平井和正先生に捧ぐ〜財部剣人の館「マーメイド クロニクルズ第一部 神々がダイスを振る刻」幻冬舎より出版中「第二部 」完結

(旧:アヴァンの物語の館)ギリシア神話的な世界観で人魚のナオミとヴァンパイアのマクミラが戦うバトルファンタジー

マーメイド クロニクルズ 第二部 第10章−3 軍師アストロラーベの策略(再編集版)

2017-02-24 00:00:45 | 私が作家・芸術家・芸人
「そうだ、アポロノミカン! 私たちの最後の希望よ」
 ドルガが、怒りをあらわにする「最後の希望か。どこまでおろかなのだ。人間どもを救うことが出来るなど、どこをどう見れば、あやつらが生き残る材料があるというのだ? 天は汚れ、海は穢れ、地中は汚染され、宇宙空間にさえ争いを持ち込もうとする者どもに。自然界の動植物の怨嗟の声が、聞こえぬか? 自らは数限りない獣と同胞さえ殺しておきながら、自分たちに対して危害を加えることはいっさい許さぬ。そんな都合のよい理屈が通ると思っているのか? 最後の希望だと? この闘いで、お主たちの希望など根こそぎ奪ってくれるわ」
「悪魔姫、それでこそお主らしい」アストロラーベが、誘いをかける。「だが、誇り高いお主のことだ。せっかく用意した決戦の舞台ミラージュで最高のカーニヴァルを始めようではないか」
「望むところじゃが、カーニヴァルとはどういうことじゃ?」

 人間界に来て以来、調子の出ていなかったアストロラーベが、軍師としての真骨頂をだんだん発揮しているように見えた。だが、実は本人は必死だった。アストロラーベは話し出した。
「ここの回廊には四つのドアが用意されている。それぞれは水が渦巻く部屋、虹が流れる部屋、土煙があふれる部屋、嵐が吹き荒れる部屋へつながっておる。我らが陣営とそちらの陣営からの代表戦と行こうではないか。こちらからは、水が渦巻く部屋には、ナオミを送らせてもらおう。虹が流れる部屋には、スカルラーベ将軍を送らせてもらう。土煙があふれる部屋には、このアストロラーベ自身を送らせてもらう。嵐が吹きあれる部屋にはダニエルを送らせてもらう。お主たちも、代表を送り込むがよい。マクミラを代表にしないには理由がある。それぞれの部屋でお主たちの代表が勝利したならば、望むものは何でも貢ぎ物として捧げよう。マクミラも、その貢ぎ物の一つだ。その代わりに、もしもお主たちが敗者となったならば、我らが軍門に下るというのはどうだ? 代表者以外の者も、立会人として各部屋に入れるだけでなく、一度だけなら闘いに助太刀として入れることとする。だから、マクミラも助太刀には入る」
 ドルガが、リギスに尋ねる。「どうじゃ、お主の意見は?」
「いったん決闘を持ちかけられては、たとえ堕天使であっても我々神の血筋を引くものには拒むことは、かなわぬことでありんす。我らの実力なら、精神世界の闘いで後れを取るとは考えらないでありんす。それに、相手が四つの勝負に我らが望むものを捧げるというのなら、願ってもないでありんす」
「リギスよ。それで、我らは何を望む?」
「はい、第一の闘いに勝利したならば、アポロノミカンを所望するでありんす。次の闘いに、勝利したならば、ミスティラを所望するでありんす。第三の闘いに勝利したならば、マクミラの命を所望するでありんす。最後の闘いに勝利したならば、我らに自由を所望するというのはいかがでありんすか?」
「第一と第三、最後の闘いの勝利の暁の貢ぎ物は、それでよいであろう。だが、第二の闘いの勝利の見返りがミスティラとはどういう意味じゃ? 役立たずの妹などよりも、アストロラーベを我が陣営に取り込んではどうなのじゃ?」
「その答えは、冥界の貴公子の顔をご覧になるでありんす」


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