絵を描く喜び 〜アトリエTK

「いのちの表現としての芸術と人生」をテーマに、TKこと小関隆史がエッセイや論文を綴っていきます。

講話 「絵てがみを描こう(3)」  何を描くか?

2008-02-17 06:32:00 | Weblog
*何を描くか

 前回お話ししましたように、絵は基本的に自由に描いてよいのですが、「何を描くか」というのは、非常に重要になってきます。そうですね〜、まずは、自分が興味を引かれるもの、好きなものを描いたらよろしいんじゃないでしょうか。私のごく身近な方で、ハイエコポンさんという方がおられるのですが、実にケーキの絵が多い。作品例)「サクラロール」 どうです、楽しい絵でしょう? ケーキの各部分も、よく観察して描かれています。こういう絵の雰囲気は、描く対象のケーキが好きだからこそ描けるのだと思うのです。
 風景、人物、静物…、描く対象は無限にあります。絵てがみの場合は、そうした描く対象(モチーフ)を前に、スケッチをするように描いてもいいですし、次に紹介する作品のように、楽しかった出来事を思い出しながら、絵日記をつけるように描いてもいいと思います。作品例)木綿豆腐さんの絵てがみ

*絵を描くことが“日時計主義”を生きることに 

 皆さんは、“日時計”ってご存じですか? 日常生活の中ではあまり見かけないかも知れませんね。これは屋外にある時計なのですが、1本の直立した棒があって、それを囲む平面上に時計の数字(盤面)が刻まれている。どうして、それで時間が分かるかというと、太陽が出ている時だけは、その直立した棒に陽光が当たって盤面に影を落とすから、つまり、太陽の角度によって刻々移り変わる影の変化によって時を知ることができるのです。そのように、太陽に象徴される「明るい出来事」だけを心に記録していこうという生き方を生長の家では、“日時計主義”と呼んでいます。
 今回のテキスト『日時計主義とは何か?』(谷口雅宣先生著)の中に、“日時計主義”の説明がありますので、少し紹介します。(以下、引用)
 
私のいう「人生の喜び」とは、収入の多寡や所有物の多さのことではない。他人と比較などしなくとも、自分の周囲に、そして自分そのものの中に、真実や善や美はあるのである。それを見出すための心の訓練が「日時計主義」である。(同書5ページ)

 ですから、私たちが日常で出合った美しい風景や花をスケッチしたり、先ほど紹介した木綿豆腐さんのように、家族や友人との楽しい出来事を思い出して絵てがみに描いたりすることは、実在(本当の世界)に根をおろした真実や善や美を日常生活の中で見出していくための心の訓練にもなり、それがそのまま「日時計主義」を生きることになるわけです。

*“意味優先”から“感覚優先”へ

 一方、何かと忙しい現代社会の中で、ともすれば私たちの生活は、“意味優先”“目的優先”の生活になりがちです。例えば、会社に来客があり、ラウンジで応対する際、席についたテーブルの上に花が生けてあったとします。その時、“意味優先”で生きていると、来客との仕事の打ち合わせという「目的」だけに集中してしまって、いくら美しいユリの花が生けてあっても、「花が生けてあるな」くらいにしか思わないかも知れません。目の前にある美も、私たちが認識しなければ、「ない」のと同様です。そういうように、この世界には、真実や善や美がたくさんあるのに、それを見たり、感じたりする心のゆとりがないばかりに、気づけないでいる。随分、もったいないことだと思います。
 その点、絵てがみなどを毎日のように描いていると、“感覚優先”のモード、すなわち常に題材を探して、美のアンテナを張っていることになりますから、先のテーブルに置かれたユリを見ても、「ユリがある」という意味にとどまらず、「なんて優美に咲いているんだろう」と心が動く。それと同様に、職場のカウンターに置かれた一輪挿しのガーベラ、昼休みに外食を兼ねて散歩していた時に見つけたレンガづくりの興味深い建物などを見ても、「花」「建物」というそのものの意味を超えて、「描きたい対象」として迫ってくることがあります。描く時間がなくて、歯がゆい思いをすることも多々ありますが…。(笑)

