平井和正先生に捧ぐ〜財部剣人の館「マーメイド クロニクルズ第一部 神々がダイスを振る刻」幻冬舎より出版中「第二部 」完結

(旧:アヴァンの物語の館)ギリシア神話的な世界観で人魚のナオミとヴァンパイアのマクミラが戦うバトルファンタジー

マーメイド クロニクルズ 第二部 最終章−1 魔神スネール再臨(再編集版)

2017-03-21 00:00:05 | 私が作家・芸術家・芸人
     

「ドルガねえちゃん、何するんだ? アポロノミカンは、魔人をつかまえるためにボクが持ってきたんじゃないか」
「スネール様は、降臨する前にマクミラに魂を奪われていた。アポロノミカンを見せて、新魔人として生まれ変わっていただくのだ」
「ま、待つんだ! アポロノミカンを人間以外のものが見せたことはまだない。何が起こるかは、誰にもわからないんだよ」
「さかさまジョージ、お前らしくもない。何が起こるかわからないからこそ、やってみるべきではないか?」
 ウッ、さかさまジョージがうなった。
 ドルガの鋭い爪が特殊ガラスケースを砕く。

 だが次の瞬間、アポロノミカンが圧倒的思念で語りかけてきた。
(死の神の娘よ、今、儂とお主だけは異なった時間帯にいる。ちょっと話をしようではないか?)
 夏海と合体したドルガが、声に出して答える。「何ごとだ? 『神導書』は『悪魔姫』に力を貸すのは不満か? 我が望みは、スネール様と共に世界を再構築することじゃ。やり方が気に入らないならば、はっきり言うがよい。そうでなければ、だまっているがよい」
(アスクレピオスが作った儂も、しょせんは「歴史」のパワーの一部にすぎん。それにお主がここで儂を開くのも、すでに予言されていること)
「それなら何の文句がある?」
(文句などはない。儂はこれまで予言するだけの存在だったし、これからもそれ以上でもそれ以下でもない。ある種の人間どもは、儂を手に入れることで何かを変えられると勘違いしていた。もし儂を狙って手に入れられたのならば、運命がそうなっていただけ)
「年寄りの話はまわりくどくてかなわん。何が言いたい?」
(たしかに、まわりくどかったな。儂はどうやら、神々のゲームに踊らされるお主たちが好きになったようだ。といって、何かをしてやることはできない。儂にできるのは、心構えを伝えることだけじゃ)
「心構え?」
(お主が取り付いた夏海の心をのぞいてみろ。チョイス・イズ・トラジックというメッセージが見つかるはずじゃ)
「チョイス・イズ・トラジック?」
(『悪魔姫』と呼ばれて気ままに暴れ回っていた時のお主と、人間に取り付いた今では立場が変わってしまったのじゃ。人間は、神々のように気まぐれには生きられぬ存在じゃ。人間は、自らの行動を選択する自由を持っている。だが、一度選択をしたら、その選択には責任を持たなければならぬぞ)
「上等よ!」
 次の瞬間、ドルガは元の時間帯に戻っていた。


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