Vばら (ある創作&つぶやき)

ある少女漫画を元に、エッセーと創作を書きました。原作者様および出版社とは一切関係はありません。

50周年記念 オフィシャルブックを読んで (6)

2017-05-13 15:43:30 | つぶやき

 「ベルばら」で奏でられる音楽といえばモーツァルト。(他にもあるのかもしれないが、私はクラシックに明るくないのでわからない。)彼の楽曲の中でも、オスカルは何を好んで弾いていたのだろう?

↓  オフィシャルブックに、音楽ジャーナリストの高野麻衣さんが「池田作品×音楽」と題し文章を寄せている。その中で高野さんは次のように述べている。

高野さん  実際のモーツァルトは、貴族の下僕のような地位やしきたりに我慢できず、フリーランスになった最初の音楽家だ。彼のオペラ『フィガロの結婚』は、絶対王政を揺るがした革命のきっかけの一つでもある。「ベルばら」をよく読めば、モーツァルトを愛するのはむしろオスカルのほうだということもわかる。池田さん自身が次のように語っている。

池田先生  オスカルは、キャラクター設定のうえで、モーツァルトの作品が好みで、ヴァイオリン・ソナタK331(高野さん注:K301の誤植か)の最終楽章をお気に入りとしていますが、その当時、モーツァルトの作品は革新的な存在でした。オスカルには、古い宮廷音楽は似合わないと考えたから、モーツァルトをお気に入りにしましたが、おそらくアントワネットに関しては、どちらかといえばモーツァルトよりも、それ以前のバロック音楽を聴いていたのではないでしょうか。」(池田理代子さんに伺う“マリー・アントワネットの魅力”/ CD『プリンセス・クラシック 優雅なる天才の調べ~モーツァルト名曲集』ブックレット所収、東芝EMI、2005年)

 オスカルがモーツァルトの音楽を好んだ理由は、いろいろあるだろう。楽曲の素晴らしさはもとより、王侯貴族に媚びないアウトローな彼の生き方に共鳴する部分もあったはず。現代の私たちから見れば、モーツァルトの作品は完全にクラシック音楽に属しているけれど、同時代を生きたオスカルはそれまでにない新しさ、自由などを感じ取っていたかもしれない。

↓  いったいオスカルはどんな最新作をアンドレに聞かせようとしたのだろう。

 池田先生がオスカルのキャラ設定をするうえで、彼女のお気に入りとしたモーツァルトのK331は、「ピアノソナタ第11番 イ長調」とも呼ばれ3つの楽章からなる。第3楽章は私たちにも馴染み深い「トルコ行進曲」。オスカルがヴァイオリンを弾いていたことを思うと高野さんが指摘したように、これはK301の誤植かもしれない。

 K301は、ヴァイオリンソナタト長調と呼ばれる。2つの楽章からなり演奏時間は約13分。よろしければ第2楽章だけでもお聞きください。(次をクリックしてください。)約5分半の中に起承転結のある、とても穏やかな曲です。

https://www.youtube.com/watch?v=Njr1yEE73Q4

 迫り来る革命の嵐を前に、厳しい軍務から解放されたオフの時間、自分の部屋でこの曲を弾いてオスカルは心を落ち着かせていたのだろう。そして出動前夜、アンドレが自室に来るのを待つ間奏でていたのもこの曲?耳が鋭くなったアンドレが「お前の手には、もっとダイナミックな曲がふさわしい。」と呟くのが、自然な流れに思えてくる。

 読んでくださり、本当にありがとうございます。

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6 コメント

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ソナタ (伽羅)
2017-05-13 20:46:38
こんばんわ
いつも楽しく読ませていただいてます
今回はモーツアルトということでちょこっとおじゃまします。
この曲・・・6つのソナタの中の1曲目
ヴァイオリンソナタというよりヴァイオリン伴奏つきクラヴサンまたはピアノフォルテのためのソナタ
1778年にパリで出版されているので、彼女はまだ近衛にいたころでしょうか、 宮廷の貴婦人のお相手をしていたかもしれませんね。
彼女にヴァイオリンで装飾音たっぷりの伴奏をしてもらえたら少々のことはあっても華やかな演奏になったことでしょう。
とても可愛い曲なので、「もっとダイナミックな曲が・・・」ということなのでしょうか
モーツァルトの楽曲にもダイナミックなものは沢山あるので、あの場面はいまだに私の中では「不思議」な箇所ですが作者にとってはそうなのかな・・・と思うところです

