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米議会は圧倒的多数でロシアやイランに対する「制裁」法案を可決したが、これでEUをロシアへ

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ロシア、イラン、朝鮮に対する「制裁」法案を下院は7月25日に419対3で、上院は27日に98対2で可決、ドナルド・トランプ大統領は署名する意向だと伝えられている。ロシアとイランはアメリカの支配層にとって邪魔な存在。朝鮮は東アジアの軍事的な緊張を高めるため、アメリカにとって欠かすことのできない国であり、対象国に含めておく必要がある。本来なら中国も入れたいのだろうが、現在の経済状況を考えるとアメリカ自身を制裁しなければならなくなるので無理だ。法案が成立した場合、ロシアは報復を考えているようだ。

この「制裁」でロシアより厳しい状況に陥るのはEU。ドイツやフランスなどから反発の声が挙がっている。2014年にフランスのBNP-パリバはアメリカの制裁対象国との取り引きでドルを使ったとして90億ドル近い課徴金を払わされたが、この屈服は批判されていた。フランスの法体系の下で、この取り引きは合法だったのである。

トランプが反対したTPP(環太平洋連携協定)はISDS(国家投資家紛争処理)条項によって参加国の政策が「国境なき巨大資本」にとって利益になるかどうかで決められる。EUとアメリカで進められてきたTTIP(環大西洋貿易投資協定)も同じこと。この2協定とTiSA(新サービス貿易協定)によってアメリカの巨大資本は自分たちが国のような公的権力を上回る力を持とうとしてきた。つまり、フランクリン・ルーズベルトが言うところのファシズムだ。

今回、EUが反発している最大の理由はバルチック海とドイツをつなぐ天然ガスのパイプライン、ノード・ストリーム2の建設だろう。ウクライナ、ポーランド、ルーマニア、ブルガリア、ギリシャはアメリカに隷属、ロシアとEUとをつなぐパイプラインの建設を止めている。残されたルートは北回りのノード・ストリーム、そしてノード・ストリーム2。アメリカはロシアに対する制裁という形でこれを潰しにかかっている。



アメリカ、サウジアラビア、イスラエルの3国同盟を中心としたシリア侵略が思惑通りに進まず、これまで3国同盟に協力していたカタールやトルコは離反する動きを見せている。カタールとイランが共同で生産した天然ガスをシリアとトルコを経由してEUへ運ぶというプランが浮上しているが、これも3国同盟は潰しにかかっている。

3国同盟側はイスラエル、キプロス島、クレタ島、ギリシャ、イタリアというルートを考えているとも言われているが、バラク・オバマ政権からアメリカはシェール・ガス/オイルを戦略の中心に置いてきた。これをポーランドへ運び、そこから旧ソ連圏の国々へというプランなのだが、これには大きな問題がある。

まず、原油価格が大幅に下落しているときから言われていたが、シェール・ガスやオイルは生産コストが高く、必然的に販売価格は高くなる。しかも、生産を持続できるのは4、5年程度で、7、8年経つと8割程度下落すると言われている。つまり、シェール・ガスやオイルに頼るわけにはいかないのだ。EUも中国もこれはわかっているはず。しかも、この採掘方法は地下水を汚染するが、そうなると地下水に頼っているアメリカの農業は壊滅的な打撃を受ける。アメリカに食糧を頼っている国にとっては深刻な事態で、早めに手を打つ必要がある。

もしアメリカの命令に従い、ロシアやイランとの関係を断ったなら、EUはエネルギー源をサウジアラビアとイスラエルに頼らざるをえなくなる。これは受け入れられないはずで、今回のアメリカ議会による制裁法案の可決はEUをロシアへ追いやることになりかねない。中国とロシアを戦略的なパートナーにしてしまったのと同じ間違いをアメリカの支配層は犯している。

こうした間違いを軍事力で解決しようとしているのがネオコンを含む好戦派だが、その考え方も成功しないだろう。その先にあるのは全面核戦争である。

かつて、ある国の人からこんなことを言われた:日本人は毒蛇のいる場所を目隠ししながら歩いているようで、見ていられない。
 
 
 
 
2017.07.29
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マイク・ポンペオCIA長官は7月20日、アスペン治安フォーラムでベネズエラの「移行」が期待できると語っている。その中でメキシコやコロンビアが協力しているかのようなことも口にしたが、両国は否定した。



ジョージ・W・ブッシュ政権が中東侵略に気をとられていた頃、ラテン・アメリカではアメリカから自立する動きが出ていた。アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、エクアドル、ホンジュラス、ニカラグア、ベネズエラなどだが、その中でも産油国のベネズエラは中心的な存在だった。

