カナリア望遠鏡は指先を見つめている

詩・即興詩・散文詩・俳句

《 破船 》

2017-05-15 22:23:19 | 






口をきかない
白いボートは
からだじゅうに網をまきつけ
彼の視界に はいっている
それから
大きく 肩で息をして
うすい甲羅をめくりあげる

かたわらに立っていた若木が
大樹になり
彼もしらない実をつけ
飛んできた鴎がつつくと
実は彼の頭におちた
つゆが顳顬をつたい
頬から口へとながれる
何年も何年も
波の味しかしらなかった彼は
おもいだす
熟すという行為を




















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