アトリエ 籠れ美

絵画制作、展覧会、美術書、趣味、その他日常の出来事について
平成27(2015)年5月4日より

F20号制作記その2

2015-12-31 15:05:54 | 絵画制作記
 こちらは「風景画改革」と「F6号制作記」を踏まえた上での、最新技法追求。
 画題はいつものスケッチを基にした風景画だが、空と幹を入れた時点でどうするか悩み(ここ最近は風景画を描くとき、空と幹を入れた時点で指触乾燥を待たずに続けて描くようになった)、しばし筆が止まる。そして問題解決。やはりここでも木版画制作と銅版画制作について調べておいたことが生きた。油絵具と溶き油の量、筆の使い分け、そうしたことの重要性を痛感。これで薄塗りと厚塗りの使い方を習得できた。
 別にそんな複雑なことを、超絶技法をやっているんじゃないですよ、もちろん。ただ同時にあれこれ考えながら、画面の必要なところに手を打っていく。最終的な仕上がりをイメージして、その実現のために逆算して、ここは明るくしておくとか、暗くしておくとか、厚く塗るとか、薄く塗るとか、あるいは何もしないとか、そいうことを決めていく。全てが同時進行なのでややこしいだけ。でもなかなかこれはできない。自分もここまで来るのに苦労した。
 次回は白と黒で画面に必要な凹凸を作り出すことになる。これは「風景画改革」の技法(厚塗り)だが、そこに「F6スパーリング」の技法(プリマ描き)も混合させるつもりです。次回が勝負かな。うまくいくかどうか、楽しみです。

 付)何と言うか、要するに画面に複雑な味わいを醸し出したいと思っている(おお、偉そう)。単調な画面を避けたいとでも言えばいいのかなあ。技法的に、つまり技術的に複雑でありたい。複数の技法、つまりモデリング、グレージング、スカンブリングを適度に使い分けたい。適材適所で行きたい。そう思っているんですが。
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F6スパーリングその6

2015-12-31 14:18:57 | 絵画制作記
 残る2枚のF6号にようやく着手。こちらは「風景画改革」の描き方のヴァージョンアップ。どちらも白を軽く塗布してあるだけの再利用カンバスに下描きしているため、まだ元の絵が透けて見えている。そこで強めに色を乗せて元の絵を塗り潰した。今回はここまで。次回から本格的なヴァージョンアップの描き方に入る。
 ようやく納得のいく混色と制作手順ができるようになったので、安心して、つまり技法的にぐらぐらしたりせずに順調に、描き進めることができる。どうやら混色は完全に身に着けたようだ。

 この「F6号スパーリング」は4枚同時制作によるテストですが、最初に描いたプリマ描き風は、色彩的には成功ですが、厚みがない分、やはり失敗と言えそうです(ちょっと今日見てみた次第)。多少の修正は効くので、それで一応終わりにするつもりでいます。

 目まぐるしく技法のテストが続き、自分の書いていることに矛盾が出てきているかもしれませんが、テスト結果を見てどんどん自分の考え方が変わり、それが描き方に反映されている状態なのでご容赦を。まさに絵画制作記、ライヴ感覚です。
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大晦日、今年一年を振り返って

2015-12-31 06:46:25 | 随筆(日記、旅行、一行記)
 今年は来年の飛躍のための準備期間だった、後で振り返ってみるとそう思える、そんな年になりそうな気がしています。油絵制作で大きな成果があったのが今年最大の収穫です。
 アルバイトを始めたのとこのブログを始めたのがたまたまほぼ同時期だったので、金欠による休眠状態から活動期に入った、今年一年の自分の記録をこのブログに書くことができました。多くの方に読んで頂き、感謝と同時に恐縮しています。
 このブログ「アトリエ籠れ美」のアクセス状況を見ていると、PV(ページ閲覧数)とIP(訪問者数)が着実に増えており、それは私の想像をはるかに超えるものでした。それに見合うだけの内容を伴っているのかと考えると、少々、いやかなり心許ないですが、あんまり身構えてもしょうがないので、今まで通りマイペースで続けていきたいと思っています。これからもよろしく申し上げる次第です。

