「ことしは椿さんが早いけん、ぬくなるんが早いなあ。」「ほうよ。椿さんごろが、一番さぶいわい。」
毎年この季節になると、愛媛ではこんな会話が繰り返されています。椿さんと親しみをこめて呼ばれているのは、伊豫豆比古命神社、通称椿神社の春祭りです。毎年旧暦1月7日~9日に行われ、500メートルほどの参道は屋台と人で埋まり、周りの幹線道路は大渋滞です。椿神社は4柱の神様を御まつりしていますが、その一柱が愛比売命(えひめのみこと)。そうです!愛媛という名は神様の名前だったのです。椿さんは春を呼ぶ祭りと伝えられ、寒い冬を「椿さんがすんだら春がくるけん。」と、乗り切る愛媛の人たち。素敵なところでしょ?ジモティじゃない私だから見える愛媛の良さを、ボチボチ紹介していきたいなあと思っています。
今年の椿さんは今日からなんですが、本当に寒波がやってきて、雪まで降る始末。老いも若きもみーんな口を揃えていっています。「やっぱり椿さんごろが一番さぶいなあ。」「椿さんすんだらぬくなるけん、もぉちいとの辛抱じゃ。」
誘われてやってきたら、方言の会話があって、いい感じだなぁと思って読んでいたら、なんとそれは愛媛の言葉だそうで....。
母方の祖父の故郷は愛媛の八幡浜だと聞いて育ちました。
祖父は母が小学生のときに亡くなったので、私は写真の中の姿しか知りません。
お父さん子だった母は死ぬまで父親のことを懐かしんでおり、一度八幡浜を訪れたいと望みながら叶わずに亡くなりました。
昔、祖父や曾祖母たちはこういう言葉で話していたのね......と、感慨深いものがあります。
先ほど「やわたはま」と打って変換したら、ちゃんと「八幡浜」と出てきましたよ。
母の代わりに一度は訪れてみたいと思っています。
念願叶ったら、そのときはぜひお会いしたいですね。