モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

美大受験ガイダンス

2015-03-30 20:49:37 | 学生ワークショップ


美術系に進学を希望している学生や親御様向けに、美大受験についてのガイダンスを行いました。
20名もの方にご参加頂き、お忙しい中お時間を頂けましたこと、心より御礼申し上げます。
次にお詫びです。参加お申し込みされずに当日直接おいで頂いた方が数人いらっしゃり、予備の資料が足りなくなって私達講師の分を差し上げた為、実はかなりアバウトな進行になってしまいました。期待されていたことが聞けずに無駄な時間を過ごされたと感じられた方もいらっしゃるのではないでしょうか?心よりお詫び申し上げます。
言い忘れてしまいました。『美術系の専門学校は桑沢以外はお勧めしません。(一般大学の中の美術学部や、五美術大学に入らない美術大学もあまり…)』上京したいだけ、お遊び程度に絵が好きなだけ、という学生が多くそういう類の人間と一緒にいると、志が低くなっていきます。「人気のある先生は課題を出さない先生」と平気で口にするような学友の中では切磋琢磨は期待できません。

しかし進行表がなかったからこそ私達の本音が出てきたと申しますか、絵画教室でありながら美術系進学を推奨しないということが伝わったのではないかと思います。普通の予備校なら「美術は楽しいからぜひうちの研究所に入って一緒に頑張ろう!」となるでしょうが、それは目先の楽しさで惑わし厳しい現実を見せない卑怯な商売の仕方ではないかと疑問を感じます。

ガイダンスで展示していたデッサンや着彩・デザインは、どれも講師陣の受験生時代の作品でした。美大受験予備校に入り、学校帰りに毎日通い、何百枚も練習に練習を重ねてようやくたどり着いた作品です。「合格」という結果を出すため、朝から晩まで”趣味”ではなく”仕事”に近い感覚で絵と向き合う毎日です。努力しても結果が出なければ、それは努力のうちに入らないと言われ、報われない事の多い世界です。正解が不透明な土俵で勝負するにはそれ相応の覚悟が必要です。それを背負って生きていけるかを伝えたかったのが、ご理解頂けていれば幸いです。

しかしガイダンスを通して、受験や将来について希望のあるような話では無かったのは非常に申し訳なく感じておりますが、絵を描くことが勉強・絵を描くことが仕事というのは、どんなに幸せなことでしょうか。数学の問題集に五時間向かい合うより、画用紙の前で黙々と描き続ける五時間の方が、よっぽど楽しいと思います。美大受験を志す皆には、自分がどれだけ恵まれた環境にいるのか辛い時に思い出し、また学費が高いのに反比例して将来性は低い美術などに大枚をはたいて応援してくれる親御さんに感謝してほしいと思います。
世の中に、自分の好きなことをしてお金をもらっている人が何人いるでしょうか?楽しくて大好きな美術でお金をもらえ、他人から尊敬される幸せは、何物にも代えがたいことです。自分がデザインしたものがこの世に製品として出た時は、全ての苦労がチャラになる瞬間です。何度味わっても興奮する麻薬のような魅力です。そんな楽しい経験をする為に、限界まで頑張ってみる価値があるとは思いませんか?
もしも話を聞いた生徒の中に「覚悟を決めて、美術の道に進みたい」という人がれば、その際は講師陣が全力でバックアップをしたいと思います。受験生本人でも親御様でも、受験について質問があれば随時お答えしますので、どうぞいつでもご質問いただければと思います。

田中幸介 小原京美

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