英語できないじいさんの南オーストラリア旅行

南オーストラリアは日本人になじみの薄い地域ですが、シドニー等東部と違って本当の姿を体験できる地域です。

一八〇〇万オーストラリア人口の二%がアボリジニ

2009-05-13 19:35:33 | Weblog
先住民というとボクの悪いクセで、腰にワラなどを巻いた裸の人を想像するが、実際にはアボリジニはボクたちと同じように背広、ズボン、皮の靴で暮らしている。顔をよくよく見て初めてアボリジニと解る程度に同化している人が非常に多い。アデレードに行くと大勢逢える。人によっては、混血がすすんで純粋のアボリジニはいまや、ほとんど存在しないのではないかと言う。
トムさんの話を聞きながら、シドニーの博物館で見たかずかずのアボリジニの絵画を思いだしていた。とくに強烈だったのが、征服者の言うことを聞かなかったあるアボリジニが両手両足を縄で四頭の馬がつながれ、四つに引き裂かれようとしている絵だった。
このような絵を保存、一般展示しているオーストラリア政府も太っ腹ですごいと思ったが、・・・。

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人さらい

2009-05-11 20:01:31 | Weblog
木立を避けながらブッシュを歩くトムさんは「一七世紀に白人がやってきて、先住民のアボリジニを銃で追いだして土地を奪った」と、そんな歴史を熱っぽく語り続ける。「子ども狩り」(白人とアボリジニの混血の子どものことらしい)でアボリジニの小さな子どもたちをイギリス人がさらっていき、施設に監禁し無理やりキリスト教と英語で洗脳するという厳しい植民地政策のことを語った。トムさん自身もさらわれそうになったが、運良く逃げることができて捕まらずにすんだとか、・・・・・・・。(ボクは似たような映画を昔見たことがある。確か「裸足の一五〇〇〇マイル」)

アボリジニがこの地でどんな住まいに住み、どんな暮らしをしていたかもたくさん聞いた。
草、木、木の実、草の実、などが常食だったという。そのすべてが食べものであると同時に健康にいい薬草でもあるようで、これは肝臓に、これは虫刺されに・・・などと詳しく説明してくれた。足下は夏の熱い砂、そして枯れた草。ところどころにカンガルーの糞や足跡、蛇が通った跡も。毒蛇が多いという。蝿もたくさんいた。そのために、顔のネットも買ってはきたが、ボクたちはかぶらなかった。湿気がないために水分がある目の周辺と鼻、口元に集まる。その蝿を手でたえず追い払いながらトムさんの話に熱中。ここでそんなものをかぶるのがなんとなく失礼になるのではないかと思ってしまったからだ。

トムさんの息子さんは町で泥棒の嫌疑をかけられ、裁判中だという。日本でいうと軽犯罪法違反程度らしい。今日はちょうど法廷が開かれる日だといって、トムさんのかわりにおくさんがアデレードの裁判所へ出かけたという。弁護士を雇う費用がないので、夫婦で弁護をしているといっていた。

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アボリジニの指導者・トムさん

2009-05-07 21:04:19 | Weblog
到着が午後だったので、さっそく、アボリジニの敷物つくりをさせてもらうことになった。近くにたくさん生えている草が材料。乾してあった草の茎を水で濡らし編みやすいように柔らかくしてもってきてくれた。トムさんの奥さんが手ほどき。鍋敷きのような簡単なものを教えてもらった。
翌日はだんなさんのトムさんが来て昔のアボリジニの暮らしや土地の案内をしてくれるという。
ブッシュは住まいのすぐ近くだ。というよりも周辺にはアボリジニの数家族が暮らしているだけで、あたりは一面の広野。建物は一切見えない。枯葉の草原、小高い丘、それにまばらな低木のブッシュだけだ。ここ以外、三六〇度建造物はいっさい見えない。まさに大平原だ。
開拓初期のゴールドラッシュの頃の遺跡(チャイナマン・ウエルという中国人が掘った井戸、中国人の食堂、電信局など)も見た。いずれもブッシュ(といっても三ー四メートルの低木がまばらにあるだけ)の中で、「ここになになにがありました」というだけの簡単説明の小さな木製の看板は入り口近くの道端に一枚だけ。その看板にかいてある地図を頭に入れて、あとは勘でその場所を探すしかない。それらしきもののそばへ行って「これかも」と判断する以外にない。建物はなく、その場所には目印もないので、トムさんから「ここだ」といわれれば、「はいそうですか」と返事する以外にない。砂と草と低木だけのでこぼこの砂地帯だからだ。形ある観光物に馴れてしまっているボクには、「なーんだ、タダの砂地じゃないか。あたりは草だらけだし」という感じだ。だが、トムさんは情熱的な説明を続けた。京子さんも一生懸命に日本語にしてくれる。トムさんのなにかを伝えたいという情念が伝わってくるのだ。
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アボリジニのコロニーへ

