時間に現地へ着いた。

ふと見ると、私の学校の女子と その工業生複数名が待ち構えていた。

はは~ん 何となく事の詳細が読めてきたのだ。


その女子から以前ラブレターをもらった事があるが、正直言って中太りの 決してキレイではない子だった事や、興味が全くなかった事もありお断りしたことがある。

どうやら その女子が地元の工業高校の学生にウソの話を持ち掛けたらしいのだ。

話は こうだ…私がその女子と付き合っていて、妊娠させられた。妊娠を知った私はその子をフッた…というのがアラスジだ。


下らん…実に下らん話に、私は失笑した。

相手の連中は、私を殴りたくていきり立っていたが とんだ肩透かしを食らって、リアクションの取りようもない。


結果 連中のリーダー格の男がバイクで自宅まで送ってくれた…というオチまである。


こんなこともあった…

サッカーの試合中、相手GKが生意気だったので「口撃」(言葉で少し脅かす)をしたことがあった。

数日後学校へヤクザの団体さんがやってきて、私の名前を叫んでいる…ちょっと人数が多くて半端じゃない。

とりあえず学校の裏山へ逃げた。


自宅の近くに小さなダンスホールがあり、割と通っていた店だが そこへ呼び出されたことがある。

呼び出した相手は地元(私の家の周辺)でも有名なちんぴらヤクザだ。通称ケンケン…

いきなり便所へ連れ込まれ、先日のサッカーの試合の話が出たのだ。事実だが、相手GKに手を出したわけでもない…


ボコ ボコ…と思いっきり腹をえぐられた。これでチャラだ…とでも言いたいのだろうか。


忘れかけたころだ…新聞配達の元締めのおばちゃん 前述したことがあるが、例の全身入れ墨のおばちゃんだ。

給料をもらいに行った時 何かの話で、ケンケンの話が出たのでダンスホールの一件を詳しく話すと 血相を変えて家を飛び出していったのだ。

まだ、受領印も押していないので少し待っていた。


何とそのおばちゃんがケンケンの首根っこを摑まえて戻ってきたのだ。

「この子は、小学校の時からウチで新聞配達してる子で一日も休んだこともない子だよ、お前なんてことしてくれたんだ。この町に住めなくするよ!」と ケンケンを怒鳴る。

タジタジになったケンケンは、おばちゃんと私に深々と頭を下げ謝って帰っていった。


その時に、おばちゃんの素性を詳しく聞くことができたのだ。

夫婦で「極道」…親父さんも同様に 全身入れ墨だが、怖いのはダンゼンにおばちゃんの方だ。

「何かあったら いつでもおばちゃんに言っておいで…この町で私らを知らない奴はいないから」


私と一緒に同じ時期に引っ越してきたのに、その世界では場所は関係ないらしい。


どうりで様々なバイト先で優遇されていたことが ようやく理解できたのだ。

「あんた ヒモリさん知ってるのか?」…と必ず聞かれたからだ。

それまでは詳しい素性を知らないので、「知ってますよ、ガキの頃から世話になってるしアルバイトも良く世話してくれるんですよ。」と 答えていた。


町へ行っても 何か絡まれたりマズイ状況になったら「ヒモリのおばちゃん知ってますけど…」て言えってよく言われていた。が、卒業まで使わなくて済んだ。

とにかく このおばちゃんには何かとお世話になった高校3年間だ。


男まさりのダミ声で、たばこは「朝日」かキセルだった。気っぷの良さは天下一品で、ウソとごまかしは通用しない。

腹巻の中には いつも万札がギッシリ詰まっていたのを覚えている。


アルバイトの90%は、このおばちゃんの口利きだった。





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