話は変わりますが、最近になって 駅のコンビニでビッテを見つけました♪♪ドレス姿のを
でもその横にあったのがモーツァルトチロルチョコ・・・両方 買っちゃいました
個包装の包み紙が楽譜で、よく見ると「ソナタ」の文字が
細かくて読みにくい、ちょっとだけの楽譜でしたがわりと特徴的な動きがあったのでもしや・・・と思い母の楽譜を引っ張り出してきて探しました
K310の1楽章でした♪♪同じころにパリで創られた曲です
最近ピアノソナタもいいなあと思うようになりました♪♪                            
伽羅さま (りら)
2017-05-13 23:02:53
 コメントをありがとうございます。

>ヴァイオリンソナタというよりヴァイオリン伴奏つきクラヴサンまたはピアノフォルテのためのソナタ

 ヴァイオリン伴奏つき…ということは主役はクラヴサンかピアノになるのでしょうか?原題を忠実に訳しているかどうかが気になります。

>彼女にヴァイオリンで装飾音たっぷりの伴奏をしてもらえたら少々のことはあっても華やかな演奏になったことでしょう

 そうですよね、たまにはオスカルが軍務を離れ、王侯貴族の前でヴァイオリンの腕前を披露する場面があってもいいですね。アントワネットがクラヴサンを弾いて二人で共演するのもいいですし。

>あの場面はいまだに私の中では「不思議」な箇所ですが作者にとってはそうなのかな・・・と思うところです

 私はモーツァルトの作品に詳しくないので、出動前夜、オスカルはいったいどんな曲を弾いていたのか、ずっとわからないままです。伽羅さまは「これかな?」と思う候補曲がありますか?池田先生が思い描くイメージもありますね。どんな曲だったか?…先生は読者の想像に委ねているでしょう。

>駅のコンビニでビッテを見つけました♪♪ドレス姿のを

 アイボリーショコラは、比較的見つけやすいですね。

>でもその横にあったのがモーツァルトチロルチョコ

 駅のコンビニで、まるでヨーロッパ土産のチョコを売っているんですか!?チロルチョコが、グ○コや森○などの国産チョコと同じ感覚で買えるのが何だか不思議です。

>K310の1楽章でした♪♪同じころにパリで創られた曲です

 なかなか洒落ていますね。それに気づかず、包み紙を捨ててしまう人も多いでしょう。
チロルチョコ (伽羅)
2017-05-14 12:46:14
こんにちわ
チロルチョコ・・・モーツァルトバージョンです
味はマジパンとピスタチオという不思議なもので、外袋にはモーツァルトの顔と噴出しに「マジパンって知ってる?」と書いてありました。私の好きなチロルは「きなこもち」
彼のヴァイオリンソナタは、当時の貴族のお嬢様たちが、音楽教師のヴァイオリン伴奏に合わせて弾くためのもので、ピアノのパートは易しく書かれているようです。曲自体、そんなに複雑ではないけれどとっても可愛くて素敵ですね♪
Six Sonates pour Clavecin ou Forte Piano avec accompagnement d'un Violon dédiées à son Altesse Sérénissime Électorale Madame l'Électrice Palatine.
この6つのソナタが出版された時のタイトル
別名「マンハイムソナタ」
301はその最初の曲、2楽章の後半、短調になってから出てくる長調の箇所がぞくっとする魅力です

「あの時の曲」考えてみたのですがヴァイオリン曲に限定することはないと思いました
好きなフレーズがあれば鼻歌のようにメロディーラインを弾いて楽しむことはあったと思うので・・・
私が最近気に入っているのはK589の2楽章冒頭のチェロのメロディーです♪・・・が・・・あの時はまだ出版されていない曲です
でもそんなことを考えながらモーツァルトをあれこれ聴くのは楽しいですね
今日はこのマンハイムソナタ聴いてみようかなと思います
最近はなんでもユーチューブで聞けるのでいいですね・・・アンネゾフィー ムッターのを見つけたので・・・
矢車草はそろそろ終わり・・・楽しみました
伽羅さま (りら)
2017-05-14 23:28:09
コメントをありがとうございます。

>「マジパンって知ってる?」と書いてありました。

 マジパンって、アーモンドの粉と砂糖を混ぜ合わせたもので、お菓子細工に使われますよね。モーツァルトの時代にもあったのかな?