 さて今日は大晦日ですが、私は仕事でいつもより遅い帰宅です。家族で年越しそばを食べますが、今年は年越し前からゆっくり酒でも飲もうかと思ってます。たまにはそういうのも悪くないかと。テレビもあまり見るものなさそうですし、かといって特にやることもないし、ちょっと贅沢していいつまみを用意するとしますか。
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チャンス! 大晦日

2015-12-30 18:21:41 | 随筆(日記、旅行、一行記)
 明日のアルバイトは午後1時出勤から午後4時出勤へ変更になった(ただし仕事終了時間に変更なし)。
 絶好の機会。これで明日はF20号とF6号を2枚描ける。ラッキー。もちろん出勤が遅くなった分、稼げないが、もうそんなことはどうでもいい。だいたい残業代で十分補える。
 助かった、というのが正直な感想。油絵制作がちょっと間に合わなくなっている感じなので。描く枚数を増やしすぎたな。

 睡眠不足なのでもう今日はもう何もできない(版下制作と、版下の転写でもう限界)。明日に備えて(?)これからちょっとお酒飲んで寝ます(それじゃダメじゃん)。
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版下、およびその転写

2015-12-30 18:02:08 | 版画制作記
 買ってある版木はA4で3枚。両面使えるから6枚彫れる。私は黒一色刷りをやりたいので、6作品作れることになる。すでにA4に切ったトレーシングフィルムとカーボン紙をとりあえず3枚ずつ用意してある。

 さて今日の午後、版下を1枚用意した。これは風景スケッチを基に、トレーシングフィルムに鉛筆で直接描いたもの。次に版木にカーボン紙、そして裏返しにした版下を乗せ、ボールペンでなぞって版下を版木に転写した。
 こんなに急いでやりたくはなかったのだが、時間がないから仕方ない。かなり雑になってしまったかも。まだ線を増やすかもしれないから、版木にカーボン紙と版下を乗せたままにしてある(版下と版木をメンディングテープで留めてある状態)。
 カーボン紙を使うのは生まれて初めてなので、ちゃんとなぞって写せるのかと思っていたら、見事に写っていることに感動。おお、素晴らしい! 最初はおっかなびっくりでしたが、すぐに伸び伸びとボールペンを走らせることができました。
 さて問題は彫り。早、自信がない。ちょっと初めてにしては複雑なものにしてしまった気がする。まあとにかくやってみるしかない。

 付)ちょっと予定が立て込んでいて、いつ彫れるかは未定。早くやりたいんだけど油絵制作が待っている。だから早くても来年1月6日かな。それまでに版木の必要なところに線を増やしておこうと思ってます。
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デッサン論

2015-12-30 06:37:04 | 画材、技法、芸術論
 デッサンとは何かと問われれば、私はこう答える。「デッサンとはメモである」と。
 学生が授業で先生が黒板に書いたものをノートに写す、新聞記者が取材した時に忘れないようにノートに書く、刑事が事件現場での聞き込みをノートに書く、主婦がスーパーに行くのに買い物を新聞の折り込みチラシの裏に書いておく、そうしたことと同じです。
 ですから人間は実は日常生活の中で頻繁にデッサンをしている(メモを取っている)のです。
 つまりデッサンとはメモ(備忘録)であり、忘れないように描きとめておいたもののことである。そしてさらに重要なのは、このメモは自分がわかればよいということ。自分さえわっていればいいので、他人が見て何が描いてあるかわからなくてもよいということ。もともと他人に見せることを前提としていないということである。
 文字で書かれたメモでも、他人に見せる必要がなければ、雑な字で、自分しか読めないようなひどい字で一向に構わない。それと同じように線(あるいは筆を使った色彩や面)で描かれたメモ、つまりデッサンなら、ますますそうであって構わない。
 なぜこのようにしつこく書くかというと、デッサンはメモであるという認識を持てないと、絵画の見方を誤るからである。そして、よくデッサンの名手としてアングルの名が挙がるが、ああしたものが正しい、正統派のデッサンであると思い込むと、絵の上達が望めないからである。ラファエロのスケッチが意外と大したことないことや、ゴッホが石膏デッサンが下手だったことは有名である。ラファエロもゴッホも巨匠である。にもかかわらず、そのような言われ方をされてしまうのは、良いデッサンのわかりやすい手本としてアングルを基準にしているからに他ならない。
 デッサンとは本来自由であり、他人に見せることを前提としていないため(つまり油絵という完成作の準備段階で大量に描かれる下描きなので)、その伸び伸びとした線が魅力なのである。もちろんアングルのデッサンは素晴らしいが、それが全てだと思うと見誤る。譬えて言えば、短編小説と言えば最後にちゃんと落ちがつかないとだめと言っているようなものである。
 あくまでその画家の評価は完成作で決まる。デッサンでは決まらない。巨匠のデッサンはみな子供っぽさを残している、と言った人がいる。子供っぽさとは素朴さ、幼稚さ、もっと言えば下手さ、ということである。つまりこれは巨匠は巨匠であるほど自分の目で世界を見ているということだ。色眼鏡では見ていない。
 作家の生原稿を見て、字が下手だからといって、その作家の文章が下手だということにはならないし、漫画家の生原稿を見て、少々雑で荒っぽかったといって、その漫画家の絵が下手だということにはならない。作家は文章で、漫画家は印刷された紙面で評価が決まる。一流の漫画家は自分が掲載される雑誌の紙の質を考慮して、若干粗く描くものなのだ。
 見方を誤ると上達できない。「デッサンとは最高の学芸である」とはかのレオナルド・ダ・ヴィンチの言葉であるが、それを見極めるだけの目を見る者が持っていないと始まらない。
 絵を描く側としては巨匠のデッサンをたくさん見れればいいのだが、完成作品でないものは原則非公開というのが欧米の美術館の常識なので、なかなかお目にかかれない。見ることが許されるのは美術館の学芸員と研究者だけである。これって何とかならないのか。ずるい、と思ってしまう。
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年末最後のお出かけ

