オータムリーフの部屋

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ラストベルトの復活は単なる選挙対策?

2017-02-12 | 政治
トランプ大統領は、ラストベルトの労働者に支持された。製造業の衰退とともに、時代についていけない白人労働者の転落があり、その人たちにとってはトランプは救世主のように見える。
ラストベルトの典型は、クリーブランド、ピッツバーグ、デトロイトなどだが、本当に今も衰退し続け、再生の息吹も感じられないのか?どうやらそうではないようなのだ。
クリーブランドは、ミネソタ産の鉄鉱石と、アパラチア産の石炭が積み下ろされる地で、鉄鋼産業や自動車産業が発達した。1920年には人口が約80万人となり、全米第5の都市になったが、60年代以降、重工業は衰退し、市も貧しくなった。市は衰退の一途をたどり、「アメリカで最も惨めな都市」とされた。確かにさびついてしまったのだが、現在は違う。都心部は、人口が同程度の日本の地方都市より洗練され、住宅地は、超高級住宅地だ。もちろん、荒廃した地域はあるが、環境のよい住宅地が広がっているのだ。クリーブランドで、製造業に代わって、金融、保険、医療産業など、高度なサービス業が発展したのだ。クリーブランドは、もともと医療産業が強かったので有力な医療機関が集まり、医療機器やヘルスケア産業関連の企業が多数集積し、医療産業都市を形成している。
ピッツバーグは、アンドリュー・カーネギーが近郊に鉄工所を創設し、鋼の生産が始まった。1901年には、他の鉄鋼2社と統合され、アメリカ最大の鉄鋼会社USスチールが設立され、同市に本社が置かれた。10年代には、全米で生産される鉄鋼の3分の1から2分の1がピッツバーグで生産された。しかし、70年代から80年代に、鉄鋼業は衰退した。工場は相次いで閉鎖に追い込まれ、町には大量の失業者が溢れた。製鉄工場の廃墟と公害が残り、アメリカで最も住みにくい都市の一つに転落した。しかし、ピッツバークも蘇っている。ピッツバークは、ハイテク産業をはじめ、保健、教育、金融を中心とした産業構造に転換し、健康医療産業の成長が著しい。同市は、全米2位の医療研究都市となり、世界中から企業や民間研究機関がピッツバーグに集まり、巨大な医療産業が形成された。鉄鋼工場の廃墟が医療施設群にとって代わったことから、ピッツバーグはいまでは全米で最も住みやすい都市になった。
 
アメリカは、ダメになってしまったわけではない。「グローバル化によって痛めつけられた白人層がトランプを支持した」と言われ、そうした人たちがいることは、事実だ。しかし、それがアメリカの平均かと言えば、決してそうではない。ラストベルトですら、全体としては目覚ましく復活している。しかし、アメリカの復活は、製造業の復活によってもたらされたものではない。新しい産業が生まれることで実現した。ラストベルトの場合は、医療産業であった。トランプ大統領はそれを理解してないのか、理解しながらも白人貧困層の支持を取り付けるために、1980年代までの主要産業であった製造業を復活させようとしているのか。
 
メイドインチャイナの製品であふれかえっているアメリカの市場でメイドインUSAの勝ち目はない。トランプブランドでさえ、メイドインチャイナなのだから、滑稽極まりない。中国の製品に高額の関税をかければ、困るのはトランプ支持層を含む貧困層である。当たり前のことだが、いつまでも滅びゆく産業に固執しないで、新しい産業を勃興し、そこで働く労働者を育成していくのが国の役割である。政策からこぼれ落ちた国民のセ-フティネットを厚くし、所得の再分配をして、消費(需要)を増やすのが国の役割である。独裁者の指先一つで国の産業構造が変わるはずがないのだ。
 
 
米国の国産車販売台数トップ10を日本勢が独占!
米国の自動車情報サイトCars.comは毎年自動車部品の国産化率75%以上で生産された国産自動車販売数TOP10のランキングを発表する。去年に引き続き今年もフォードのF150 がトップを独占! 2位は去年と同じく北米トヨタのカムリがランクイン、だが今年のTOP10ランキングには変化が見られた。なんと10台中7台が日本のメーカーによって独占された。今まで3年程ランクインしていたGM社が生産している3大クロスオーバー(Buick Enclave, Chevrolet Traverse, GMC Acadia)の部品の国産化率が75%を下回ってしまったのだ。
他にも去年の純国産率リスト(AMI)3位にランクインしていたDodge Avengerがランキングから消えた。その理由としては生産終了となり、後継車がいまだ発表されていないからだそうだ。
ちなみに米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)によると現在米国で販売中の車種の中で国産化率75%を達成したのはわずか13台のみと発表された。だが見事達成した13台中Dodge Avengerを含め3台が生産終了などによりリスト不適格とみなされた。
米国産販売ランキング TOP 10
 
フォード F-150 (生産工場ミシガン州ディアボーン;ミズーリ州クレイコモ)
トヨタ カムリ(ケンタッキー州ジョージタウン;インディアナ州ラファイエット)
ホンダ オデッセイ(アラバマ州リンカーン)
トヨタ シエナ(インディアナ州プリンストン)
トヨタ タンドラ(テキサス州サンアントニオ)
トヨタ アバロン(ケンタッキー州ジョージタウン)
シボレー コルベットスティングレー(ケンタッキー州ボーリングタウン)
ホンダ リッジライン(アラバマ州リンカーン)
ホンダ クロスツアー(オハイオ州イーストリバティ)
ダッジ バイパー(ミシガン州デトロイト)
 
「アメリカ国産指数」というのは米国産のパーツ使用率、生産場所、販売台数の3要素で決定される。従って、アメリカで生産され、かつ販売台数も大きい自動車が、「国産車」と定義されることになる。
 
 
トヨタとホンダの車がアメリカ国産車ランキングのトップ10車種中、7車種を占める。トランプが何か言ったら、アメリカから撤退すると脅してもいい状況ではないか?
 
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