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『世界金融危機』金子勝/アンドリュー・デウィット著 「サブプライム危機~現在に至る流れを概観」

支配を読み解きながら、追及しています。
『世界金融危機』金子勝/アンドリュー・デウィット著 「サブプライム危機~現在に至る流れを概観」

2016年10月28日 22時15分31秒 | 日記
【目次と小見出し】
はじめに グローバル同時不況の危うさ

第一章 「影の銀行システム」の崩壊
・サブプライム危機の真実
・金融システムのどこが壊れているのか
・「影の銀行システム」とは何か
・損失が確定できない
・ウォール街の「最後の貸し手」

第二章 つぎの津波がやってくる
・バブル循環の時代
・津波はどうして起こるのか
・バブル崩壊はこれから
・住宅価格下落が消費を冷やす
・信用収縮は終わっていない
・企業倒産の波が来ている

第三章 ガス欠とオーバーヒート
・二つの長期波動
・デフレとインフレ
・縮小するFRBの政策的影響力
・「ガス欠」は止まらない
・日本は本当に環境先進国なのか

第四章 世界は壊れそうだ
・戦争とバブルの大統領
・不動産バブル崩壊はまだ続く
・問題は10年不況になるかどうかだ
・自動車バブルも崩壊した
・広がるグローバル不況
・石油インフレがグローバル化を遮断する
・米国のヘゲモニーは終焉するか?

おわりに 脱出口を見失った日本
・忍び寄るグローバル同時不況
・小泉「構造改革」の大罪
・抜本的な政策転換を

【読者のコメント】
この書籍(ブックレット)は今回の米国のサブプライム危機~世界規模での金融危機という流れに平行して、雑誌「世界」2008年7月号~10月号に掲載された記事を編集する形で書かれている。

筆者は以前から今回の危機を予見し警鐘を鳴らしてきた一人でもあり、記載されている内容はこの間のるいネット投稿と重複するところが大半である(※もちろん「貧困の消滅」によるパラダイムチェンジの概念は組み込まれていない。であるがゆえに収束先は見えていないが)。

そんな中で、第四章で指摘されている米国での商業用不動産バブルの崩壊に関する見識が目をひいた。

>もう一つの焦点は、第二章で指摘したように商業用不動産だろう。ここにバブル崩壊が及ぶと、銀行や投資銀行の損失がまた膨らんでいくからだ。08年第2四半期のGDP統計を見ると、住宅投資は15.6%落ちたが、まだ非住宅投資は14.4%増えている。しかし、その多くはホテル建設バブルであり、これが崩壊しそうだ。08年7月31日付ニューヨークタイムズ紙によれば、ホテルの部屋占有率は前年から5%下がり約65%になっている。また、新しいホテルは前年から27%増加して6000ほど(2000ほどが建設中、全体で80万室になる!)が予定されている。原油高によってビジネス出張や旅行が減少しており、極めて危険な状況だ。

 さらに、ショッピングセンター空室率も上昇し、4~6月期に平均8.2%と13年ぶりの高水準を記録している。国際ショッピングセンター協会の予想では、08年の全米の主要なチェーン店の閉鎖規模は約14万4000店と、前年比で7%も増える見通しだ。

 8月1日付ファイナンシャルタイムズ紙によれば、格付け会社フィッチが、現在の商業用不動産担保証券の債務不履行率は4%だが、成長率が0.2%になるような不況に落ちた場合、10年間で17.2%(330%の増加)の平均不履行率になると推計している。0.8%成長では債務不履行率が13.7%となる。この中間的なシナリオの場合、BとBBランク商業用不動産証券のそれぞれの損失率は100%と95.9%になり、投資資格で最低ランクのBBB(トリプルB)でも、37.9%に達する。商業用不動産担保証券全体の約8000億ドルのうち、2006~2007年に発行された額が49%ほどを占めている。米国のバブル崩壊の終わりは依然として見えてこない。<

大阪でも百貨店やホテル建設が続いており「だれが利用するんだ??中国人観光客??」といった虚しさが漂う(頼みの中国観光客も今回の危機と無縁ではなく、「観光立国日本」はやはり幻想では)。そんな中、上記のアメリカの商業用不動産事情はリアルに聞こえる。

 


竹村誠一
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「ブレトンウッズ2」情報(田中宇)-4

2016年10月27日 22時14分32秒 | 日記
田中宇の国際ニュース解説 2008年10月31日 リンク より転載

▼米軍の裏金で株価操作?

