このグラフは東京大学 高齢社会総合研究機構の
秋山弘子教授らが1987~2006年にわたって
追跡調査した結果を簡略に示したものです。
縦軸は機能的健康度をスコア化した得点で、
ADL IADLともに自立・・・・・3点
IADLが要支援・・・・・・・・・・・2点
ADL IADLともに要支援・・・1点
死亡・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0点
となっています。
単なる数字上の長寿者の男女比は
圧倒的に女性が多いのは周知の事実です。
しかし、この追跡研究結果を見れば
日常生活機能の質という観点からは
長寿女性の喜べない現実が明らかです。
男性の場合、90歳手前の約11%で
日常生活機能の自立がほぼ保たれているのに対して
女性の場合、全例がスコア1以下です。
自立した生活機能の伴った長寿でありたいものです。
前回の記事:健康な長寿は女性?男性?
100歳以上が4万人超の現実とは・・・
創立2周年記念、AGE Readerによる皮膚AGEs測定の実際は こちらから
当ブログの重要点『抗糖化』等に関してはこちらにまとめてあります。
なお、図表および内容の引用は固くお断りいたします。
IADLの保持は男性が高く、女性が低いのは骨粗鬆症が原因でしょうか?
腰・膝の故障を訴える女性はこちらでも多いものですから・・。
本当に意思表示が何も出来ないまま 表情も変える事なく何年もベットにつながれている方々。けれど家族の気持ちは「生きていて欲しい」・・・。
自宅でも介護は困難で、もし自宅で引き取り、介護を続けて下さいとなったら、どうされる?
果たして??と疑問が湧いてしまう私達の今の現場です。多くの施設だけではなく中堅の病院でも引き取れない(施設・自宅でも)方々を持っています。
かと言ってそんな現実を、誰が望んだでしょうか?
一生懸命生きた人生の最後がこんな形でしか終われない人の多い事!!に、多くの問題を感じます。
なんと、大正解です! 女性のADL・IADLが低い原因は、骨粗鬆症が大きく関わります!
この研究をされた秋山先生は、「女性では足腰が弱ること」がADL低下の主たる原因と指摘されておられましたが、その大きな原因は骨粗鬆症ですねぇ。
当ブログでも1年チョット前に、【継続は力なり・・・もっと骨粗鬆症に注意を】と注意を喚起するために書いておいたのですが、その時にはまだ秋山先生の研究は知りませんでした。
さて、今の医療現場、とりわけ高齢者の入院に関わる現場では、ほんとうに切ない思いをさせられますよね。
「一生懸命生きた人生の最後がこんな形でしか終われない人の多い事!!」と紅梅さんの仰るとおりです。
誰にでも必ず訪れる人生の最後ですが、今の現実は到底受け入れられるものではないです。あのベッド上に自分がいる光景は、ご免こうむりたい! だからこそ、予防に力を入れたいと思うのです。
またご意見、よろしくお願い致します。