ベネズエラを自立した国にしたのはウーゴ・チャベス。1999年に大統領へ就任、それに対してブッシュ・ジュニア政権はクーデター計画を始動させる。2002年のことだ。その黒幕と指摘されているのはイラン・コントラ事件でも登場するエリオット・エイブラムズ、キューバ系アメリカ人で1986年から89年にかけてベネズエラ駐在大使を務めたオットー・ライヒ、そしてジョン・ネグロポンテ国連大使だ。

ネグロポンテは1981年から85年まで、つまりCIAがニカラグアの反革命ゲリラを支援して政権転覆を目論んでいた時期に工作の拠点になっていたホンジュラス駐在大使を務め、2001年から04年にかけては国連大使、04年から05年まではイラク駐在大使。その後、国家情報長官や国務副長官に就任している。

2002年のクーデター計画は、事前にOPECの事務局長を務めていたベネズエラ人のアリ・ロドリゲスからチャベスへ知らされたため、失敗に終わるが、それで終わらなかった。例えば、WikiLeaksが公表したアメリカの外交文書によると、2006年にもクーデターが計画されている。「民主的機関」、つまりアメリカの支配システムに操られている機関を強化し、チャベスの政治的な拠点に潜入、チャベス派を分裂させ、それによってアメリカの重要なビジネスを保護し、チャベスを国際的に孤立させるとしている。チャベスは2013年3月、癌のため、58歳の若さで死亡した。

バラク・オバマが大統領に就任して間もない2009年6月、ネグロポンテが大使を務めたこともあるホンジュラスでマヌエル・セラヤ政権がクーデターで倒された。約100名の兵士が大統領官邸を襲い、セラヤ大統領を拉致してコスタ・リカへ連れ去ったのである。

アメリカ政府はホンジュラスのクーデター政権を容認しているが、当時、現地のアメリカ大使館は国務省に対し、クーデターは軍、最高裁、そして国会が仕組んだ陰謀であり、違法で憲法にも違反していると報告している。つまり、ヒラリー・クリントン国務長官も実態を知っていた。この正当性のない政権は翌2010年、最初の半年だけで約3000名を殺害したという報告がある。

クーデターを支援していたひとり、ミゲル・ファクセが麻薬取引が富の源泉であることもアメリカ側は認識していた。ちなみに、ミゲルの甥にあたるカルロス・フロレス・ファクセは1998年から2002年にかけてホンジュラスの大統領だった人物である。

クーデターの中心になったロメオ・バスケスが卒業したSOA(現在の名称はWHINSEC)はアメリカ支配層がラテン・アメリカ諸国の手先を育成するため、1946年にパナマで設立された施設。対反乱技術、狙撃訓練、ゲリラ戦、心理戦、軍事情報活動、尋問手法などの訓練を実施する。

1984年にSOAはパナマを追い出され、アメリカのジョージア州フォート・ベニングへ移動、2001年には「治安協力西半球研究所(WHISCまたはWHINSEC)」と名称を変更したが、行っていることは基本的の同じだと言われている。

ラテン・アメリカは15世紀からスペインやポルトガルに略奪されている。金や銀をはじめとする資源が豊富で、「十字軍」による略奪と並び、近代ヨーロッパの基盤を築く上で大きな役割を果たした。18世紀までにボリビアのポトシ銀山だけで15万トンが運び出されたとされているが、この数字は「少なくとも」である。

19世紀になるとアメリカの巨大資本がラテン・アメリカで大規模農業を展開、「バナナ共和国」と呼ばれるようになる。その巨大資本がラテン・アメリカからスペインを追い出す戦争の引き金になった出来事が1898年のメイン号爆沈事件。

アメリカの軍艦メイン号が停泊中に沈没したのだが、アメリカ側はこれをスペインの破壊工作だと主張、戦争を始めたのだ。その戦争で勝利したアメリカはフィリピンも手に入れることに成功、中国を侵略する橋頭堡にしている。

1900年の大統領選挙で再選されたウイリアム・マッキンリーが翌年に暗殺され、副大統領のセオドア・ルーズベルトが跡を継ぐ。その新大統領は「棍棒外交」を展開し、ベネズエラ、ドミニカ、キューバを次々と「保護国化」していった。こうした巨大資本の利権をまもるために海兵隊が使われている。

第2次世界大戦後、民主化の波がラテン・アメリカへも押し寄せるが、それをアメリカはクーデターなどで潰していく。例えば、1954年のグアテマラ、64年のボリビア、ブラジル、71年のボリビア、73年のチリなどだ。そして現在、自立の波を潰すため、ブラジル、アルゼンチン、ベネズエラなどでクーデターを進めている。
 
 
 
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