2015-12-29 12:11:09 | 随筆(日記、旅行、一行記)
 昨日は午後4時に家を出て新宿へ出かけた。ブラシソフター(クサカベ)は地元の画材屋で買ってしまったので、新宿世界堂本店でオックスゴール(大瓶、マイメリ)を買う。いつもお金がなくて小瓶だったのだが、今回初めて大瓶にした(写真右)。
 画材を買う前に、紀伊国屋書店本店で気になっていた将棋の本を見たのだが、大したことないので買うのをやめた。
 そして新宿将棋センターへ。実に久し振り。約1年9ヶ月振り。午後5時半過ぎに入ったせいか、席料は確か700円で済んだ。ついでに受付で明日発売の将棋世界2月号を買う。新宿将棋センターは日本将棋連盟直営店なので、同じく連盟発行の月刊誌、将棋世界を前日に買うことができる。しかも連盟の封筒に入っている(写真左)。何となくうれしい。まるで関係者みたいで、ちょっと偉くなった気分。えっへん。
 平日の夕方なのだが、年末ということもあって人は多かった。肝心の対局だが3局指したところで、午後8時頃になったのでもう帰ることにした。対局結果は幸いしたが、相変わらず内容は良くない。やっぱり週1回は将棋道場へ通いたいよなあ。隔週は厳しい。
 新宿の路上は忘年会の人たちで溢れている。二次会へ行くか、帰るかで皆相談している。若い女性は飲み足りず二次会へ行くと言い、年配の男性は酔っぱらったのでもう帰ると言っている。いいですなあ、忘年会。もう何年もやってません。
 早々に新宿を後にし、帰宅は午後9時前。家で遅い夕食を取りながら、ウィスキーをロックで飲む。長っちりにならないように適当に切り上げて、入浴、就寝。
 これで画材、書籍など年末年始に必要な物は全て揃いました。あとは新年を迎えるだけです。新宿へ出かけたおかげで、ようやく年末なんだなと実感。出かけてよかった。

 付)木版画の版下をまだ描いてません。今日の夜か、明日の午後にはやりたいと思っているんですが。
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衝撃、熊野筆のCM!

