4/5~6に行われた、第2回原発と人権全国研究・交流集会のアピールです。
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集会アピール
私たちは、この集会の第1回を2012年4月に行いました。それは、東日本大震災・福島原発事故から1年が過ぎ、多くの力を結集して、事態に向き合い、運動に立ち上がる時期でした。
それからさらに2年近くが経ちました。この間、各地での運動・訴訟は広がり、一定の蓄積が出来ました。
しかし他方で、被害の回復、補償・賠償、地域の再生は遅々として進まず、事故原因の究明は不十分なままに、東京電力も政府も責任逃れに終始しています。それどころか、安倍首相の「アンダー・コントロール」発言に見られるように、事態の無責任な矮小化を図り、原発の再稼働、原発建設の再開、原発輸出政策を積極的に推し進めようとしています。また、残念なことですが、事故の風化が進もうとしており、避難者の帰還、被害者の賠償が様々な困難に直面しているのも事実です。
私たちは、こうした状況のもと、これまでの運動の到達点と今どのような状況なのかの認識を共通のものとするとともに、今後どの方向へ闘いを進めていくのか、意見交流、議論を行うために、福島大学で第2回の集会を開きました。この集会には北海道から九州まで、531名の人びとが、参加しました。
1日目の全体会では、被害者の視点から、事故解明研究の専門家でありノンフィクション作家の柳田邦男さんに基調講演をしていただくとともに、フランスのリモージュ大学名誉教授のミシェル・プリウールさんに国際人権の立場からのお話をいただきました。さらには、福島現地での取り組みの報告、被害者・市民、首長からの訴えも受け、事故から3年を経た福島の状況をはじめ、広い視野からさまざまなことを学ぶことが出来ました。
2日目はそれを踏まえて、原告・被害者の交流、学者と弁護士の損害と責任をめぐる共同研究、脱原発へ向けた取り組み、原発事故報道をめぐる問題、国際的視野からの脱原発・核兵器廃絶という5つのテーマの分科会にわかれて、より具体的な議論を行いました。
私たちはこの2日間の議論を踏まえて、失われた生命・健康、失われた生活、失われた財産、失われた家族・コミュニティー、失われた自然、そうしたものの総体としての失われた人権の回復を求め続けていくとともに、様々な分野を超えた連帯、「脱原発」の運動との連携を深め、国際的な連帯・協同の中で原発問題の解決を考えていくことを確認し、今回の集会のアピールとします。
2014年4月6日
「第2回『原発と人権』全国研究・交流集会in福島」参加者一同