>当時の貴族のお嬢様たちが、音楽教師のヴァイオリン伴奏に合わせて弾くためのもので、ピアノのパートは易しく書かれているようです

 なるほど、そういうことでしたか。令嬢たちに恥をかかせず楽しく弾いてもらうため、あまり難易度の高い曲にしなかったのですね。あの時代、ヴァイオリンやチェロは男性が、女性はクラヴサンやハープを弾いていたイメージがあります。もちろんヴァイオリンを演奏した女性もいると思いますが、当時の貴婦人の肖像画を見ると、ほとんどハープかクラヴサンが描かれています。

>2楽章の後半、短調になってから出てくる長調の箇所がぞくっとする魅力です

 同じメロディが続くかと思いきや、ちょっと雰囲気を変えて、ラストスパートに挑む感じがしました。

>好きなフレーズがあれば鼻歌のようにメロディーラインを弾いて楽しむことはあったと思うので・・・

 なるほど、そうですね。モーツァルトの曲であることだけは、アンドレの台詞から確かなのですが、さてそれがいったい何なのか?これは永遠の謎です。K589、聞いてみました。モーツァルトの心が穏やかな時、作曲された作品でしょうか?

>矢車草はそろそろ終わり

 アントワネットが好んだセーヴル焼きの食器類には、矢車草と真珠が描かれていました。「センス、良いなあ。こんな食器、私も欲しい。」と思いました。
トルコ行進曲 (伽羅)
2017-05-26 00:00:30
こんばんわ
あれから・・・考えていました
どうやってもあの301がお気に入りというのは納得がいかない!!(私は)
ケッヘル番号の誤植ではなくて検索の仕方で違ってしまったのでは・・・と思いました・・・私の勝手な考えですが

どうやったのかな・・・・終楽章がトルコ行進曲の・・・ということから301になったのでは??
もう一曲ありました♪終楽章がトルコのが
ヴァイオリンコンチェルト5番
この曲自体「トルコ風」とも呼ばれています
3楽章の中ほどでトルコの軍楽隊がやってきます・・・けっこう勇ましくて 面白いです
そして最後はふわっと 空中に消えるように終わってしまいます
ケッヘル番号は219。19歳の時の作品・・・彼女もまだゆっくりと練習する時間はあったのではないでしょうか・・・などと勝手に妄想しております

301は・・・彼女には可愛すぎる・・・2楽章の中ほどでシチリアーノ風になって ちょっと凝った感じはありますが・・・

矢車草・・・終わると思って、色のあせた花をチョッキンしまくったら小さなつぼみが一斉に咲きだして・・・まだまだ楽しめそうです

伽羅さま (りら)
2017-05-27 17:24:18
 コメントをありがとうございます。

>ケッヘル番号は219。19歳の時の作品

 動画サイトで聞いてみました。トルコの軍楽隊をどう表現するのか興味深くて。トルコの軍楽隊といえば、独特の愁いのあるメロディが特徴ですが、まさかあんな感じではないだろうなと思いつつ、第3楽章を楽しませていただきました。穏やかで規則正しいフレーズが繰り返された後、曲調が変わっていきまるで嵐が吹いているようになる。そしてまた元の平和なメロディで終わる。軍楽隊の登場する場面は、まさにオスカル向き。アンドレの言う「ダイナミックな曲」とはこんな感じだったのかもしれませんね。これがモーツァルト19歳の作品ですか!?本当に彼は天才ですね。実際にトルコの軍楽隊に遭遇したことがあったのか、それとも想像で創作したのか。伽羅さま、いつも私の知らないクラシック音楽のことを教えてくださり、本当にありがとうございます。

>矢車草・・・終わると思って、色のあせた花をチョッキンしまくったら小さなつぼみが一斉に咲きだして

 きっとアントワネットも長い期間、この花を楽しんでいたと思います。

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