 また、注意せねばならないのは、米英中心の世界のマスコミの論調は、英国や米の軍産複合体が操作している部分があるということだ。また、軍産英複合体は1980年代以来、毎年の米政府の軍事費の一部を「隠し金(ブラックマネー、機密費)」として秘密裏に蓄え、それで諜報作戦をやっているが、その総額はおそらく1兆ドル近い。この金で、世界の株価を操作することが十分に可能だ。リンク

 隠し金は、無数にある国防総省の下請け企業への発注費用として捻出され、おそらく無規制なタックスへイブンに蓄えられ、ヘッジファンドが運用している。軍産英複合体が、ロシアの株価を暴落させることなど簡単だ。アジアからロシアに波及した1997年の国際通貨危機も、彼らの仕業かもしれない。冷戦終結からあの危機まで、米政府は経済主導で動き、軍事産業は縮小・統合させられ、イスラエルはパレスチナ和平(オスロ合意)を飲まされていた。しかしアジア通貨危機後、98年に米国はアフガニスタンのタリバンを「味方」から「敵」にレッテル貼り替えし、同年にはネオコンやチェイニーらが結束してイラク侵攻を主張するPNAC(アメリカ新世紀プロジェクト)を組織した。PNACメンバーの多くはブッシュ政権の高官に就任した。

 しかし、イラク侵攻は失敗し、米政府は財政破綻に近づいている。米大統領府には「金融市場のための大統領ワーキンググループ」と称する、事実上の「株価下落防止委員会」が設置されているが、その資金源はたぶん国防総省のブラックマネーだ。しかし今や金融危機が悪化して、いくら隠し金をつぎ込んでも、株価下落は止まらない。米中枢の隠れ多極主義者が下手を打って、暗闘相手の軍産英イスラエル複合体による延命策をこっそり破壊した結果である。複合体は世界のマスコミに、ドルの危機など存在せず、英米よりBRICや途上国の方が先に破綻するかのように書かせているが、それが事実かどうか怪しい。リンク

 原油や金の相場も、政治暗闘の舞台である。原油相場はロックフェラーなど多極派によってつり上げられてロシアやアラブの優勢を作り出し、金相場は軍産によって引き下げられ、ドル崩壊の回避策に使われている。リンク リンク

 

匿名希望
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「ブレトンウッズ2」情報(田中宇)-3

2016年10月26日 22時13分22秒 | 日記
田中宇の国際ニュース解説 2008年10月31日 リンク より転載

▼国連でも途上国の反乱

 サルコジやG20の動きと並んで、国連でも注目すべき展開が起きている。国連総会は10月30日、国際金融危機に関する討論会を開いた。そこでは、米国人経済学者のジョセフ・スティグリッツが、現行の国連組織は先進国優先になっており、発展途上国に不利になっているので大改革が必要だと述べた。そして彼は、IMFや世界銀行に代わりうる国連の新たな経済組織として、中国・日本・インド・産油国といった外貨備蓄の多い国々が主導する形の国際基金を作ることを提案した。この会議では、米英による世界支配の道具だったIMF・世銀(ブレトンウッズ機関)を大改革する(潰す?)方向性として「ブレトンウッズ体制の作り直し」が提唱された。リンク

 スティグリッツの意見は、単に学者として発せられたものではない。彼は、国連が今後作る予定の、国際金融制度と国連経済組織(IMFと世銀など)の改革のための専門家組織のトップに就任する予定となっている。彼の構想は、国連としての構想なのである。リンク

