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アウトピッコロのほのぼの日記

  3200GTエンジン外し特殊パターン <マセラティ専門店~アウトピッコロのブログ>

2015-12-07 00:42:25 | Weblog

 

こんばんは。前回まではマセラティクワトロポルテ・ギブリ系のV6エンジンに関して

お届けしてきました。今回はこの流れに乗って、3200GTのV8エンジンについてお見せしようかと思います。

下の写真はオーバーヒートを起こしたと思われるエンジンのヘッドを外した写真です。

ピストン・シリンダー内に水が入り、時間が経ってしまったせいなのかサビも出ております。

クランクプーリーにレンチをかけてクランクも回らない状態です。焼き付きや、サビによる固着が原因と

思われます。こうなるとエンジンを車体から外し、腰下(いわゆるクランクシャフトから下のすべての部分)の

フルオーバーホールのメニューとなることが必須となります。(左がヘッド・右がエンジン本体)

 

V8系のこのエンジンはカムケース・バルブケースの2段で構成されており、カムシャフトの取り外し→バルブケースの取り外しと順に行っていかないと

上記写真のピストンが見える状態に持っていくことが出来ません。もちろんV型エンジンですので左右とも同じ作業を行わないといけません。

下が片バンク側のカムケース内一式のパーツになります。

 

カムシャフト・カムホルダー・カムチェーン・バルブカバー・カムプーリーなどなど他に細かいボルト多数で嫌になります。

カムケースを外すとバルブケースが出現します。まず目に飛び込んでくるのがIN・OUTのバルブスプリングです。

このバルブケースは8本のナットがスタッドボルトに留まっているだけなので、上にあるカムケースを外すより非常に

簡単です。

左右のヘッドが完全に降りると下の写真のような非常にコンパクトなエンジン本体のみが車体に残ります。

通常であればヘッドを降ろさずにエンジンを丸ごと車体から降ろしてからヘッドを降ろすのですが、今回はクランクが回らないので

先にヘッドを降ろすという特殊な作業パターンとなりました。クランクが回らないとフライホイールとミッションのトルクコンバーターをつなぐ

ボルトが外せないからなのです。通常はクランクにレンチをかけ、クランクを回しエンジンVバンクの部分からフライホイール・トルクコンバーター接続ボルトを

外すのですが、これが出来ない状態でしたので、エンジンとミッションケースを連結するボルト6本を外し、トルクコンバーターごとエンジンを降ろす手法をとりました。

エンジンとミッションを連結するボルトを外す為にはヘッドの後ろ側にあるエンジンミッション連結ボルトにアクセスし外さないといけないのです。また、エンジン前方のラジエーター等の

補機類も外しておかないと、トルクコンバーターがエンジンに付いたまま手前に引きずりだせないのです。手間も倍以上かかります。

①極力エンジン自体をコンパクトに分解 

②エンジン+トルクコンバーターを取り外す為のスペースを確保する  

といった所がキモとなります。

   

上記写真がトルクコンバーターごとエンジンを外している写真になります。こういうパターンの取り外しは非常にめずらしい事ですが、クランクが回らない状態だというなるという

最悪パターンの例ですね。この場合、正直工賃も相当掛かります。

なんとかエンジンを降ろし、エンジン本体のバラシ作業に掛かります。

ガビーン上記写真1番右のピストン(5番シリンダー)がズタズタです異常燃焼(デトネーション)を起こし溶けています。

シリンダーも大ダメージは間違いないでしょう。クランクが回らない原因はまちがいなくココが焼き付きロックしているからでしょう。

ヘッドガスケットも吹き飛んでます

  

上記写真はエンジンオイルが溜まる一番下の部位のオイルパンケースを分解した所。見事にエンジンオイルとクーラントが混ざった

なんとも言えないオイルがオイルパン・ケース内に付着しております。

 

上記写真は、オイルポンプ・ホース類・フライホイール等々、邪魔なもの全てを外してエンジンを逆さまにした所。

エンジンをクランクシャフト半分から下側のケースを外す腰下の作業に入ります。

次回はピストン・クランクシャフト外す作業の、エンジンのもっともコアな部分をお届します。お楽しみに

 

 

 

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