2009-05-05 20:14:11 | Weblog
巨大なアレクサンダー湖のあちこちには、野生のペリカンが浮かんでいた。近くでも見ることができたが、あまりにも大きい鳥なのでびっくり。湖のほとりに立ててあった説明文と絵をみると、すごく大きいことがわかる。そして泳ぎが早い。口の形は写真と同じで下に大きく膨らんでいた。思わず絵本の写真と同じだ!!なんてバカな歓声をあげてしまった。

予め連絡はしておいたので、われわれが到着すると、「遠い日本から、このコロン(アボリジニの人たちはクーロンではなくてこう呼ぶ)に、ほんとうによく来てくれました」と顔をくしゃくしゃにして満面の絵顔での大歓迎にうれしくなってしまった。
宿泊者用のバンガローに案内された。日本でいうと二五坪程度の普通の昔の建て売り住宅風。どこもすごくきれい。エアコン、プロパンのガス台、ベット、水洗便所、水道完備、きれいなシャワー室、全自動電気洗濯機、明るい電球、虫が入らないようにすべての窓にネット、ドアの鍵もばっちり。アボリジニキャンプ!!という言葉だけで、テントを張って、外で料理して、などと想像していたので、虫に弱いボクはこれで一安心。二泊三日間借りて四五ドル。
宿泊の受付などをする管理棟のほかに、キャンプができるバンガローが二棟と実際にアボリジニの人たちが暮らしている住宅が五-六棟。管理棟の責任者はアボリジニのトムさんとその家族だとのこと。
部屋に入って、自分たちでお湯をわかして飲みはじめると、管理人・トムさんのおくさんが来て、いろいろと説明。京子さんの通訳によれば、アボリジニの草編み遊びと彼女のご主人・トムさんが現地(ブッシュ)案内をしてくれることになっているとのこと。

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橋は環境破壊

2009-05-02 19:26:30 | Weblog
もうすぐアレクサンダー湖が見えるという地点で、川にぶつかった。それは船下り観光船(ホラダイズの時)で来たことがあるマレー川だった。橋がかかっていない。車から降りて川べりに行くと、そこは橋のかわりに小さなフェリーが往復していた。川幅は五〇〜六〇メートルしかないのに、小さなフェリーが両岸から巻き上げ式のワイヤーでつながれていて車を数台載せては向こう岸へ、またこっちの岸へという仕組みになっているではないか。ボクたちの車の前にはおおきなトレーラートラックも大型バスも並んでいた。
「こんなところなら、経費もそれほどかからないと思うのに、なんで橋かけないの?」
「オーストラリア人は橋は環境破壊だと認識してるみたいよ。橋を架けるなんて計画を発表したら、猛烈な反対運動が起こるというお国柄なの」と京子さん。
日本人の感覚とは環境問題への考え方がぜんぜん違うという。
順番がきて、十数分の待ち時間で乗れた。車から降りて、川水に手をつっこんだりして川の流れを楽しむことができ、五分足らずの航行だったが楽しい船旅でもあった。日本だったら手すりとか柵などが船の周囲にはりめぐらされているだろう。だがこの船にはそんなものは一切ない。手を水に入れてもぜんぜん注意されない。これもオーストラリア流だと京子さんは説明してくれた。
日本のテレビで、かつてこれに近いものを視聴したことがあるが、それはトラクター一台程度の小さいもの。「引き船」という名前で紹介されていたが。
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アボリジニの人たちと話しができた!!

2009-04-30 17:50:27 | Weblog
アボリジニの人たちに会うためにクーロンへ、巨大なペリカンがたくさん海に浮いていた

「日本野鳥の会」がツアーで時々やってくるという野鳥の宝庫・クーロン・ナショナルパークへアボリジニが管理しているというキャンプクーロンへ行った。日本でも有名な美しいアレクサンダー湖(汽水)とサザンオーシャンに挟まれた細長い陸地は言語にいい尽くせぬ絶景だ。地図を見ると天橋立のようでもあり、人工物を取り払った弓ヶ浜のようでもある。だが規模、スケールは比べ物にならないほど広大で雄大。前章に登場したグールワのすこし南東側に位置する。
アボリジニの人たちと会話をしたいと思い、車の運転・観光案内・通訳として現地で活躍している片山京子さんに同行してもらった。パンフレットには「Race Relations and Cultural Education Centre」とあったので、アボリジニと白人などの人種問題とか、アボリジニの文化などの話しも聞けると思ったからだ。
クーロンへの途中では羊や牛の牧場、地平線の彼方まで続くような長い道、ブッシュ、小麦の収穫跡、水が干上がって白くなってしまったソルトレイク、ビンヤードというワイン用のブドウ畑、立ち寄って試飲ができる農家のワイン売店(ワインしかないが日本の道の駅みたいになっている)がたくさんあった。一般民家はほとんどない。大平原の道をただただひたすら走るという感じだ。