 中国・日本・産油国、といった組み合わせは、私にとってピントくるものがある。IMFやアジア開銀といった国連組織が05年春に作った、国際通貨の多極化のための「サーベイランス委員会」が、中国・日本・サウジアラビアとEU、米国という5極体制になっていたからだ。国連は今後、スティグリッツ主導の専門家組織によって、この国際通貨5極体制の実現を目指す可能性が強い。リンク

 従来の国連は、米英が(特に英国が黒幕的に)主導する組織だった。スティグリッツのような人物が騒いでも、米英に潰されて終わるのが国連の常だった。しかし、今の国連は、従来とは違う。最近の記事「国連を乗っ取る反米諸国」にも書いたように、途上国やBRICの代理人が重要ポストに就き、米英から主導権を奪おうとしている。国連総会の議長は、反米主義のニカラグア左翼政権で外相だったデスコソである。事務総長は、中国と密通していると疑われる韓国のバン・キムン元外相だ。リンク

 こうした国連でのBRICや途上国による米英からの主導権奪取と、サルコジら独仏主導のEUが米英従属から抜け出して多極的な勢力へと転換している感じとが連動し、11月15日のブレトンウッズ2の会議や、国連での改革開始につながっている。

▼ドル離脱を模索する中露

 通貨の多極化に対し、対米従属こそ命である日本政府は、明らかに反対だ。従来は、中国も消極的だった。しかし中国は最近、態度を変え始めている。10月24日に北京で開かれた「アジア欧州会合」(ASEM。議長は中国とフランス)に際し、中国政府は、米国の金融危機対策のあり方を強く非難し、国際金融の新たな秩序を作らねばならないと表明した。リンク

 人民日報には「世界は、国際機関を通じた民主的なやり方で、米国(ドル)が主導してきた従来の通貨システムを変更する必要がある。アジアと欧州の間の貿易は、ドルではなく、ユーロ、ポンド、円、人民元で決済する必要がある」と主張する、上海同済大学教授(石建[員力])の論文が掲載された。この主張は、中国共産党の公式な主張ではないが、共産党上層部で「米国の覇権を崩して世界を多極化しようとする国際的な動きに中国も積極協力し、立ち上がるべきだ」と主張する勢力が強くなっていることを示唆している。リンク リンク

 このような中国の動きを見越して、EUはASEMで「中国が世界を経済危機から脱却させるためにいろいろやってくれるなら、IMFなど国際機関における中国の地位をもっと引き上げたい」と提案した。またロシアは、中国とロシアとの間の貿易決済の通貨を、従来のドルから、人民元とルーブルの混合状態に移行させていくことを、中国に提案した。人民日報の石教授論文と連動した動きである。リンク

 2国間貿易にドルではなく、2国の通貨を使う試みは、すでに南米でブラジルとアルゼンチンが開始している。だが、為替変動の影響もあり、なかなかうまくいかない。ロシアのプーチン首相も、中露間の貿易を人民元・ルーブル建てにすることは難しいと認めつつ「世界経済の問題はドルベースになっているところに起因しているので(脱ドル化を)やらざるを得ない」と述べている。読者の多くは感じていないだろうが、プーチンらBRIC諸国の首脳は、いずれドルが潰れることを、すでに感じているのである。リンク

 米国発の金融危機は、米国の不況突入から、BRICや途上国の経済難へと発展している。米英が潰れる前に中露が潰れる可能性もある。しかし同時に、BRICや途上国は、米国発の金融危機による被害を受ければ受けるほど、国連などで結束し、米英中心の国際政治体制を転覆させ、主導権を奪おうとする動きを強める。米当局の金融危機対策は大失敗で、米国に任せておいたら、世界経済は無茶苦茶になると思っている人が世界の大半なのだから、米国から覇権を剥奪しろという動きが国連で広がるのは当然だ。


匿名希望

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