財部剣人の館『マーメイド クロニクルズ』幻冬舎より「第一部 神々がダイスを振る刻」出版中 「第二部 神官マクミラ篇」完結

(旧名称:アヴァンの物語の館)ギリシア・ローマ神話の世界観で人魚ナオミとヴァンパイアのマクミラがゲームを戦うファンタジー

マーメイド クロニクルズ 第二部 第10章−9 最悪の組み合わせ?(再編集版)

2017-03-02 00:00:17 | 私が作家・芸術家・芸人
 氷天使に対してマーメイド?
 普通に考えれば、最悪の組み合わせに近い。
 フロストキネシスによって水が凍らされてしまえば、マーメイドにとっては陸地で闘っているも同じ。実際、ここまでの闘いを見る限り、ナオミは苦戦している。
 ここは冥界最強の炎使いスカルラーベを当てるか、あるいはアストロラーベが軍師役に専念するならば、弱いとはいえサラマンダーの女王の血を引くマクミラでもよい。なんにしても、ここはパイロキネシスを持つものを当てるべきであった。しかし、四人の魔女相手のシミュレーションをしている時でも、アストロラーベは対戦相手の組み合わせは何も漏らしてはくれなかった。
 それでも、マクミラには確信があった。
 必ず軍師には、深い考えがあるはずだ。
 ここまでは、アポロノミカンの予言通りになっている。

 ・・・・・・清らかなる魂と
 邪なる魂が出会う
 百年に一度のブリザードの吹き荒れるクリスマスの夜
 四人の魔女と神官の闘いが幕を開ける時
 血しぶきの海に獅子が立ち上がり
 マーメイドの命を救う・・・・・・

 見守っていたケネスだったが、もういても立ってもいられなかった。
 クソッ、蟷螂の斧かも知れないが、飛び出して行くか?
 その時、身体の内部からケネスだけに聞こえる声が話しかけてきた。
(ケネス殿、しぶきを上げることはできもうすか?)
(お前は、ずっと俺の背中にいたナオミの父親だな)精神感応能力のないはずのケネスが、返事をした。
(我が名は、シンガパウム。しぶきさえあれば降臨し、氷天使とまみえることが叶いまする。だが、氷の世界のままでは・・・・・・呼び水が必要なのでござる)
(しぶきがあればいいんだな?)念を押すと、ケネスは氷上に飛び出した。
「ナオミ、絶対負けるなよ!」次の瞬間、ケネスは自らの心臓に抜き手を突き刺すと、ひっかくように血管を引き裂いた。
 あざやかな血しぶきが、一気に数メートルも立ち上がった。
 その血しぶきの中から、ケネスの背中のタトゥーから抜け出したシンガパウムが立ち上がった。
(ケネス殿、かたじけない)
(礼にはおよばないぜ。俺たちの娘を、ナオミを早く助けてやってくれ)大量出血に、薄れ行く意識の中からケネスが伝える。

 足から腰、腰から腹、腹から胸へだんだんと身体が凍りついて、ナオミも意識が薄れつつあった。最初は激痛だったのが、血の巡りがなくなってきたのか、眠くなってきた。
 その時、目の前になつかしい姿がぼんやりと見えた。
 シンガパウム様・・・・・・でも、こんなところにいるハズがない。
 夢かしら? 私、このまま死ぬのかな?


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