ものぐさ日記

ひとり遊びが好きな中年童女の日常

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ルーツ

2007年05月28日 | その他

 ガヴィーノ・レッダの「父 パードレ・パドローネ」は、私の一番大好きな本です。きのうも、少し読み返して、(ああ、なんという描写!なんておもしろいんでしょう!)と、つくづく思いました。何度も読んでいるのに、読み返す度に、新鮮な発見があります。

 きのう読み返した箇所には、主人公が、叔父さんにねだって、父方の曾祖父にあたる、ジョンマリーア叔父の話を聞かせてもらう場面がありました。

 自分に関係ある人の話というのは、おもしろいものです。私の父は、生前はほとんど自分の若い頃や、自分の家の話をしませんでしたが、それだけに、亡くなってから、母から聞き出した話は、新鮮で印象的でした。

 …父はスキーのジャンプの選手だったとか、叔母(父の妹)は、女子プロレスラーだったとか、ギリシア人と結婚したとか、父方の祖父は近衛兵だったとか。母の話すままなので、話は系統立っていないし、ほんの一部しか聞き出せていませんが、生前、まったく理解できないと思っていた父が、ほんの少しだけ、わかるような気がしてきました。

 そういえば、父方の祖父母の名前すら、知りませんでした。母方の祖父母には、毎年年賀状を出していたので、名前も自然に知っていましたが、父方の祖父母は、私が物心つく前に亡くなっているし、今まで、知ろうと思ったこともありませんでした。

 1970年代後半に、アレックス・ヘイリーの「ルーツ」という本が、大ベストセラーになりました。アメリカに住んでいる、アフリカ系の人が、自分の先祖をたどり、ついに、アフリカ大陸から奴隷として連れられてきた、クンタ・キンテという人にまで行き着く話だったと思います。アレックス・ヘイリーは、200年以上、アフリカの西海岸からアメリカまで移動した祖先のことを遡れたのに、私は、つい40年くらいまで生きていた祖父母の名前すら知らないとは!

 

 インドのホストファミリーの属するコミュニティーでは、男性の名前には、父親の名前もついていることが多いようです。
 【自分の名前】【父親の名前】【ファミリーネーム(姓)】 という感じ。マハートマー・ガーンディーは、通常、「M.K.ガーンディー」と、書かれることが多いのですが、これは、
 【モーハンダース】【カラムチャーンド】【ガーンディー】の略で、モーハンダースが本人の名前、カラムチャーンドが、お父さんの名前です。つまり、男性の名前は、見ただけで、父親の名前もわかってしまします。こういう名前の付け方は、インドだけではなく、イスラム教やキリスト教の国にもあります。

 インドのペンパルに手紙を出すとき、初めの頃、「バーブー・マカーニー気付」で出していたのですが、あるとき「今度から、バーブーじゃなくて、D.V.マカーニー気付にして」と、言われました。そのとき初めて、ペンパルのおじいちゃんの名前は、本当は『バーブー』じゃなくて、『D.V.』だということを知りました。「バーブー」は、「旦那」というような意味で、おじいちゃんが町の人に呼ばれている通称だったようです。

 「ところで、『D.V.』は、何の略?」
 「おじいちゃんの名前よ。『デーヴダース』っていうの。DEVDASの、DとV」
 と、言われ、
  (最初のDはともかく、3番目のVも略字に使う?)と、疑問に思っていましたが、数年経ってから、謎が解けました。おじいちゃんのお父さんの名前が、Vishuvanaath、Vは、ひいおじいちゃんの名前の頭文字でした。

 「DEVDASのDとV」と答えたペンパルは、当時ティーンエイジャーだったので、詳しいことは知らなかったのかもしれません。おじいちゃんが亡くなってからは、おじいちゃんの正式な名前を書くことが増えたので、ひいおじいちゃんの名前だということが、わかったことでしょう。

 お父さんが亡くなっても、自分の名前の後には、お父さんの名前を付けたままです。自分の出自を明確にするということが、大切な社会なのかも。日本では、父の名前の一部を取って、自分の名前につける、ということもよくあるし、韓国・朝鮮では、男兄弟は皆、名前に、同じ文字(行列字)を一文字使う、ということもよくあるようです。先祖についての記憶を残すため、名前を使うのは、いい方法かも。ショーン・オノ・レノンのように、両親の両方の姓をつけるのも、いいですね。

 母方の祖父は、米寿の頃、自分の生涯をまとめた冊子をくれました。ほとんどはメモのような、記録ですが、それだけでもおもしろいし、祖父の生きた時代の雰囲気が伝わります。私も、断片的な話でもいいから、もう少し母から昔話を聞き出して、自分のルーツを想像してみたいと思います。

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4 コメント

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ルーツ? (akberlin)
2007-06-02 21:19:46
・・・といえるほどのものではないですが、私
の名前の一字は父の名前からとってあります。

ちなみに相方の母(義母)はヨゼファというの
ですが、お父さんがヨゼフだったのだそうで。
義母は末っ子ですが、お父さんとしては先に
生まれたのが女の子二人で今度はぜひ跡継ぎを、と思っていたらしいんですね。ところが
また女の子。田舎では子供に親や親戚と同じ
名前をつけるのが当たり前だったらしく、
男の子だったら間違いなくヨゼフだったんで
しょうが女の子だったので、aをつけて
ヨゼファ、と。

この前お葬式で行った田舎で、義母と同じ
名前の相方の従姉がいることも判明。
ハンスとアンナが特に多いらしいです。
(相方祖母の名がアンナだったそうで、
その娘の伯母さんにひとりアンナがいたし、
伯父さんに二人もハンスがいたとか・・・。)
何かしら意味がある (とーこ)
2007-06-03 07:32:40
akberlinさん

> 私の名前の一字は父の名前からとってあります。

akberlinさんが、お父様のことを話題にしてるのを、耳にしたことがありますが、「音読み」だったので、気づきませんでした。漢字文化圏は、こういう楽しみ方もできますね~。

ヨゼファさんて、ちょっと珍しい名前?井上ひさしの洗礼名は、女性の名前(マリア)をつけたくて、「ヨゼフ・マリア」だったか、「マリア・ヨゼフ」だか、男性名を添えて付けたという話を読んだことがあります。
Unknown (akberlin)
2007-06-03 20:52:21
実は私もヨゼファ、というのは初めて聞いた名前でしたが、
ミカエラ(ミヒャエラ)とかガブリエラ、マルティナ、ヨハナ(ジョアンナ)
はそれぞれミヒャエル(マイケル)、ガブリエル、マーティン、ヨハネス(ジョン)の
女性形ですね。

マリアは男性でもときどきミドルネームに
つける名前らしいですよ。
オーストリアの詩人に「ライナー・マリア・リルケ」っていう人がいるらしいですが、
この人も男性です。あ、そういえばフランス人の知り合い(男性)のパスポートを
見せてもらったときにもやたら長いミドルネームがずらずら書いてあって
その中にもMarieがありました。

聖母の名前をいただくとおめでたい、というか
長生きしそう?とか、まぁ、そういうことなんでしょうね。
両性にある名前 (とーこ)
2007-06-04 09:23:35
akberlinさん

男性名→女性形、女性名のパターン、多いですね。フランスのミシェルとか、英米のジーンは、男性・女性ともに使われる名前でしたっけ?(綴りが違うかも)

日本でも、カオル、ノゾミ、アユミなど、男女、どちらに使っても違和感がない名前ってありますね。インドにも、クリシュナとか、スマンは、どちらにも使うようです。

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