外科医 アンチエイジングに目覚める!?

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思い出のサンダーソニア

2014-01-05 23:42:12 | ひとりごと 医療系
久しぶりに湯船タップリのお風呂に浸かった。

あぁ、やっぱり自宅の風呂は寛ぐなぁと思うと、

今日午前2時に救急搬入されてきた老齢の女性の事を思い出した。


前日の13時半頃に、施設から居なくなったことが判明して

家族から捜索願が出されていたそうな。


今日の午前1時半頃、

タクシー運転手さんが四つ這いでいる人影を見付け救急車を呼んだ。

顔面から血だらけの女性は、

どうやら道路から川の堤防を滑落したらしい。


搬入された女性、意識はしっかりしている。

数cmの裂創は洗浄ののちステープラー縫合。

頭部CTと痛む箇所のレントゲン撮影。


骨折なく、頭蓋内の出血もこの時点では認めなかった。

しかも、

明らかな脳の委縮さえ認められなかった80手前の女性であった。


そんな事を思っていると、

不意に、『サンダーソニア』 という花の名前が頭に閃いた。


あぁ、その花の名前は、もう20有余年前に

ある女性の患者さんの部屋で、訊ねて教えて貰ったのだった。


60歳半ばの彼女は、確か乳がんの肝転移だった。


私は彼女の主治医ではなく、

その病院の外科のシステムとして

主治医が不在の時の回診が決められていて、

その時たまたま目にした鉢植えの花が気に掛かったのだった。

ツリガネソウかと思ったけれど、その花の色は橙色に近い黄色だった。


二言、三言言葉を交わすだけで浮かび上がってくる彼女の知性。


次の週の回診の時に訊ねて、

それが「サンダーソニア」だと教えて貰った。


主治医でない私は、お礼に彼女に

「笑いの効能」という小冊子を手渡した。

ノーマン・カズンズが唱道した「免疫系に与える笑いの効果」が

彼女にも、もたらされることを私は蔭ながら切に願った。


しばしの平安な日々が過ぎたのち、別れは唐突に訪れた。


非番の土日が明けた月曜日。

彼女の居た病室には、サンダーソニアの姿も消え去っていた。






花言葉は 「愛嬌」「祈り」「共感」など。



花の名が 一期一会の 縁かな 


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