カナリア望遠鏡は指先を見つめている

詩・即興詩・散文詩・俳句

《 赤い日 》

2017-02-24 06:43:42 | 








浮きでた肋骨に夕陽があたっているだろう
意識は半分食べられ
感覚は朦朧としている
最後まで走りきる自信のない鹿が一匹
いや、洗いきる自信のない浣熊が一匹
目醒めたところが花畑であるならば
二匹の仔猫が遊んでいるならば
わたしが右手を握る必要もないだろう
若しくはそこが
湿り気を含んだ命の漲る草原であるならば
二頭の馬が音のない幸せに充ちて草を喰んでいるならば
わたしが涙を流す必要もないだろう
希望のあるところに幼少の夏休みはある
気怠く汗をぬぐい
午睡に寝返りをうつ
気づけば家には誰もいなくて
風鈴がチリンと呼べば
開けはなされた縁側に
死んだおばあちゃんが座っている
湯呑みのなかは御神酒だね
おおきゅうなったね
親戚には牝牛のような人だったと聞いたが
わたしには蚤のように見えた
恋をして遠い海を飛んできた蚤
旅をしらない人
旅からかえれない人
姿は遺されても
心は奪われる
髪を切って、爪を切って、
日が沈むように
訣れが色づく


















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