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オーストラリアの本当の素顔

2009-04-27 20:13:49 | Weblog
別れ際にボクの心をみすかしたのか、彼はうまいことを言った。
「あなた方は立派ですよ。観光業者の集会でよく話しを聞くが、オーストラリアに来る日本人は買い物とゴルフばかりだ。だからシドニー、メルボルン、ブリスベーン、ゴールドコーストばかりに行く。あそこは日本人ばかりが集まるところで、あそこでは本当のオーストラリアはわからないんだけどな。リトルジャパンだ。それにひきかえ、南オーストラリアならば、オーストラリアの本当の素顔がわかる。あなた方はすばらしいよ」と。
でもそんなおだてよりも早く英語のシャワーから解放されたかった。

英語の説明がわからないので不満は残るが、見学させてもらったところはすばらしく、印象的な場所ばかりだった。以前、ツアーバスで日本語ガイド付きでシドニー、ブリスベーンの見学をした時とは比べものにならないほどの感動を覚えた。
印象的な場所を選んでガイドしてくれたのか、それともオーストラリアの象徴的なスポットが南オーストラリアには多く存在しているのか、それはわからないが、ポートリンカンを旅して本当によかった。

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スティブさんの英語シャワー

2009-04-25 08:49:08 | Weblog
二日目ともなるとボクたちのほうも、少し慣れてきて、話しかけられたら、分かってもわからなくても、一切質問などはしないようにし、にこにこしてイエス、オッケイ、ゴット(わかりましたという意味)などとうなずくだけにした。それでも説明したいスティブさんは「わかるか、わかるか」と念をおしてくるのにはまいったが、・・・・・・・・。
南オーストラリアの夏の日没は遅く、一〇時半ごろ、やっとツアーが終了し、ホテルに入って、ようやくスティブさんの英語シャワーから開放された。
今日の疲れも車疲れじゃない。完全な英語疲れ。環境問題に詳しいだけあって、今日のコースは彼のお得意の場所ばかり。ぜんぜん聞いていないふりをしていても、一方的にしゃべり続けているのだ。もちろん運転しながら。
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野生のカンガルー

2009-04-21 19:46:17 | Weblog
次第にうす暗くなりあたりには誰もいない。細いジャリ道、両サイドはブッシュ、そして草原。あっちに五頭、こっちに七頭と群れているカンガルーの家族が見える。薄暗いからボクのカメラでは撮影不能。目にだけ焼き付ける。車はライトを暗くして徐行。警戒心が強いようで、車から降りて、草やぶまで数歩歩いただけで逃げてしまう。自分も野生の生物になったような気分になる。明るければいいな、と思うが夜行性だからそれもできないし・・・・・
「よく見たかったら動物園に行けばよく見えるよ」
とスティブさん。
暗くなり始めるとカンガルーがいる気配はわかっても、人間の目でははっきりとは見えない。

話しは逆になるが、ナショナルパークは最近ブッシュファイヤ(山火事のこと)があったばかりで、木々、草々はあちこちで黒く焼けただれていた。乾燥している国なので、火の用心は日本の比ではないほど警戒しているが、風で木がこすれてしまうだけで火事になるとスティブさんは嘆いていた。一部の地域では草の新芽、焼けた木の下からも木の芽がでていたが、山火事で焼けた後は見るも悲しい。
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野生動物への愛

2009-04-20 19:45:17 | Weblog
ポートリンカンは麦の大産地でもある。巨大なカントリーエレベーター(でかい穀物倉庫)があって、コンベヤーで船に積み込まれる。外部からは麦はみえないが、グワングワンという音を聞いているだけで、大量の麦が流れているのがわかる。

夕方からはナショナルパークへ連れていってくれた。ここでは、カンガルー、エミュー、リザード、夜飛ぶ鳥類など、夜行性の野性動物を見ることができるという。
道路は舗装されてないから、車はゆっくりと六〇キロぐらいで走る。突然、急ブレーキ。なにかと思ったら「クローコダー」と行ってスティブさんは車から飛び降りた。ところがクロコダイルではなく、それはリザード(大型トカゲみたいで、日本の辞書に書いてあるトカゲとはすこし違うが)だった。そこには太さ一五センチ以上、長さ五〇センチぐらいのミドリと茶色の不気味なリザードがゆっくりと道路を横断していた。
スティブさんは慣れている手つきで後ろ首を捕まえることは捕まえたが、顎が割れんばかりに口を開けて噛みつこうとしている。
「こいつは大切な生きものだ。車で轢いてしまったら大変だ」とつぶやきながら、路肩の薮のなかへソーッつと放した。それにしてもあんな気味の悪いトカゲを、素手で捕まえちゃった!と思っただけで、身体がゾクゾクして震えてきた。
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