言の葉のいろ

ことばのいろをかなでる

フリースクール共育学舎「かわたけ市」~和歌山の旅で

2017-03-15 19:11:08 | 日記
ぐっと私たちの距離を縮めたのは歌でした。

宇多田ヒカルの「花束を君に」をやってほしいと、ギターと歌を歌っている女性にお願いした。
「♪普段から~メイクしない君が薄化粧した朝~」
歌った後、遠耳に聞こえていた会話に私も参加したくなった。

「明日、かわたけ市というものをやるんだけど、よかったらきませんか?」
泊まった先のユースライブラリーえんがわさんで、こんなお声かけをしていただいたと思います。


明日は河内長野行こうと思っていたんだけど、もうちょっとゆっくりしようかなぁ。
と思っていたら、本当に朝のんびりして身体がゆったりとしか動かせず、、そのままご一緒させていただくことになりました。

和歌山県新宮市から川沿いに車で30分ほど。美しい川と山の景色を眺めながら、たどり着いた先は古い木造校舎。

11時半前くらいだったと思う。朝ごはんを食べておらず、すごくお腹がすいていた。

中では、フリーマーケットのようにして、ラーメンやパン、ランチ、雑貨などが売っていた。

天然酵母の自然素材のパンがとってもおいしそうで、買わずにはいられなかった。

買って食べた教室のなか。
古い木造校舎からは美しい田舎の景色が見えた。


えんがわを訪れたときもそうだった。
ここ、この空気感、なんか見覚えがあるような。初めて来るんだけど。
えんがわさんは、私が今から10年以上前の学部生時代に、卒論(引きこもりや不登校がテーマだった)で訪れた福井市内のフリースペースimaの景色に似ていた。子どもを対象に居場所をつくろうとすると、こんな感じになるのかもしれない、と思った。

なんだろう?ここは…
「ここはフリースクールなんです。」
一緒にかわたけ市に来た大学生、宮島さんが言った。彼もこの雰囲気がいいと感じているらしい。

私は卒論の話もし、また、滋賀県に就職する宮島さんに「やっぱり地元が一番」と言うと、彼もその意見に納得して答えた。
なんでだろう?
普段、よく見知った人と自分の思っていることをなかなか伝えにくいことが結構あるのに、彼にはそのままストレートに伝えられた気がする。ここの空気感を共有していた。

本棚には、勝山実の『安心ひきこもりライフ』などがあった。
そういえば、先週訪れた廃校喫茶(同じように県外の廃校を2週連続で訪れていた!)では小田実の『何でも見てやろう』という本にひかれた。

テーブルの先では、40代くらいの女性と20代の男性が話をしていた。
「私の兄はひきこもりの最先端だった。大学の時に…」というような言葉が聞こえた。

ここにいた人たちはみな、女性はほぼノーメーク。男性も作った顔がなかった。そのせいか、目がきらきらして見えた。
たぶん、どんな人も美しい目を持っていると思う。けれど、人は何もつけないと(あるいは顔を作らないと)、余計にきれいな目がきらきらと見えるんだなぁと人を見ながら思った。

えんがわの初代館長、新宮市議の並河さんはポン菓子を作っていた。噂のポン菓子職人としての腕前を拝見させていただきました。

初めてポン菓子ができる過程を目の当たりにしました。

原料の玄米が弾ける「ぽん!」という音は、すごく大きく、子どもたちが音を鳴らす前からリアクションしていました。

私は、ここにいた大人もそうだけど、なんか子どもたちの雰囲気も好きだなぁって思いました。


ラーメンを出していたおじいさんにもひかれました。
ラーメンはとてもおいしそうで、パンやらプリンやらを食べた後も、食べたくなりました。

おっちゃんの手作りお盆がとても素敵。

私が福井から来ました、というと、紙すきの本場やないか!と言う。さすが、紙すき職人だった人、よくわかっているなぁとうれしくなりました。

ラーメンをもって、また教室に入ると、あの40代の女性たちがいました。

私はラーメンを食べ終えた後も、本を手に取って読んだり、窓から見える景色を見たり、その場でゆっくりと過ごしていました。
女性は歌を歌っていました。ギターをもっていた男性の演奏で。

とても、のびやかな美しい声でした。

何曲か歌った後に、
宇多田ヒカルの花束を君に、がちらっと出てきて、私が初めてそこで声を入れました。
「お願いします」と。

宇多田ヒカルの音程が難しく、女性が歌っている中に、若い男性も歌を伝えながら、一緒に歌いました。
私はそこになんとなく、距離を置いていましたが、
少しずつ、少しずつ、私も歌いたい、気持ちを解放できるようになっていました。
私も一緒に歌っていました。

「世界中が雨の日も君の笑顔が僕の太陽だったよ」という歌詞を彼女が歌うと、そこに、親子の風景が広がっているように感じました(彼女の娘さんは後から見ました)。歌う人が変わると、歌のイメージがまた変わって聞こえるもので、それをおもしろく感じました。

歌い終わった後、ギターの男性から何か曲リクエストある?と聞かれましたが、
気が付いたら、女性と男性と話をすることに夢中になっていました。

彼女の持つもの、雰囲気、表情がなんとも人を引き付けるものがあるんですね。
これは美人とかなんとかそういうたぐいのものでなく、その人の持つ力なんでしょうか?感性もあると思います。
遠目に見ていたときから、思っていました。

若いころ、ある男性からストーカーされたということも彼女と話をしていると、なんとなく納得がいくんですね。
決していかにも美人とかそういう感じでなく、素のままの女性なんですが、何とも言えない魅力を持っているんですね。これはうまく言葉では言えません。上手く言えないということがまさに説明ですね。

私は彼女の持つ力で、自分の思っていることをどんどん引き出すことができました。
若い男性が、絵を描くという。会社から帰り(テレビ局での仕事だから夜遅くまで仕事しているかと思います)、いつも絵を描く時間が大事なんだそうです。
彼は京都で個展もやっているそうです。
けれど、そういうことを会社の人に言うと、そんなことをする時間があったら、仕事をもっとがんばれ、みたいなことを言われるそうです。

私はそこで「仕事どころか、生きることに精いっぱいだった縄文人が、あんなにすごい土偶とか縄文土器とか芸術的なものをたくさん残した」というと、
女性が「なんて、今日いいこと聞いたんだろう!!!」と大きくリアクションしてくれました。
彼女の持つものが癒しに満ちていた。

私自身の仕事を話して、彼女に聞くと
「私はただの母です。」と話した。
私も男性もそこに敬意を払った。「素晴らしいことですね」と私は言った。

彼らとの話はとっても面白かった。
何を話したのか、よくわからないけれど、とっても心地の良い時間だった。

あぁ私はここに来てよかった、と思った。

校内にはヤギがいた。

フリースクール「共育学舎」

http://kyouiku-gakusya.org/


感謝して、福井に帰ることができた。

福井に帰って、友人にこのフリースクールの話をすると、一緒に行きたいね、という話になりました!
次回こそは、熊野の神社をお参りしたい。


ありがとうございます。
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