 次に、テキスト『日時計主義とは何か?』の中で、こうした“意味優先”と“感覚優先”について言及されているところを紹介します。

 私は先に“意味優先”と“感覚優先”の視点を紹介し、前者の視点で見るとつまらないものでも、後者の視点に切り替えると、その価値が認められる場合があると述べた。そして、「感覚は私たちを直接感動へと導くことができる」と書いた。しかし、それは、感覚の刺激によって「本当にある世界」を知ることができるという意味ではない。それでは、快楽主義と何も変わらないだろう。私が言いたいのは、私たち人間にとって、肉体はこの世における表現の唯一の媒体だから、肉体の付属器官である感覚からのメッセージをないがしろにするな、ということである。
 すでに何回も書いたように、「人間が感覚する世界(現象)と本当にある世界(実相)は異なる」というのが生長の家の信仰の基本である。だから、感覚によって直接“神の国”や“仏の浄土”を見たり、感じたりすることはできない。私たちにできるのは、感覚を通しながらも、感覚の背後にある「本当の世界」を知ることである。(同書、87ページから88ページ)

 私たちが目の前の風景や生き物の絵を描きながら、自然や生命(いのち)の神秘に感動することが、「本当の世界」を知ることにつながることを思うとき、絵を描くことって素晴らしいなぁ、と改めて思うのです。(つづく)

小関隆史(TK)

【参考資料】
○『日時計主義とは何か?』(谷口雅宣先生著)生長の家刊
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5 コメント

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小関先生の誌友会の喜び (ゆきえ)
2008-02-18 00:46:36
合掌ありがとうございま〜す。

時間空間を越えた誌友会に参加させていただいております。御講話の途中ですが、感想を述べさせていただいてよろしいでしょうか。

図画が大得意で自分は絵が得意だと思っていました。でも、生長の家の活動と子育てに追われて絵を描くゆとりなど無いと思って、書きたいとも思わずに長い事過ごしてきましたが、

アトリエTKの日参するよになって2年。

「真善美の生活」とはこう言う事なのかと肩の力の抜けてきている自分が居ます。

まさしく意味優先から感覚優先の心もいいなあと思うこころのゆとりが生まれています。私は詩を書き、絵を書くことが大好きだった少女の頃の気持ちがよみがえりつつあります。

嬉しい成長です。

ありがとうございます。




参加してくださって感謝! (TK)
2008-02-18 17:13:02
ゆきえさま

 参加してくださっているのですね、うれしいです。
 現実の誌友会と異なって、参加者が見えないものですから、コメントをいただくとお顔が見えてメッセージを発信しやすいです。
 でも、反面、顔を見せずに参加できるのも、Web誌友会のメリット。すべて良しですね。

 さて、「詩を書き、絵を描くことが大好きだった少女の頃の気持ちがよみがえりつつあります」との事、うれしく拝見しました。それは表(現在意識)に出てこなかっただけで、ずっと持ち続けておられたのでしょうね。実は、私自身もそうでした。

 詩も絵も、書き手の人生体験が自ずとにじみ出てくるものだと思います。ゆきえさんが、家族や周囲の方々にそそいでおられる愛情が、自然に絵や詩の中にあらわれる…。ぜひ、作られたらお見せくださいね。楽しみにしています。

 今回のWeb誌友会も、これから、いよいよ絵を描く段階に入っていきます。
 ぜひ、絵てがみにもチャレンジしてみてください!
 
リズム感のある文章ですね (TK)
2008-02-18 17:27:09
ゆきえさま

 詩、ということで思い出して、ゆきえさんのブログを拝見しました。
 最近の記事は、詩になっていますね。リズム感のある文章で、テンポ良く読めます。
 内容も日常生活の中から生まれてきたもので、微笑ましく読ませていただきました。
 これからも楽しみにしています。
私も (しじみ)
2008-02-19 20:59:31
小関先生

ありがとうございます
Web誌友会私も楽しみに参加させていただいております。

ゆきえ様と同じく、私もアトリエTKの世界にふれさせていただいてから、私の中の何かがどんどんどん沸き上がってきています。

表現をさせていただける幸せと喜び。

本当にありがとうございます。


ようこそ! (TK)
2008-02-20 01:06:12
しじみさま

 うわぁ、しじみさんも参加してくださってたのですね、うれしいです。

>>私の中の何かがどんどんどん沸き上がってきています
>>表現をさせていただける幸せと喜び。

 しじみさんは、花や風景と出合った感動を写真と文章で表現されてますものね。
 美しいものを、驚きをもって感じられる感性を大切にしていきたいですね。
 私も皆さんと一緒に感性を磨いていきたいです。
 これからもよろしくお願いしま〜す!

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