海鳴りの島から

沖縄・ヤンバルより…目取真俊

大浦湾を渡り、アオサンゴの群落を眺める。

2014-10-28 17:48:36 | 米軍・自衛隊・基地問題

 28日は3チームを組んでカヌーの練習を行った。海上に一部残ったフロート付近を通って辺野古崎まで行き、そこで全体が再度集まってから長島の間を抜け、大浦湾に出た。

 辺野古の浜から米軍フェンス越しに、バックホーとクレーン車を使ってフロートを10トンダンプカーに積み込んでいるのが見えた。前日、整然と浜に並べられたフロートを作業員たちが点検していて、再設置の準備をしているのかと思ったが、陸揚げして別の場所に保管したようだ。この付近の浅場での海底ボーリング調査は終わっているので、大浦湾側で使用するために移動した可能性もある。

 明後日30日は沖縄県知事選挙の告示日だ。選挙が近づけば近づくほど、海上での作業を強行するのは難しくなる。8~9月のように海上保安庁の暴力的弾圧に頼れば、抗議行動と衝突して新基地建設問題が県民の注目を引く。海保の暴力で怪我人が出れば、埋め立てを容認した仲井真知事の責任も問われる。日本政府・防衛省・沖縄防衛局は、海底ボーリング調査を進めたくても進められない状況に陥っている。

 そういう状況を作りだしたのは、海と陸で取り組まれてきた抗議行動である。政府・防衛省や海上保安庁の恫喝に屈せず、勇気をふるってフロートを突破し、スパッド台船に迫っていった行動が、海底ボーリング調査を強行する安倍政権の強権性、暴力性、県民意思を踏みにじる差別性を浮き彫りにした。

 そのために続けて大浦湾の深場で海底ボーリング調査を進めることがやりづらくなり、台風18・19号の襲来を招いた。8~9月に体を張って抗議していなければ、今頃は大浦湾の深場に大型のスパッド台船が設置されていただろう。

 このまま11月16日の県知事選挙まで海上での作業が止まれば、11月30日までに海底ボーリング調査を終えることはとてもできない。いや、すでに調査期間を延長せざるを得ない状況となっているだろう。大型スパッド台船の設置を許さないために、大浦湾の動向やフロートの作業を注視しつつ、海上での行動が続く。

 長島の間を抜けたあと、28日はカヌチャベイリゾートの方を目ざして漕ぎ、大浦湾を北に渡った。バディとチームで互いの位置、状態を確認しながら、うねりがある海を全員が無事に漕ぎきった。

 ラブ子号の船長の案内で、アオサンゴの群落を見せてもらった。箱メガネでのぞいただけだが、海底に壁となって広がる見事な群落に、みんな見入っていた。辺野古崎を埋め立てて巨大な基地を造れば、潮流の変化でこのサンゴも打撃を受けるのは間違いない。

 カヌーから安物のカメラを海面に入れて撮った写真では素晴らしさが伝わらないが、インターネット上には見事な映像・写真がたくさんあるので見てほしい。このちゅら海を守りましょう。

https://www.youtube.com/watch?v=tTQs335k9-g

https://www.youtube.com/watch?v=Pqa0I1dDN7g

 帰りはラブ子号で辺野古の浜まで曳航してもらった。途中、1艇のカヌーが横波を受けて転覆した。すぐに最後尾のメンバーが救出し、無事に浜に戻った。曳航中の転覆に対しては常に注意し、すぐに対応できるようにしている。カヌーに乗るときは曳航中も気を抜かず、波の動きやカヌーの状態に気を遣い、浜にカヌーを上げるまで緊張感を保つ必要がある。

 昼食は支援の皆さんが手作りの弁当を差し入れしてくれた。みんなでご馳走になりました。有り難うございました。

 先週からキャンプ・シュワブ・ゲート前で、アスベストを使用した施設の解体工事に対する抗議行動が取り組まれている。明日29日(水)はその節目となる行動が予定されている。多くの皆さんの参加を呼びかけたい。

 


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