2015-12-29 07:29:04 | 随筆(日記、旅行、一行記)
 昨日の午前9時48分、寝起きで何気なく見ていたテレ朝のワイドショーで、熊野筆のCMが流れた。初めて見た。熊野筆のCMって。熊野筆ってテレビCMやるんだぁ!
 衝撃的だったんだけど、そのとき私の頭の中には、画筆と書道の筆のことしかなかった。
 思わずパソコンのインターネットで調べたら、そうか、化粧筆があったか。失念していた。なあんだ、そういうことか。年末だしね、化粧筆も売れるというわけですか。
 まるで日本の画材メーカー、ホルべインや松田、クサカベがCMを打ったような衝撃を受けた。
 そこで思ったんですが、いつの日にか日本の画材メーカーがテレビCMを打つ時代が来たらいいなあと。油絵具が売れまくって、景気よくテレビCMを打つ時代になるという、ってそんな時代が来るわけないか。
 単なる妄想。でもそんな妄想を抱かせるほど、私の脳には刺激的でした。熊野筆のテレビCMは。でもまあそれも化粧筆のことを忘れていた私の勘違いなんですけどね。
 残念残念。あーびっくりした。昨日は朝から脳天に一撃受けちゃった。
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「木版画の世界」

2015-12-29 07:28:37 | 美術書全般、美術番組
木版画の世界 第3版   五所菊雄著 定価2000円+税

 この本は書店では売っていない自費出版物で、私はウッドライクマツムラへ行って買いました。ウッドライクマツムラのネット通販で取り寄せることもできます。
 題名は「木版画の世界」ですが、より正確に言うなら「木版画制作の理解が深まる本」です。内容は多岐に渡り、かつ深い。顔料の耐光テストまでやってます。私はこの本を読んで、ようやく彫刻刀の種類について納得のいく理解が得られました。
 この本は木版画制作入門書ではありませんので、私のようにこれから木版画を始めようとする人は別に1冊入門書が必要ですが、それ以外にもう1冊となるとこの本がお薦めです。初心者、上級者を問わず、必須と言っても過言ではありません。逐一かゆいところに手が届く内容になっています。素晴らしいの一言です。私のように油絵を描いている者からすると、こういう感じの本で油絵制作に関する本があれば、なんてつい思ってしまいます。
 非常に実践的な内容です。木版画制作の辞書代わりになりますので、ぜひ買って読んでみて下さい。
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F20号制作記その1

2015-12-28 14:12:06 | 絵画制作記
 この「絵画制作記」カテゴリーのあちこちの記事で、「付)」をつける形でこのF20号について、ああする、こうすると書いてきましたが、新たに独立した記事を立てることにしました。今まで独立した記事にしなかったのは、特別新しいことを試みるつもりはなかったので(つまり今までの成果を踏襲するだけだった)、大して書くことがなかったからですが、現在手に入れた(または手に入れつつある)2つの技法、それは自分にとって大変魅力的なのですが、これらを折衷してみようと思い、そうすると新しい試みになるので記事立てする方がいいと思ったからです。
 これは現在進行中の、「F6スパーリング」の残る2枚で試そうとしているものとは違いますし、「F6スパーリングその5」の「付)」で書いた、「風景画改革」技法に「F6スパーリング」の技法を取り入れるのとも違います。今回はその2つの折衷です。半々にしてみようと。できるんじゃないかと。
 何だかややこしい書き方で申し訳ないですが、今頭の中にあることを書くとこんな感じになってしまう。要するに新しい描き方を試すということです。

 今日は下描き。すでに白でごく簡単に塗り潰してある再使用カンバスF20号に、テレピンで溶いた茶+黒でデッサンした。ここまでは普通の段階。何も新しいことはしていない。問題は次回。頭の中で折衷案のイメージは出来上がっている。何というか、うまく説明できないのですが、2つの技法を画面全体のあちこちでまだらに使うとでも言えばいいでしょうか。ちょっとやってみないとわからないところがあります。ただし完全に手探りというわけでもない。そこが今回のテストの特徴かもしれません。
 いいとこ取りと言えば身の蓋もありませんが、ちょっとそれとも違う感じです。2つの技法を画面全体で使い分けることで、2つの技法をより効果的に使える、つまり画面で2つの技法が互いに引き立てあう結果になるんじゃないかと。
 それぞれの技法は把握しているわけだから、特別難易度が高いとも思わないのですが、どこでどう使うのかが問われる。より初期段階での構想が重要。おそらく修正、やり直し不可。最初で失敗したら終わり。画面で強調したいところ、したくないところ、それをはっきりイメージしておかないといけない。
 うーん、結構大変かも。イメージ湧かなかったら描けない、先へ進めない。今までは仕上げ段階で、描いているより見ている時間の方が長かったんですが、これからはのっけから描いているよりも見ている時間が長くなるのかも。じっくり取り組むことになりそう。
 そうそう、画題はいつものスケッチを基にした風景画です。
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