新鹿山荘控帳

山荘管理人が季節の移ろいを、書きとめました
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『傘に入ってもいいですか?』『僕は死なない!』

2016-09-19 17:17:09 | 閑居閑語
昼頃近くのスーパーに買い物に出かけました。終わって外に出てみると本降りです。
傘をさしてから、さてどちらに道で帰るかと出口で考えていると、足下から声が聞こえます。見ると小さな男のです。何か言っています。

『傘に入っていいですか。傘に入れていってくれないですか』と言っています。どうやら傘を持ってこなかったようで、本降りで困っていたようです。
偶々出てきた私を頼ってきたようです。
私『家はどっちの方?』
彼『あっちの方』と指差したのは、向かいの交差点の方です。自宅とは反対方向になります。真直ぐ行った方と、それほど遠くも無いようなので入れてあげて、送っていくことにしました。信号を渡って歩き出しました。レジ袋を二つ持ってます。

私『何か買いにきたの?』
彼『おもちゃとお菓子とガチャガチャ』
私『今週は雨が続くようだし、台風も来ているから傘は持ってきた方がいいよ』
彼『うん』
私『いくつ?』
彼『ろくさい』
私『じゃ1年生だ』
彼『そうだよ』
私『この辺だとどこの小学校?』
彼『T小学校』
私『おじさんはO小学校の近くに住んでるよ』さりげなく全く反対方向に送っているといったのですが、分かれと言っても無理ですね。
私『T小学校ってT駅から歩いてくるところだよね。おじさんも駅からよく帰りに前を通るよ』

メインの通りの上り坂を登り今度は下り坂になりました。まだ真直ぐと言います。
私『もう学校には慣れた?友達で来た?』
彼『出来たよ。友達の名前言おうか?』
私『おじさん、君の友達を知らないからいいよ』
彼『ふーん』
昔テレビで、『田中君、羽生先生のお土産用意した?』と言ってた、大阪の将棋好きの小学生がいましたが、そんな会話が面白い小学1年の男の子です。
まだ自宅まではどうも距離がありそうです。本降りの中黙って歩くのも絵になりません。

今度は上り坂になりました。どこまで行くのだよと内心言いたくなっております。本降りの住宅地です、人通りはありません。
私『1週間雨が続くと、おじさん鳥の写真を撮るのが好きで。こんな日は鳥も雨に濡れるのが嫌で、雨に濡れない森の奥に隠れてしまうからね』
彼『ふーん鳥が好きなんだ。蝶は好き?』
私『蝶も好きだよ』
彼『僕も好き』
私『秋になるとね、蝶のお父さんもお母さんの死んでしまうんだよ。でも葉っぱの裏に百も二百も卵を産んでね。来年の春みんな子どものなるんだよ』
彼『うん。でも僕は死なない、僕は死なない』
私『そうだよ、人間は60年も70年も80年も長生きするからね』
彼『うん』

どうも自宅が近づいてきた雰囲気です。
彼『ありがとう。この家の隣』と言って雨の中駆け出していきました。自宅前まで送るのもどうかとちらと考えて、そのお隣のうちの前で別れました。

お礼も言えて、一人前に大人とちゃんと会話のできるいい育ち方をした少年のようで、ちょっとほっこりした気持ちでまた本降りの坂道を下って行きました。
結局自宅から反対側に同じくらいの距離を歩くことになってしまったのでした。
帰宅してびっくり、私のレジ袋には雨水がしっかりたまっておりました。
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