萌えと感動の日々

ド田舎でオタクな日々を過ごす究極のヒッキー。腐女子歴25年。BLが「耽美系」と言われていた頃からの筋金入り。

間の楔

2008-07-31 14:08:16 | 読書
『間の楔』って知ってますか?

かつて「小june」でブームを巻き起こした作品です。
多分20年近く前です。
作者はまたも吉原理恵子。先日の『幼馴染み』の作者でもあります。
『幼馴染み』は日常のお話、対する『間の楔』は近未来ものというかSFです。

ストーリーを激しくはしょって説明します。
(多分別世界)の未来。
ブロンディと呼ばれる超エリートであるイアソンが、色々あって雑種であるリキをペットとして飼うことに。
この『ペット』とは大体観賞用なのですが、イアソンはセックスをその体に教え込みます。
もちろん反抗するリキ。脱走したりなんやりかんやりをしつつ、幼馴染みの元へ行ったり。
この幼馴染みがリキのことを好きなんですね。
なのでイアソンと激しくリキを取り合うわけですよ。
そして怒涛のクライマックスへ…。

うわあ。
はしょりすぎですね。
全然良い部分が描けてません。


この作品の何がスゴイって、BL系ドラマCDの先駆けであったことと、その後発売されたオリジナルビデオアニメ(OVA)のクオリティの高さでしょう。

恩田尚之デザインのキャラクターが息を呑むほど美しいです。
そして、かなり力が入っていたんだろうな…通販ONLYとは思えないほど、セルを使っています。
そして声!
ブロンディであるイアソンの声は、塩沢兼人。
囁くようにリキに語りかける声が、尾骶骨まで響きました。
塩沢さんの訃報を聞いたとき、どんなに悲しかったか…。
言い方は変ですが、あの美声が更新されることは二度とないのだ…と涙したものです。
発売されたのは、『間の楔』『間の楔 完結編』の二本。
どちらも原作の世界観を壊すことなく、いや、原作をさらに昇華させたほどです。
私の主観ですが。

このOVA、最初に観たのは友人の家ででした。
当時の私にはかなり高いお値段でしたし、OVAを買うことになぜか抵抗があったのです。
で、友人宅にOVAが届いたと同時に鑑賞会スタート。

………

見終わった後、沈黙。
二人とも黙ってベランダに出て、黙ってタバコを一本吸いきりました。
そして一言、
「…すごかった…」

翌日私は、当時四谷にあった『サン出版』にレッツラゴー!
注文してくるまでの時間が待てず、直接出版社まで買いに行ったのでした。
あの編集部のお姉さんのビックリした顔が、いまだに忘れられません。
あ、もちろん事前にTELをして、迷惑でないか&在庫の確認はしましたよ。
最後の理性ですね。


おお、今『間の楔』で検索したところ、DVDとなって販売しているのですね。
しかも今年に入ってリメイクのCDが発売されたよう。
名作は流行り廃れ関係なく、時代を超えて残っていくのですね。

しかし、イアソンの声は、塩沢兼人さんしか有り得ません…。